オスカー・ワイルドのレビュー一覧

  • 理想の夫

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    ウィットに富んだおしゃれな英国古典文学。おしゃれで小粋なやり取りと、入り組んだ人間関係にワクワクします!

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    2023年12月28日
  • サロメ

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    大好きなオスカーワイルド。サロメという作品は聞いたことがあったけど、まさか幸福の王子を書いたオスカーワイルドが書いたとは思わなかった。

    旧約聖書の一部分を抜き取ってお話にしたものなのかな。
    サロメが残酷な方面に純粋だった。ラスト、我に返ったような手のひら返しがすごい(これはヘロデ王)。
    ヘロディアは誰も見ていない、という記述が興味深かった。原典(フランス語)でも読んでみたいな。

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    2023年11月01日
  • ゲイ短編小説集

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    ネタバレ

    キリスト教に根ざした英米ゲイ小説は破滅的としか言いようがないんだけど『幸福な王子』は好きです。添い遂げてるから。
    『プロシア士官』の将校→従卒の描写はエロくて良かった。
    舐めるような視線と突き上げるような欲情を感じるのに、その一切を否定しようとして結果暴力と死を迎えるのたまらんね。やはり破滅的。

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    2023年02月24日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    魂、欲望、理性、道徳、美、善、等についての語りが多く意外に思弁的。ストーリーは一本調子。それでもぐいぐい読ませるのは、登場人物のキャラクターの強さだろう。主人公のグレイとその美を崇拝する画家ホールワード。そしてニヒリスティックなヘンリー卿。19世紀末のまさに世紀末的な時代の空気を感じる。同じ時代にはニーチェがいた。彼の思想と重なるものを感じる。

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    2023年01月31日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    全編通して逆説を言い続ける友達と、
    気に入った本を9冊買って違う色のカバーをかけ、その日の気分に合った色のを読むというくだりが良かった。

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    2023年01月29日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    ネタバレ

    オスカー・ワイルド唯一の長篇小説。うまく感想をまとめられないが、まず、間違いなく傑作なのであろうと思う。それは本作がいまだに読み継がれていることからも明らかである。しかし、いっぽうで失敗作のような気もする。題名にもなっている肖像画は、画であるにもかかわらず、容貌が醜く変化してしまい、そのことがきっかけとなって多くの災厄がまき起こる。この部分だけ聞くとオカルティックで、個人的にもどうにも馴染みづらかった。そして、傑作であり失敗作であるという二重性はまた、作中の肖像画に対する評価でもある。そう考えるとこの小説は、世にも奇妙な肖像画を文章という形で表現したものであるといえるかもしれず、そんな藝当がで

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    2023年01月03日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    唯美主義に浸りたいだけの気持ちで読むには人生動かされすぎる問題作でした((汗

    ここから得るものはかなり大きいので、人生で読んでおいた方がいい作品だと思うのですが、あらすじとか教養として知っていただけの大雑把な内容などから受けるイメージは軽すぎたかもしれません。
    実際に読んでみたら無秩序が予想の遥か上をいっていて、とにかく怖い怖い!
    怖がらせるためのホラー小説よりもずっと怖いです……。

    凄く重く心にのしかかるものがあり、考えようによっては財産にもなり得ると思うので、読んでよかったというのは素直な感想ですが、ただ私は実際に読破する前の、大まかな知識だけの時の方がこの作品が好きでした。
    全て含め

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    2022年10月15日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    ネタバレ

    耽美小説
    宝石や美しいものに関する逸話などにグレイがのめりこむ章をもう少し色鮮かに想像しながら読み直したい。
    神話の引用などかなり詳しくならないとなぞるのが難しく、ただただ固有名詞として流すしかないのがもったいない感じがする。やっぱり神話とシェークスピアの知識は必須。
    花や宝飾品、家具、色の名前なども豊富だから、図鑑などで予備知識を増やしておくのもいいかも。
    ヘンリー卿がサディスティックで魅力的。結局この人が一番のまともな人間だったんじゃないかという気もする。
    バジルが不憫。3人とも複雑な内面で、漫画のような単純なキャラクターがいない。
    自分の若さと美しさを他者から自覚させられて、その途端、そ

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    2022年08月01日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    ネタバレ

    オスカー・ワイルドの代表作。モチーフは肖像画と自分の関係であるため、いわゆるドッペルゲンガー物とは少し異なるのだが、肖像画が自分の心のありようを反映して徐々に変化し、あたかも生きているかのようであり、自分のコントロールが効かず、またそれに怯えるようにもなる点で、ドッペルゲンガーのような存在であり、ポーの「ウィリアム・ウィルソン」を思い出しながら読んでいた。最後は神経症的に自分で自分を追い詰めるようになるあたり類似していると思う。同じような作品が作られるあたり、当時の風潮も反映しているのだろうか。19世紀末という近代の一つの円熟期でもあり、豊かさとアジアからの異文化がロンドンという大都市の中で融

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    2021年09月26日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    周りにいる人物や友人によって、人は大きく変わってしまうことがある。
    でも、誰とどのような付き合いをするのかを選ぶのもまた自分。

    自分を止める事ができなくなったドリアン。

    排他的な持論を並べるヘンリー卿。

    自分の思いを上手く言葉にできないバジル。

    3人の間に垣間見える好意と嫌悪、嫉妬。
    全ての感情が同時に存在する人間の心って難しい。

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    2021年05月18日
  • サロメ

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    ワイルドオスカー戯曲「サロメ」1893年(明治26年)刊行。平野啓一郎訳。三島由紀夫が自ら初めて購入した本とも。新約聖書を元に。兄である前王を殺し妃を奪い娘のサロメにもいやらしい目線を送る王。この婚姻を批判する洗礼者を牢に閉じ込める。サロメは洗礼者に一目惚れし、嫌いな王の前で7つ舞を披露し褒美に洗礼者ヨカハーンの首を求める。怖すぎです。

