オスカー・ワイルドのレビュー一覧

  • ドリアン・グレイの肖像

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    ネタバレ

    いつまでも子供の頃のように純真無垢でいたい。
    とびきりの美男美女じゃなくとも、魂の清廉さを求める心は誰にでもあると思う。
    そして、そんな願いを叶えたのが本作の主人公ドリアングレイ。彼は自分の肖像画に我が身にふりかかる不浄の一切を引き受けてもらえるように願い、そして叶えられた。

    どう考えても悲劇的な結末しか予感させない。
    なによりわたしが一番恐ろしいのは、日々頽廃するドリアングレイよりも、ヘンリー卿だ。
    彼が毎度唱える逆説的な台詞には、19世紀末の暇にあかした貴族の物憂げさ、噂好き、結末のない議論好きな雰囲気がよくあらわされている。

    そして彼こそ、側でドリアンが侵す悪行の数々を目にしていたは

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    2024年07月04日
  • 幸せな王子

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    す、凄い良かった。
    オスカーワイルドについては、経路がおかしいけど原田マハのサロメという作品を通じて知ったので、いい印象がなかった分、余計に感動しました(笑)
    どの作品もアイロニックで、美しい文章で着飾られ、哲学的で、人間的で今の私が悩む諸々のことに、響くものがたくさんあります。琴線に触れるというか、オスカーワイルドがどれほど機知に富んでおり、悩み抜き、繊細な人なのかを窺い知れます。さらに、後藤貴志の挿絵がまた絶妙でビアズリーを思わせるタッチがたまらんです。
    この本で取り上げられた作品が収められてるそれぞれの童話集を読んでみようと思います。

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    2024年07月01日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    ヘンリー卿は時空を越えて存在する完璧な存在。
    実在しなくて本当によかった。
    出会った作品の中で最高ではないが、人生で最も影響を受けた物語。いまだに呪縛は取れず何度読んでもワイルドの恥美的な世界にどっぷり浸かってしまう。

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    2024年04月24日
  • 幸福の王子

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    あまりに美しい物語

    黄金に覆われた鉛の体を持つ像は
    幸福な王子と呼ばれた夭逝の王子の姿と心を継いでいる。
    その王子像と、渡りの旅の道中にあるツバメの
    出会いと愛の物語。
    悲劇ではあるが、町の人々は王子像とツバメによって救われているのだ。
    悲しいだけの話ではなく、王子とツバメの気高さが胸を打つ。
    ツバメが実は主役なんだな。
    ツバメは、暖かいエジプトに旅立つ事を放棄し王子が自らの体を貧しき人々に分け与える手助けをする。
    「私は男が苦手なんですよ」なんて気取った事ばかり言う、多弁なツバメが王子の美しさに惹かれ
    王子の外見以上に美しい心に触れ、次第に王子を誰よりも愛するようになる。
    ツバメは愛を知ったのだ。
    王子とツバメ

    #切ない #ハッピー #胸キュン

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    2023年12月25日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    オスカーワイルド3冊目。また瘴気に当てられた…大筋のストーリーこそベーシックだと思いますが、とにかく会話と思考の逆説に次ぐ逆説。真理のようにも気取っているだけのようにもとられるけど、主要な登場人物3人こそワイルドの分身なのだろうと思います。

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    2023年12月07日
  • サロメ

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    今度オペラを見に行くので、久しぶりに読みました。かれこれ10年ぶりくらい…?以前読んだのは高校生か大学生なりたてかの多感な時期で、ひどく美しく耽美な戯曲に、そしてその日本語を書いた福田恆存に、くらくらしていた記憶がある。
    久しぶりに読み返してそこまでの陶酔感が得られなかったのは、再読だからか、年だからなのか…再読だから、だといいんだけど笑

    ドリアンなども読んだ身からすると、いかにもワイルドらしい表現、特に月に対する表現に、にんまりしていた。
    「月を見るのはすてき! 小さな銀貨そつくり。どう見ても、小さな銀の花。冷たくて純潔なのだね、月は…さうだよ、月は生娘なのだよ。生娘の美しさが匂つてゐるも

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    2023年06月01日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    『幸福な王子』『サロメ』を残したアイルランド出身の詩人、作家、劇作家・オスカー・ワイルド唯一の長編小説。

    「美」と「若さ」をテーマにすえた、強烈な寓話的物語。ところどころに散りばめられている、作者の鋭い人生論的言及をメモメモ。ヘンリー卿のシニカルなワード・パワー、ドリアンのサスペンス味を増す後半の展開に引き込まれつつ、人生の実相に思いを馳せる。あらすじや結末が知られながらも、多くの人を惹きつけ続け、読まれ続けるのは納得。本翻訳の良し悪しはちょっとわからないのだけれど、他翻訳でもぜひ読んでみたいし、繰り返しの読書に耐える作品だ。

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    2023年05月13日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    津村のよみなおし世界文学の1冊である。ワイルドの有名な小説ということであるが、簡単英語の本では読んだ気がするが、現物を読んだことはなかったような気がする。話は怪奇ではあり、その怪奇の部分だけが簡単英語の本では強調されていたような気がする。あらためて初めから読んでみると、様々なことが描かれていることがわかる。会話体が多い。

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    2023年05月13日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    昨年の『禁色』、今年の『標本作家』ときて、ようやく『ドリアン・グレイの肖像』にたどり着きました。本に関しては、読むべき時におのずと手に取ることになるという(?)運命論者なので、来るべき時が来たという感じです。
    学生時代に『サロメ』にはまった時に、なぜこちらを手に取らなかったのか。福田恆存が好きだと話し合える友人がいたのに、なぜこの本を手に取らなかったのか。もう彼と話し合えることがないのに、今更彼にぴったりな本達を読むことになっているなんて、なんと残酷なのだろうと思います。でも私たちにとって、美しいものは悲劇的であるということはあまりに自明なことなので、きっとこれで良かったのだと思う自分もいます

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    2023年03月05日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    ネタバレ

    めちゃくちゃ良かった!!
    学校の図書室で借りたのだが、返却期限より圧倒的に早く読み終わってしまったくらい面白かった。
    前は途中でやめちゃったけど、なんだか今回は不思議とスルスル読めた。本にも時期ってものがあるのかしらね?

