オスカー・ワイルドのレビュー一覧
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ネタバレオスカー・ワイルド唯一の長篇小説。うまく感想をまとめられないが、まず、間違いなく傑作なのであろうと思う。それは本作がいまだに読み継がれていることからも明らかである。しかし、いっぽうで失敗作のような気もする。題名にもなっている肖像画は、画であるにもかかわらず、容貌が醜く変化してしまい、そのことがきっかけとなって多くの災厄がまき起こる。この部分だけ聞くとオカルティックで、個人的にもどうにも馴染みづらかった。そして、傑作であり失敗作であるという二重性はまた、作中の肖像画に対する評価でもある。そう考えるとこの小説は、世にも奇妙な肖像画を文章という形で表現したものであるといえるかもしれず、そんな藝当がで
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Posted by ブクログ
唯美主義に浸りたいだけの気持ちで読むには人生動かされすぎる問題作でした((汗
ここから得るものはかなり大きいので、人生で読んでおいた方がいい作品だと思うのですが、あらすじとか教養として知っていただけの大雑把な内容などから受けるイメージは軽すぎたかもしれません。
実際に読んでみたら無秩序が予想の遥か上をいっていて、とにかく怖い怖い!
怖がらせるためのホラー小説よりもずっと怖いです……。
凄く重く心にのしかかるものがあり、考えようによっては財産にもなり得ると思うので、読んでよかったというのは素直な感想ですが、ただ私は実際に読破する前の、大まかな知識だけの時の方がこの作品が好きでした。
全て含め -
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ネタバレ耽美小説
宝石や美しいものに関する逸話などにグレイがのめりこむ章をもう少し色鮮かに想像しながら読み直したい。
神話の引用などかなり詳しくならないとなぞるのが難しく、ただただ固有名詞として流すしかないのがもったいない感じがする。やっぱり神話とシェークスピアの知識は必須。
花や宝飾品、家具、色の名前なども豊富だから、図鑑などで予備知識を増やしておくのもいいかも。
ヘンリー卿がサディスティックで魅力的。結局この人が一番のまともな人間だったんじゃないかという気もする。
バジルが不憫。3人とも複雑な内面で、漫画のような単純なキャラクターがいない。
自分の若さと美しさを他者から自覚させられて、その途端、そ -
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ネタバレオスカー・ワイルドの代表作。モチーフは肖像画と自分の関係であるため、いわゆるドッペルゲンガー物とは少し異なるのだが、肖像画が自分の心のありようを反映して徐々に変化し、あたかも生きているかのようであり、自分のコントロールが効かず、またそれに怯えるようにもなる点で、ドッペルゲンガーのような存在であり、ポーの「ウィリアム・ウィルソン」を思い出しながら読んでいた。最後は神経症的に自分で自分を追い詰めるようになるあたり類似していると思う。同じような作品が作られるあたり、当時の風潮も反映しているのだろうか。19世紀末という近代の一つの円熟期でもあり、豊かさとアジアからの異文化がロンドンという大都市の中で融
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ゴシック小説第2ブームの代表作(最初のブームの代表作は「フランケンシュタイン」)。もうプロットが大天才なんじゃ...天才であると同時にかなりシンプルなんだけど、しかしその肉付けがモリモリモリ...いやあものすごいものをよんだなあ...!
「なにはともあれ有害な書物であった。あたかも香の強烈な匂いがこの本の頁にまとわりつき、頭脳を濁らせているかのようだった。」(p.247)この本もそうだと思う(笑)わたしにとっての新しい視点からの考え方をめちゃくちゃ吹き込まれた!でもそれが良いことなのかこの作品に関してはちょっぴりわからないのも事実(笑)
オスカーワイルドの逆説は奇抜で常識に囚われてなくてほ -
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名著中の名著ですね、この作品。
とにかくヘンリー卿の名ゼリフのオンパレードです。
名ゼリフすぎて、この著者どれだけ世間に恨みつらみ持ってんだよ、と思ってしまいます。
で、実際に著者オスカー・ワイルドさんの事を調べたらなるほど納得という感じでした、気になる方はぜひ読んでみて下さい。
僕の中でのヘンリー卿名ゼリフベスト5を残しておきます(ベスト5では全然足りない)。
第5位
若さが消え去れば、一緒に美も失われる。
そして君は自分にはもうなんの勝利も残されていないことを知るんだ。
あるいは過去の記憶と比べれば、敗北よりも惨めになるようなつまらない勝利で自分を満足させなければならなくなったのをね。
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Posted by ブクログ
深夜ドラマでこの作品を知って、いつか読まなきゃと思いつつ5・6年経ってしまいました。オスカーワイルドや彼の他の作品については何も知りませんでした。
肖像画が本人に代わって年をとる、というストーリーがわかりやすかったので、読みづらい文体でも読み進むことができました。特にヘンリー卿の(ワイルドの?)人生観が多すぎるくらいに散りばめられていたので、ひとつずつ咀嚼していたら時間がかかってしまいました。でも、印象に残る台詞ばかりで、納得するところも多かったのでとても興味深かったです。女性観については女性として、おや?と思う部分もありましたが。
美という芸術に捕らえられた少年が「罪」を巻き込んで「成長