オスカー・ワイルドのレビュー一覧
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話としては知っていたけれど、読んだのは初めて。
恋する人に振り向いてもらえなかったユダヤの王女サロメが、王の前で舞を舞った褒美に、その恋しくて憎い預言者ヨカナーンの首を所望する、という話。
ところが、聞くと読むとは大違い。
まず、会話劇のはずなのに、一つとして会話が成立していない。
誰もが自分の言いたいことをまくしたてているばかり。
人の話を聞け!
一番ヤバいのがヨカナーンだと思う。
私はもっと落ち着いて、理路整然とキリストを語る人なのかと思っていたけれど、うわごとのようにひたすらキリストについて語り、王妃の不実をなじるのみ。
サロメは一目ぼれというか、声に惚れたっぽいけど、いいの?こんな -
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なかなか胸が悪くなるタイプの主人公。
自分で物事を考えるのでは無く、倫理観も持ち合わせず、周囲の人の勧めや助言からそのときしっくりくるものを選び行動していき、次第に身を持ち崩していく。
その退廃からくる悪相はみな肖像画が引き受けてくれるため、恐れを抱きながらも実質やりたい放題。
本人の持つ魅力と金銭力から、ほんとうになんでも思い通りになる。
社交するイギリス貴族たちも仲良くなれなそうな価値観(現代日本の庶民が読んでいるためそれはそうなのですが)で、嫌な話だなあ、、と思いつつ、絵が変貌するというホラーのようなSFのような設定も相まって、全然別次元の寓話として面白く読むことができました。
花や庭の -
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現代に響く「美」と「秘匿」の呪い
オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』を読み終えた。まず心に残ったのは主人公ドリアンが世間の規範を脱ぎ捨て、自らの美学と快楽に忠実に生きる姿に見出した「清々しさ」だった。他者の視線や道徳に縛られず、己の欲求を最優先するその生き方はある種の解放感に満ちている。しかし、その清々しさの裏側には、ヘンリー卿という甘美な言葉を操る大人によってかけられた「若さと美への執着」という重い呪いが横たわっていた。
ドリアンが堕落の道を突き進めたのは自分の罪をすべて引き受けてくれる「肖像画」という身代わりがいたからに他ならない。もし肖像画がなければ彼はここまで大胆にはなれな -
ネタバレ 購入済み
サロメとかも書いてます
どちらかといえばサロメよりの話が多いワイルドさんですが、
とても同じ人の頭から紡がれた話とは思えない。
たいへん綺麗な話です。
汚れた話を書いている自覚があって、その反作用でこうした話を紡ぎ出したのでしょうか。
草葉の影に引っ込んだ後、機会があれば聞いてみたいものです。
お好みで。 -
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ビアズリー展のミュージアムショップで購入し、展覧会の余韻に浸りながら帰りの新幹線で読破。
そう、今こそその口にキスをするわ、ヨカナーン。
……ああ!ヨカナーン、ヨカナーン、おまえだけなのよ、私が愛したのは。
同じ言葉の繰り返しが多用されていてサロメの激情がひしひしと伝わってくる。きっと劇で見ると迫力がもっとあるんだろうな。
オスカー・ワイルド本人はビアズリーの挿絵を「日本的だ」と嫌っていたみたいだが、サロメの退廃的で耽美的な世界観にはビアズリーの美しく繊細ながらも不気味な絵柄が合うな…と思ってしまう。
訳者あとがきも面白かった。フランス語の二人称の使い分けと心理的距離の変化が連動してる -
Posted by ブクログ
ネタバレ文学を読もうと思い名前を聞いたことがあった本書を手に取りました。本書はちょっと昔のイギリスの金持ちの若者がひょんなことで堕落し、最終的に悪の方面に転落しきって亡くなるという小説です(あまりにも雑な要約)。
元来真面目(あるいは無垢?)であった主人公のドリアンは、画家のバジルを通じて知り合ったヘンリーに唆されどんどんよくない方向に進んでいきます。ヘンリーの人間像が非常にいい感じで、哲学的でなんだか深そうなよくわからないことを滔々と喋り続けるわけです。現代日本人である私の感覚からすると、ある種の魅力はあるにせよ関わってはいけないタイプの人間に感じられます。思うに、いい大人であれば本書が出版され -
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周囲を虜にし、また危惧させるほど魔性の美貌を誇る王女サロメの、預言者ヨカナーンへの執着たるや! どれほど本人から拒まれようと恋慕し、己が手中に入れんとする様が恐ろしい。狂気ここに極まれり。
なぜエロド王はサロメのことをずっと視ていたのか?
ヨカナーンが非難していたのは本当にエロディアス妃だったのか、そもそも彼女は本当に罪深かったのか?
そもそもヨカナーンは真に預言者であったのか?
……戯曲としてはかなり短い内容。聖書から材を得ているらしいが、分からないことだらけ。とは言え狂おしく禍々しいくらいの耽美の世界には圧倒された。収録されているAubrey Beardsleyの不可解で官能的な挿絵18