    純粋にストーリーが面白い。最初は少し恥ずかしがり屋で純粋な青年だったドリアンがどんどん堕落していくのにはゾクゾクした。退廃的……ってこういうことを言うのかな。
    ドリアンが堕落していく様が不思議と美しくて、読者もこの青年の悲劇を見届けたい……っていう考えに駆られてしまう。
    最後も良かったね。自分の罪に振り回されて破滅……。若さと美しさに執着してたのにそれも失われる案外あっけな

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    2022年09月05日
  • ゲイ短編小説集

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    ゲイ小説…と言っても、正にゲイ小説っていうのもあれば、グレーゾーンなものもある。
    ワイルドの『幸福な王子』の王子とツバメまでゲイにされちゃうと…なんだかなぁ。好きな話だけに「ちょっとやめてほしい」って気になる。

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    2022年03月13日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    Oscar Wilde(1854-1900)

    アイルランド出身でダブリンのトリニティカレッジをへてオックスフォード大学に学び、在学中からその才能は大衆から人気を集めた。卒業後はロンドン社交界で唯美派のスターとしてもてはやされた。時代の因襲と社会常識を逆撫でするような生き方を続けた。

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    2022年02月22日
  • 理想の夫

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    宝塚で舞台化されるのを期に復刊されたので勝ってみた。
    まだワイルドはサロメしか読んでなかったから、こんなに軽やかに面白いコメディだとは思わなかった。
    全てが丸く収まって大団円、というところで、たしかに宝塚別箱でやるのにちょうどいい登場人物数とストーリー。
    男がどう、女がどうみたいな台詞は今読むと眉を顰めるようなものでつまらないんだけど、そのあたりを抜きにしたらとても面白い作品。これ読んでなかったらワイルドは辛気臭いイメージになっていたところだった。読んでよかった。

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    2022年02月14日
  • サロメ

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    平野啓一郎によるサロメ。解説でご本人が述べられていたが非常に少女性があるサロメになっている。好きな男を振り向かせようとして一生懸命なサロメ。だけど振り向いてくれず最後は殺してしまう。ヘロデも娘を振り向かせようと領土の半分を与えようとする。耽美的になりすぎず一方でサロメ独特の魅力も残したままうまく訳されていると思う。
    平野さんの解説も出色で世紀末の京都の雰囲気が懐かしかった。田中さんのワイルドに関する解説もワイルド、サロメ理解を深めてくれるもので、田中さんのアドバイスがあっての平野訳ということでもあるのだろう。リヒャルト・シュトラウスのサロメとは違うということも解説を通じて知ることができた。

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    2021年12月26日
  • ドリアン・グレイの肖像

    匿名

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    雑な感想ですが

    あとがきやレビューでも言われている通り、とても読みやすい翻訳。それほど平易な日本語とも思えないのに、スムーズに読めるから不思議だ。ここまで物語の内側にすっぽりくるまれるかのようにしてこの年代の海外作品を読んだことはない。

    内容に関して言えば、読んでいる最中には色々な思いが去来したものの、今はただ美しい…という以外に感想がない。私が感受性に乏しいからそれしか言えないのだろうが、この物語は本文の中ですでに完成し切っており、それ以上に言い足したいことがないという気持ちでもある。
    解説の中で、エドガー・アラン・ポーらの作品との共通点が指摘されている。怪奇幻想的な雰囲気もさることながら、メタファ

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    2021年11月21日
  • サロメ

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    サロメはあの絵が有名だからよく知っていた。でもまた絵で見るのと本で読むのとは違ってよかった。サロメの妖艶な感じがよく出ていると思う。

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    2021年08月27日
  • サロメ

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    登場人物それぞれのつぶやきが、他の登場人物にまともに受け止められることなく飛び交いながら、事態は冷たい熱に浮かされながら、ラストに向けて一直線に進んでいく。そしてカタルシス。誰もがこの作品について語りたくなるのがよくわかる。平野の訳註や訳者あとがきもよいが、巻末の宮本亜門の文も面白かった。

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    2021年08月14日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    ネタバレ

    私の中で1.2を争うほどお気に入りの本になりました。

    思いつきそうで思いつかなかったストーリーもさることながら、キャラクターがとても魅力的。
    ヘンリー卿のレスバトルの強さ……
    それが正しい、と思わせる自信と巧みな言葉で相手を沼に落としていく。この作品の人物、ほぼ全てが彼の被害者と言っても過言ではないな……と思います。
    恐ろしいのは彼に悪気や恨みがあってそうしているわけではないというところですね……
    ヘンリー卿からしてみれば、己の意見を口にしているだけ、アドバイスをしているだけ、戯れているだけなんだろうな、と……

    後半のドリアンもとても魅力的。思わず読む手が止まらなくなりました。
    バジルとの

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    2021年03月03日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    やりたいことをやった後に初めてやらなきゃいけないことが出来る的なことを言った快楽主義のオスカーワイルド。儚くも美しい。

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    2021年01月25日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    少し残酷、でも芸術的で美しい物語。ワイルドの天才さがわかる物語だと思う。若さと容姿の美しさに囚われている人は、この本を読むことをおすすめする。映画も観たいのだ。

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    2020年12月31日