オスカー・ワイルドのレビュー一覧

  • ドリアン・グレイの肖像

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    津村のよみなおし世界文学の1冊である。ワイルドの有名な小説ということであるが、簡単英語の本では読んだ気がするが、現物を読んだことはなかったような気がする。話は怪奇ではあり、その怪奇の部分だけが簡単英語の本では強調されていたような気がする。あらためて初めから読んでみると、様々なことが描かれていることがわかる。会話体が多い。

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    2023年05月13日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    昨年の『禁色』、今年の『標本作家』ときて、ようやく『ドリアン・グレイの肖像』にたどり着きました。本に関しては、読むべき時におのずと手に取ることになるという(?)運命論者なので、来るべき時が来たという感じです。
    学生時代に『サロメ』にはまった時に、なぜこちらを手に取らなかったのか。福田恆存が好きだと話し合える友人がいたのに、なぜこの本を手に取らなかったのか。もう彼と話し合えることがないのに、今更彼にぴったりな本達を読むことになっているなんて、なんと残酷なのだろうと思います。でも私たちにとって、美しいものは悲劇的であるということはあまりに自明なことなので、きっとこれで良かったのだと思う自分もいます

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    2023年03月05日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    ネタバレ

    めちゃくちゃ良かった!!
    学校の図書室で借りたのだが、返却期限より圧倒的に早く読み終わってしまったくらい面白かった。
    前は途中でやめちゃったけど、なんだか今回は不思議とスルスル読めた。本にも時期ってものがあるのかしらね?

    純粋にストーリーが面白い。最初は少し恥ずかしがり屋で純粋な青年だったドリアンがどんどん堕落していくのにはゾクゾクした。退廃的……ってこういうことを言うのかな。
    ドリアンが堕落していく様が不思議と美しくて、読者もこの青年の悲劇を見届けたい……っていう考えに駆られてしまう。
    最後も良かったね。自分の罪に振り回されて破滅……。若さと美しさに執着してたのにそれも失われる案外あっけな

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    2022年09月05日
  • ゲイ短編小説集

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    ゲイ小説…と言っても、正にゲイ小説っていうのもあれば、グレーゾーンなものもある。
    ワイルドの『幸福な王子』の王子とツバメまでゲイにされちゃうと…なんだかなぁ。好きな話だけに「ちょっとやめてほしい」って気になる。

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    2022年03月13日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    Oscar Wilde(1854-1900)

    アイルランド出身でダブリンのトリニティカレッジをへてオックスフォード大学に学び、在学中からその才能は大衆から人気を集めた。卒業後はロンドン社交界で唯美派のスターとしてもてはやされた。時代の因襲と社会常識を逆撫でするような生き方を続けた。

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    2022年02月22日
  • 理想の夫

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    宝塚で舞台化されるのを期に復刊されたので勝ってみた。
    まだワイルドはサロメしか読んでなかったから、こんなに軽やかに面白いコメディだとは思わなかった。
    全てが丸く収まって大団円、というところで、たしかに宝塚別箱でやるのにちょうどいい登場人物数とストーリー。
    男がどう、女がどうみたいな台詞は今読むと眉を顰めるようなものでつまらないんだけど、そのあたりを抜きにしたらとても面白い作品。これ読んでなかったらワイルドは辛気臭いイメージになっていたところだった。読んでよかった。

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    2022年02月14日
  • サロメ

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    平野啓一郎によるサロメ。解説でご本人が述べられていたが非常に少女性があるサロメになっている。好きな男を振り向かせようとして一生懸命なサロメ。だけど振り向いてくれず最後は殺してしまう。ヘロデも娘を振り向かせようと領土の半分を与えようとする。耽美的になりすぎず一方でサロメ独特の魅力も残したままうまく訳されていると思う。
    平野さんの解説も出色で世紀末の京都の雰囲気が懐かしかった。田中さんのワイルドに関する解説もワイルド、サロメ理解を深めてくれるもので、田中さんのアドバイスがあっての平野訳ということでもあるのだろう。リヒャルト・シュトラウスのサロメとは違うということも解説を通じて知ることができた。

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    2021年12月26日
  • ドリアン・グレイの肖像

    匿名

    購入済み

    雑な感想ですが

    あとがきやレビューでも言われている通り、とても読みやすい翻訳。それほど平易な日本語とも思えないのに、スムーズに読めるから不思議だ。ここまで物語の内側にすっぽりくるまれるかのようにしてこの年代の海外作品を読んだことはない。

    内容に関して言えば、読んでいる最中には色々な思いが去来したものの、今はただ美しい…という以外に感想がない。私が感受性に乏しいからそれしか言えないのだろうが、この物語は本文の中ですでに完成し切っており、それ以上に言い足したいことがないという気持ちでもある。
    解説の中で、エドガー・アラン・ポーらの作品との共通点が指摘されている。怪奇幻想的な雰囲気もさることながら、メタファ

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    2021年11月21日
  • サロメ

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    サロメはあの絵が有名だからよく知っていた。でもまた絵で見るのと本で読むのとは違ってよかった。サロメの妖艶な感じがよく出ていると思う。

