あらすじ
ワイルド、ロレンス、フォースターら、近代英米文学の巨匠たちの「ゲイ小説」が一堂に会して登場。大作家の「読み直し」として、またゲイ文学の「古典」としても必読の書。これぞゲイ・キャノン。【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】
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Posted by ブクログ
ゲイ小説…と言っても、正にゲイ小説っていうのもあれば、グレーゾーンなものもある。
ワイルドの『幸福な王子』の王子とツバメまでゲイにされちゃうと…なんだかなぁ。好きな話だけに「ちょっとやめてほしい」って気になる。
Posted by ブクログ
タイトルどうにかなんねえかなあ!W・H氏の肖像のテンポが大好きです。どの話も、読み終わったらなんだか「あーあ、なんでかなぁ」的な虚な気分になります。ヨサノ的にやっぱりオスカーワイルド秀逸。
Posted by ブクログ
キリスト教に根ざした英米ゲイ小説は破滅的としか言いようがないんだけど『幸福な王子』は好きです。添い遂げてるから。
『プロシア士官』の将校→従卒の描写はエロくて良かった。
舐めるような視線と突き上げるような欲情を感じるのに、その一切を否定しようとして結果暴力と死を迎えるのたまらんね。やはり破滅的。
Posted by ブクログ
タイトルに英米文学って入ってないのになんで英語圏の小説ばっかりなんだ!と最初こそいらだったけど一通り読んで一応納得。
個人的にはワインズバーグオハイオが一番気に入ったけれど、どれもいい作品でしかも訳も読みやすいです。
ジャンルで集めた短編集は数あれど、読み方から入るというのは新鮮な体験です。ただ逆にそれにこちらの読み方もどうしても寄ってしまうので、いろいろ考えさせられます。
Posted by ブクログ
タイトルに引き寄せられるようにして読んだ本。こういう読書も私にとっては珍しい事だが。
サマセット・モームやオスカー・ワイルドなど、有名な作家たちの描く全ての短編が、今のBL小説とは全然違った感じがした。勿論そういう物の原点となりうるのだろうが、もっと精神的なつながりだとか、哲学に生きるとか、女性を嫌うとか色々なアプローチで自分をカムアウトしたり、ゲイの世界を描いたりすると言う点で、素直に面白かったと思う。
Posted by ブクログ
ストレートフィクションとゲイフィクションとの境界について解説で触れられているが、男性中心社会の言語で書かれてきた文学の多くがおそらくゲイ的解釈が可能。思想を語る人物はたいてい男性で、男性同士の結び付きで進行していく話は多い。書き手が女性だとしても、言論の自由に参加するには男性言語が必要。
そのような観点でいうなら、これは特別にゲイ的なフィクションの短編集というわけではない。ストレート作品とされているものをゲイ的に読み替えるための良い練習にもなる。見慣れた価値観を半歩ずらしながら読んでみると興味深い。
Posted by ブクログ
読みかけ。翻訳小説を読みなれていないので、魅力を十分に理解できていないところはあるが
「幸福の王子」が収録されていて驚いた。彫像の王子とツバメの童話。
他の収録に「これはゲイ小説なのか?」と疑問を持つものもあったけれど(作者がゲイということか?)
「幸福の王子」のふたり(王子とツバメ)が本当は「愛し合っていた」のだと知れただけでもとても有意義。
Posted by ブクログ
どれも名作揃いのセレクトなだけにゲイという枠に括ってしまうのはちょっと勿体なかったかなあ、という印象。でも多様な読み方ができて、誰もが自分に引き寄せた読みができる、それでいて力を失わないというのが名作の名作足る所以なのかも。そういう意味ではやはりヘンリー・ジェイムズの「密林の野獣」が一番色々な読み方ができそうで一番面白かったかな。
Posted by ブクログ
ゲイではないな、というツッコミは置いておいて。待望の復刊、嬉しかった。ゲイというよりは、なにか精神性のようなものに支配されている人間関係を描いた、とても印象深い短編が多い。