山本巧次のレビュー一覧

  • 江戸美人捕物帳 入舟長屋のおみわ 隣人の影

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    入舟長屋おみわの六作目。

    若旦那が化けた読売屋の次は忍びか…。
    次々と恋に破れるお美和はどんどん守備範囲(?)が広がっているような。
    しかもとうとう女親分ですか、と言われてしまうし。

    今回は長屋に引っ越してきた店子を巡るお話。
    元畳屋と言っていたが、怪しんでいた矢先に行方不明になる。
    実は偽の茶碗をめぐり姿を隠していた茶道の先生とわかり、
    先生は恩人だからと探すのを手伝ってくれる若い男あり。
    もちろん美形。

    最後に若い男が姿を消してしまった時に、男の住んでいた長屋のおかみさんに、
    いい男だったから、玄人筋の女に貢がせてたにちがいない、
    となぐさめられたのが余計に胸に痛かった。

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    2024年02月11日
  • 江戸美人捕物帳 入舟長屋のおみわ 紅葉の家

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    入舟長屋おみわの五作目。

    今回は入舟長屋の家主寿々屋が買った家にまつわるお話。
    買ったばかりだというのに、家を売ってくれと二人から言われ、
    おみわがちょいと調べることに。
    理由に心当たりがないところに、
    その家にお宝が隠されているというよみうりが出る。
    そんな中で会ったのは、別の読売屋のいい男。
    一緒に調べていくことになる。

    いつものごとくおみわの恋は上手く行かないが、
    今回は最後に身重の女性が乗り込んでくる始末。
    でも本当は裏があって、おみわのことはまんざらでもなかったようなのに残念だったね。

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    2024年02月09日
  • 災厄の宿

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    山本巧次『災厄の宿』集英社文庫。

    文庫書下ろしのミステリー。

    昭和51年に起きた事件の背後にあった真相が47年後に解き明かされる終章。一種のクローズドサークルの中で人質立て籠り事件と殺人事件が同時進行するストーリーの面白さ。なかなか読ませてくれた。


    昭和51年、元優秀な刑事で弁護士事務所の嘱託調査員の上坂徹郎は高知でのハードな仕事を終え、一息付きたいと思い、徳島の人里離れた旅館に逗留する。折しも台風の影響で強い雨が降り続いていた。

    旅館の広間では地元の名士である河野依志輔の喜寿を祝う集まりが開いていたが、そこに散弾銃と爆破物を仕掛けたガソリンタンクを手にした多田修一郎という男が押入り

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    2024年02月07日
  • 災厄の宿

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    鉄道ミステリーが得意な作者の文庫描き下ろし作品!

    徳島の秘境が舞台で絶妙な舞台を選んでます。
    作品の舞台に馴染があるのでより楽しめました。

    何も知らないで読んでも楽しめ、色々な要素が詰まっており、ミステリー、パニック等など飽きずに読めました!

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    2024年02月04日
  • 災厄の宿

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    最後まで色んな人の終わりが知れて良かった。
    でも、罪を償うべき人は違う形でちゃんと償って欲しかったな

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    2024年01月22日
  • 大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう

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    現代と江戸を行き来して事件を捜査するタイムトラベルもの、と言って良いのかな?現代科学で証拠はあっさり揃って、しかしそれを江戸時代の人間にどうやって伝えれば良いのか、と言うところに頭を使う探偵は中々新鮮。次第に事件の裏の裏の裏まで出てきて、オイオイいつ終わるんだ?と思いましたが、色んな意味でひっくり返すちゃぶ台はいくらでも出てくる作品

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    2024年01月04日
  • 江戸美人捕物帳 入舟長屋のおみわ 隣人の影

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    入舟長屋のおみわシリーズ、6作目。

    江戸の市井の話であるし、毎回それほど派手な事件ではないが、ミステリとしてしっかり出来上がっているし、面白く読める。それと、このシリーズの定番であるが、おみわの恋のお相手がどういう形で登場してくるかも読みどころ。今回、なかなか出てこないなぁと思っていたら、しっかりとイケメンさんが出てきました。敵か味方か果たして、、、と疑いつつ読んでいたけど、このパターンは初めてだった(笑) おみわ自身も己の男運のなさに半分疑っている節もあり、これ以上はイケメン不信にかかりそうで可哀そーよ。

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    2023年11月20日
  • 大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 司法解剖には解体新書を

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    大江戸科学捜査の第九弾。

    元長崎奉行の配下が心の臓の発作で亡くなった件を、
    内偵するよう命じられたおゆうと伝三郎。
    事情を聞きに行った海鮮問屋の主人も心の臓の発作で亡くなる。
    偶然なのか、毒殺なのか。
    長崎で抜け荷が行われていたのか、薩摩藩と関係あるのか。
    今回は腑分け? 司法解剖?と思いきや、
    実行直前で止められてしまう。

