あらすじ
19世紀末、ロンドン。画家のモデルをつとめるドリアンは、若さと美貌を映した自らの肖像画を見て、自分自身はいつまでも若々しく、年をとるのは絵のほうであってほしいと願う――。快楽に耽り悪行に手を染めながらも若さを保ちつづけるドリアンと、かれの魂そのままに次第に恐ろしい醜悪な姿に変貌する肖像画との対比を描く。新訳。
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Posted by ブクログ
設定が面白すぎました。メディア化されるのも納得のストーリー展開です。
美青年であることを軸に登場人物が翻弄されていくのですが、それゆえに主人公ドリアン自身も道なき道、あらぬ道を歩まねばならなかったとは。
最終的にえええーーーっとなる結末までのプロセスも面白く読みました
Posted by ブクログ
Oscar Wilde(1854-1900)
アイルランド出身でダブリンのトリニティカレッジをへてオックスフォード大学に学び、在学中からその才能は大衆から人気を集めた。卒業後はロンドン社交界で唯美派のスターとしてもてはやされた。時代の因襲と社会常識を逆撫でするような生き方を続けた。
Posted by ブクログ
少し残酷、でも芸術的で美しい物語。ワイルドの天才さがわかる物語だと思う。若さと容姿の美しさに囚われている人は、この本を読むことをおすすめする。映画も観たいのだ。
Posted by ブクログ
良い本を読んだ。
変わらない美貌とは裏腹に、醜く老いる肖像画。表面上の永遠の若さと美貌と、魂の変貌を肖像画というモチーフで不気味に生き生きと描写する。
最初がお説教のように古い警句だらけで飽き飽きと読んでいたけど、肖像画が現れてから本から手を離せなかった。秘密を一度隠してしまうと、その罪悪感と猜疑心でますます醜くなる。このままでは必ず報いがある、隠し通せないという恐れと美しさへの魅力の相反する感情に、驚きの幕切れ。
ドリアンも結局は犠牲者だったのかもしれない。
Posted by ブクログ
ドリアン本人は美貌を保つ一方で、肖像画は年をとっていく
死は怖くないけど、死が近づいてくることが怖い
画家のバジル、婚約者、婚約者の弟と周りが無くなっていく
途中11章は飛ばし読みしちゃったけど、他は読み入った
Posted by ブクログ
大人のための寓話。
完成度が高く、美しくもグロテスクで悲しい。
現代人からすると時代錯誤な描写もあるが、毎日鏡を見ては若く美しく、、、とお化粧している身としては、自分を少し顧みねばという気持ちになった。
Posted by ブクログ
ワイルドの物語は、コインの表と裏、紙の表と裏、その間にある僅かな厚み…その「奥行き」を表そうとしているように思える。何度でも読み返して伏線を見つけたいと思える作品。
Posted by ブクログ
オチは聞いたことがあるから、なかなかちゃんと読もうという気持ちになれなかった作品。
のめり込めるまでちょっと時間かかったかな。
時代背景の理解も難しいし、いちいちまどろっこしい言い方で表現してるところがしんどいかも。
本当に後半になってからおもしろかったかな。
少し予想外の展開が待っていたのでそれはよきよきでした。
全部で20章あって、中でも11章目は飛ばしました!
お話の本題から脱線していたような??
女性は支配されるのが好きとか、当時の人は思ってたんだって、クズ男なヘンリーが言うことに毎回ドン引きしてました。
モデルのドリアンと画家のバジルはまともな感じ。
ドリアンは推し活してるところは可愛かったな。
小さな劇場でまだ名前も売れていない女の子に恋をして、毎回その子が出る劇を見に行って。
この作品は当時の人たちを騒がせて、著者の作品を「不潔」とか言ったり道徳から逸れた価値観って批判を受けたらしい。
Posted by ブクログ
言わずと知れた耽美主義の代表といえる作品。情景描写がとても美しく、古い絵画を見ているかのよう。
主人公の自らの愚かさによってどんどん自分の生きていく居場所をなくしていく、その恐怖感をひしひしと感じた。