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    2021年04月02日
  • 新装版 幸福の王子

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    幸福とは何かを伝える本。
    物語形式になっており、とても読みやすい。
    聖人の話のみたいで宗教色が感じられるけど、その境地に立てたらとても幸せなんだろうと思えた。
    幸福を考えたい人にオススメです。

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    2020年11月22日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    ゴシック小説第2ブームの代表作(最初のブームの代表作は「フランケンシュタイン」)。もうプロットが大天才なんじゃ...天才であると同時にかなりシンプルなんだけど、しかしその肉付けがモリモリモリ...いやあものすごいものをよんだなあ...!

    「なにはともあれ有害な書物であった。あたかも香の強烈な匂いがこの本の頁にまとわりつき、頭脳を濁らせているかのようだった。」(p.247)この本もそうだと思う(笑)わたしにとっての新しい視点からの考え方をめちゃくちゃ吹き込まれた!でもそれが良いことなのかこの作品に関してはちょっぴりわからないのも事実(笑)

    オスカーワイルドの逆説は奇抜で常識に囚われてなくてほ

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    2020年08月06日
  • サロメ

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    巨万の富を約束されても欲しいのは一貫としてヨナカーンの首。
    頑固一徹。
    王様に長々と説得されたとしても、欲しいのはあの人の首の一言。
    一連のやりとりがとても滑稽でもあり、サロメのどうしようもない感じがまた狂気を感じました。
    愛を知らないから?拗らせてしまったから?
    純粋過ぎるから?後のとんでもない行動、斬首された人の首にキスだなんて‥想像するだけで気持ちが悪いですが、
    愛していたからこそ出来る事でもあるのかもしれませんね。

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    2020年05月06日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    なんか聞いたことあるタイトルと思ったが、昔「プルシアンブルーの肖像」と言う映画を観に行ったのを思い出したわ。検索したらリアル青髭がいた。


    本編→肖像画を描かれて「ふーん」ってな感じだったドリアン。新しいお友達に「絵は美しいままだが、君は老いて醜くなっていく」と言われ、本能的に「いやや!歳とるのは絵の方で自分はずっと変わりたくない」と願いその通りになってしまう。内容は短編で収まると思うが、世の中の自分か好きな物の羅列と会話で増量。文章は素晴らしいが物語とあんまり絡んでないという。スリラーなのかね。

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    2018年12月24日
  • サロメ

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    妖しい月光の下、継父ヘロデ王の御前で艶やかに舞ってみせた王女サロメが褒美に求めたものは、囚われの美しき預言者ヨカナーンの首だった――少女の無垢で残酷な激情と悲劇的結末を鮮烈に描いた「世紀末最大の傑作」が、芥川賞作家・平野啓一郎の新訳で甦る! 宮本亜門舞台化原作。(裏表紙)

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    2017年12月12日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    期せずして永遠に続く美貌を手に入れてしまったことによる悲劇。
    老いること、醜く歪むことが、どれだけ彼を留めさせることができただろうか。
    ブラックジャックの「人面瘡」を思い出した。

    この本はとにかくヘンリー卿の印象が強い。
    ドリアンもそこそこ警句じみたことは言うのだけれど、何故かヘンリー卿に比べて非常に薄っぺらく見えてしまう。

    1つ文句を言わせてもらうなら、裏表紙の豪快なネタバレ。
    確かにストーリーの行く末自体は予測しやすいし、この本の魅力の一端でしか無い。
    でも裏表紙に書いちゃうのは違うでしょう……。

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    2017年10月21日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    名著中の名著ですね、この作品。
    とにかくヘンリー卿の名ゼリフのオンパレードです。
    名ゼリフすぎて、この著者どれだけ世間に恨みつらみ持ってんだよ、と思ってしまいます。
    で、実際に著者オスカー・ワイルドさんの事を調べたらなるほど納得という感じでした、気になる方はぜひ読んでみて下さい。
    僕の中でのヘンリー卿名ゼリフベスト5を残しておきます(ベスト5では全然足りない)。

    第5位
    若さが消え去れば、一緒に美も失われる。
    そして君は自分にはもうなんの勝利も残されていないことを知るんだ。
    あるいは過去の記憶と比べれば、敗北よりも惨めになるようなつまらない勝利で自分を満足させなければならなくなったのをね。

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    2017年07月16日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    難しいところもあったけど、基本的に読みやすかった。
    暗い部屋の雰囲気、晩餐会の雰囲気、劇場の雰囲気、イメージしやすかった。
    ぞわぞわするところは夜に思い出してはいけない。(笑)

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    2016年09月28日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    深夜ドラマでこの作品を知って、いつか読まなきゃと思いつつ5・6年経ってしまいました。オスカーワイルドや彼の他の作品については何も知りませんでした。
    肖像画が本人に代わって年をとる、というストーリーがわかりやすかったので、読みづらい文体でも読み進むことができました。特にヘンリー卿の(ワイルドの?)人生観が多すぎるくらいに散りばめられていたので、ひとつずつ咀嚼していたら時間がかかってしまいました。でも、印象に残る台詞ばかりで、納得するところも多かったのでとても興味深かったです。女性観については女性として、おや?と思う部分もありましたが。


    美という芸術に捕らえられた少年が「罪」を巻き込んで「成長

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    2016年08月04日