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    2021年08月27日
  • サロメ

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    登場人物それぞれのつぶやきが、他の登場人物にまともに受け止められることなく飛び交いながら、事態は冷たい熱に浮かされながら、ラストに向けて一直線に進んでいく。そしてカタルシス。誰もがこの作品について語りたくなるのがよくわかる。平野の訳註や訳者あとがきもよいが、巻末の宮本亜門の文も面白かった。

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    2021年08月14日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    ネタバレ

    私の中で1.2を争うほどお気に入りの本になりました。

    思いつきそうで思いつかなかったストーリーもさることながら、キャラクターがとても魅力的。
    ヘンリー卿のレスバトルの強さ……
    それが正しい、と思わせる自信と巧みな言葉で相手を沼に落としていく。この作品の人物、ほぼ全てが彼の被害者と言っても過言ではないな……と思います。
    恐ろしいのは彼に悪気や恨みがあってそうしているわけではないというところですね……
    ヘンリー卿からしてみれば、己の意見を口にしているだけ、アドバイスをしているだけ、戯れているだけなんだろうな、と……

    後半のドリアンもとても魅力的。思わず読む手が止まらなくなりました。
    バジルとの

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    2021年03月03日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    やりたいことをやった後に初めてやらなきゃいけないことが出来る的なことを言った快楽主義のオスカーワイルド。儚くも美しい。

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    2021年01月25日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    少し残酷、でも芸術的で美しい物語。ワイルドの天才さがわかる物語だと思う。若さと容姿の美しさに囚われている人は、この本を読むことをおすすめする。映画も観たいのだ。

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    2020年12月31日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    良い本を読んだ。
    変わらない美貌とは裏腹に、醜く老いる肖像画。表面上の永遠の若さと美貌と、魂の変貌を肖像画というモチーフで不気味に生き生きと描写する。

    最初がお説教のように古い警句だらけで飽き飽きと読んでいたけど、肖像画が現れてから本から手を離せなかった。秘密を一度隠してしまうと、その罪悪感と猜疑心でますます醜くなる。このままでは必ず報いがある、隠し通せないという恐れと美しさへの魅力の相反する感情に、驚きの幕切れ。
    ドリアンも結局は犠牲者だったのかもしれない。

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    2020年12月04日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    無益なものを作っても許されるのは作った本人が作品を心から称賛できる場合だけ
    芸術とはみな極めて役に立たないものである

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    2020年11月20日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    ドリアン本人は美貌を保つ一方で、肖像画は年をとっていく
    死は怖くないけど、死が近づいてくることが怖い
    画家のバジル、婚約者、婚約者の弟と周りが無くなっていく

    途中11章は飛ばし読みしちゃったけど、他は読み入った

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    2020年08月23日
  • サロメ

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    こういった登場人物一人ひとりが独自のベクトルを持っていて、象徴的な描写に富んでいるもの。いかにも戯曲的・構造的で好き。セクシー。ビアズリーの挿絵もエロティックで良い。
    「とある出来事をきっかけに主人公の内面が変化する~」みたいな、信念の軽薄なものは好きじゃないからとても満足。悪役は悪役のままで悪党の美学を貫いて欲しい。

    余談。聞いた話によると、イスラム圏では、"S・L・M"の並びの音は「平穏・安寧」を意味しているよう。イスラム然り、ソロモン然り、スレイマン然り。

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    2020年04月11日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    「なんと悲しいことなんだ!僕は歳をとっていく。そして恐ろしく醜い姿になっていく。この絵は若さを失わない。…反対だったらいいのに!いつまでも若さを失わないのが僕の方で、この絵が老いていけばいいのに。…」(P56)

    3月は古典に触れようと思います。
    そんな矢先に、読もうと思ったのがこの本でした。

    人間、いつまでも若々しくありたいもの。しかし、鏡に映る自分は日を追うごとに歳を取って行きます。

    主人公である、美少年ドリアンもそう思っていて、画家バジルが描く自分の姿を見て、冒頭の言葉を言い放った。

    何気なく、情動的に出た一言。しかしこの言葉が彼の人生を大きく狂わせることとなったのでした。

    絵の

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    2020年03月01日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    老いるのも残酷だが、自分だけ美を保ち続けるのも残酷なんだなぁと思った。
    飽きさせないストーリー展開に加えて、ヘンリー卿の毒舌などでワイルドの人生観を堪能できた。

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    2019年12月01日
  • サロメ

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    オスカー・ワイルド作『サロメ』は、預言者ヨハネの斬首のエピソードを下敷きにした戯曲である。新約聖書マタイ伝に記された「聖者の生首を所望する姫」という猟奇的な逸話は、モローやシュトゥック、カラヴァッジオなど多くの芸術家に取り上げられてきた。その中でもワイルドの戯曲は、創作としてのサロメの決定版といった趣きがある。ビアズレーの挿絵と共に、世紀末芸術の代表的作品といっていい。

    この戯曲の中では、サロメは処女でありながら、文学史上稀に見る淫婦として描かれている。ヨカナーンの首を前にして陶然と愛を語るサロメの姿は凄まじいというよりほかなく、さらにその唇に接吻するとあっては、冒瀆だとして作者の本国イギリ

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    2022年09月06日