【感想・ネタバレ】ドリアン・グレイの肖像のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年03月03日

私の中で1.2を争うほどお気に入りの本になりました。

思いつきそうで思いつかなかったストーリーもさることながら、キャラクターがとても魅力的。
ヘンリー卿のレスバトルの強さ……
それが正しい、と思わせる自信と巧みな言葉で相手を沼に落としていく。この作品の人物、ほぼ全てが彼の被害者と言っても過言ではな...続きを読むいな……と思います。
恐ろしいのは彼に悪気や恨みがあってそうしているわけではないというところですね……
ヘンリー卿からしてみれば、己の意見を口にしているだけ、アドバイスをしているだけ、戯れているだけなんだろうな、と……

後半のドリアンもとても魅力的。思わず読む手が止まらなくなりました。
バジルとのシーン、アラン・キャンベルとのシーンがとても印象深いです。

メイクを頑張る、ボディメイクを頑張る事ももちろん大切ですが、性格は顔に出るというから、内面を磨くことの方が大切なんだなと改めて気付かされた作品です。
見た目だけ取り繕っていても、邪な心は浸み出してしまうものなのですね。


全ての元凶といえば恐らくヘンリー卿なのでしょうが、ドリアンの結末、バジルの行末を知れば心の底からひどく悲しむのだろうな…と思いました。
あとはアラン・キャンベルも好きなのでもう少し彼を詳しく知りたかった。

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Posted by ブクログ 2014年05月04日

穢れを知らぬ、青年の悲劇。
彼は「鵜呑みにする」ゆえに、
悲劇を自ら生み出してしまいます。

もしも、彼に多少の分別があれば
恐らく、若さがすべてであったり、
衰えがマイナス一方ではないことが
わかったことでしょう。

だけれども、目の前にいる完膚なき【悪魔】の
前では彼は抗うことができませんでした...続きを読む
悪であればあるほど、それは離れがたいものだから。

だけれども、自分を見なかった彼は、
最後の最後で付けを払わされます。
あのような形で…

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Posted by ブクログ 2021年09月26日

オスカー・ワイルドの代表作。モチーフは肖像画と自分の関係であるため、いわゆるドッペルゲンガー物とは少し異なるのだが、肖像画が自分の心のありようを反映して徐々に変化し、あたかも生きているかのようであり、自分のコントロールが効かず、またそれに怯えるようにもなる点で、ドッペルゲンガーのような存在であり、ポ...続きを読むーの「ウィリアム・ウィルソン」を思い出しながら読んでいた。最後は神経症的に自分で自分を追い詰めるようになるあたり類似していると思う。同じような作品が作られるあたり、当時の風潮も反映しているのだろうか。19世紀末という近代の一つの円熟期でもあり、豊かさとアジアからの異文化がロンドンという大都市の中で融合する時代の雰囲気が色濃く反映されていると思う。また、ダンディズム思想に彩られたヘンリー卿とドリアン・グレイの警句が全編にわたって展開されるあたり、また同時代のドイルも描いているアヘン窟の様子など、まさに世紀末のロンドンといえるのかとも。そういえば、最近フィラデルフィアのキングストンという街でのドラッグ中毒者がゾンビのように徘徊する動画が話題になったが、当時のアヘン窟もこんな感じだったのだろうか。ホームズのドラマなどの印象からは19世紀の方がもっと暗いイメージはあり、もっとやばいという感じもする。
いずれにしても、当時の雰囲気や、ワイルド一流の耽美的世界観を満喫できる作品である。

“ものごとを外見で判断しないのは底の浅い人間だけだよ。世界の本当の神秘は目に見えない物ではない。目に見えるものなのだ“(P.50)
“ヘンリー卿はまだ入ってきていない。遅刻するのが彼の主義なのだ。時間に正確であることは時を盗むものだという主義なのだ“(P.91)
“一生に一度しか恋をしない人間こそ浅薄なんだよ。彼らが一途さとか貞節とか呼んでいるものは、習慣による惰性か想像力の欠如だ。感情生活において誠実であるということは、知的生活において変化がないのと同じだ“(P.102)
“結婚の本当のデメリットは人を利己的でなくすることだ。利己的でない人間はつまらない。個性を欠いているんだよ“(P.148)
“まずい演技を観るのは、道徳に反する“(P.167)
“本当に魅力的な人間は二種類しかいない。本当にすべてを知っている人間か、何を知らない人間だ“(PP.167-168)
“情熱的な経験を排除するような思想や体系は、どんな形にせよ決して受け入れてはいけない。この快楽主義の目的とするところは、その経験自体であり、その経験から何かの成果を得ることではない。たとえその成果が甘いものであろうと、苦いものであろうとも、快楽主義は、感覚を押し殺してしまう禁欲とも、感覚を鈍らせる放蕩とも相容れない。それは、ただの瞬間にすぎない人生の一瞬一瞬に意識を集中して生きるよう、人間に教えてくれるものなのだ“(P.251)

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