    伝三郎といい仲だと思われているものの、
    泊まっていかないことに慣れてしまっているおゆうがかわいそうだが、
    今回は千住の先生こと宇田川が
    「おゆうさんを危ない目にあわせたりしない」と伝三郎に言い切ってた。
    それに対して伝三郎も「おゆうに怪我をさせたら、ただでおかない」と

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    2023年10月11日
  • 急行霧島 それぞれの昭和

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    昭和36年、鹿児島ー東京間を結ぶ急行霧島。千五百キロをおよそ二十六時間半で走り、そこに居合わせた生き別れた父親に会いに行く美里と訳ありのお嬢様の靖子、傷害犯とそれを追う刑事、伝説のスリ師と鉄道公安職員、様々な思惑がノンストップで描かれます。

    1日のうちに色々起きるので、給仕がぼやいた「厄日かな」という言葉がしっくりきました。

    時代ではありますが、今の世の中で椅子に座って26時間は流石に無理だな、と思ってしまいました。

    大きな事件が起きたり、名探偵が登場したりといった話ではないですが、中盤から一気に色々起きるので飽きずに読めました。

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    2023年09月14日
  • 急行霧島 それぞれの昭和

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    山本巧次さんの『阪堺電車177号の追憶』は大好きな作品なので同じ鉄道ものってことで。
    今回は阪堺電車みたいな擬人化ではなく鹿児島東京間で起こるドタバタ劇って感じです。
    傷害犯瀬戸口とそれを追う刑事、スリ師知恵蔵とそれを追う鉄道公安、これだけだと男臭い感じになるところに父に会いに行く美里、上京する理由を明かさないお嬢様靖子というメンツが彩を添えます。
    それぞれに事情がありなんだかんだそれぞれが良い着地をして物語は東京へ到着し幕を閉じます。

    阪堺電車もそうでしたが根っからの悪人はおらずみんな好感が持てる人たちで読んでて清々しい気持ちになれますね。

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    2023年07月25日
  • 江戸美人捕物帳 入舟長屋のおみわ ふたつの星

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    入舟長屋のおみわシリーズ、4作目。

    良い意味で、パターン化された安定のシリーズ。今回のおみわのお相手のおふたりは、まぁ、想像通りというか(苦笑)。お相手との結末はワンパターンとして安心して楽しみつつ、最初のお相手だった山際さんがいい感じに捕物に参加してくれているので、捕物帳としても十分に面白い。今回の芝居小屋の事故の裏にあった背景も、いろんなことが絡みつつ、上手く作られていて、面白かったデス。

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    2023年07月02日
  • 阪堺電車177号の追憶

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     大阪を走る阪堺電車177号は昭8年から平29年、85年の歴史を。昭8.4、昭20.6、昭34.9、昭45.5、平3.5、平24.7、平29.8の時代の節目節目の世相を電車、運転士、乗客の視点から綴る物語、連作短編集。昭8年、昭20年は想像の世界ですが、昭34年以降は、ああそんなことがあったなと時代を思い出しながら楽しみました。山本巧次「阪堺電車177号の追憶」、2017.9発行。

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    2023年05月17日
  • 大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 司法解剖には解体新書を

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     関口優佳(おゆう)を主人公にした東京~江戸タイムスリップの物語も第9巻に。山本巧次「司法解剖には解体新書を」、2022.11発行。そこそこ楽しめますが、連続変死事件を扱う今回はテンポにやや難が。一番の盛り上がりは、おゆうと共に最近は江戸に行く分析オタクの宇多川と同心伝三郎のおゆうをめぐるバトルでしょうか(^-^)

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    2023年05月09日
  • 大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう ドローン江戸を翔ぶ

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    江戸時代の人は上を向いて歩かない。って何やねん。今回も宇田川くん頑張ったな。わざわざ江戸まで同行するんだもんな。ドローン使うといえ随分思い切った行動したもんだ。さてさて今後はどうなる事やら。時にこの2人は恋愛関係が芽生えるんかな。今後に期待です。

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    2023年05月07日
  • 大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 司法解剖には解体新書を

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    八丁堀のおゆうシリーズ、9作目。

    今回は解体新書で有名な杉田玄白の弟子、大槻玄沢が登場。江戸時代で司法解剖って、、、さすがに仁じゃないので、そこは上手く切り抜けられていました。まぁ、何だかんだ言って、現代の技術を江戸時代に持ってこようとするのは至難の業なわけで、それをどう使いこなすかがこのシリーズの読みどころかな。上手く史実に合わせ、しかも事件の幅も広げつつ、ちょっぴりおゆうと鵜飼さんと宇田川君の三角関係も匂わせて、良い意味で安定した読み物となっていました。長ーく読んでいきたいシリーズです。

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    2023年04月24日
  • 江戸美人捕物帳 入舟長屋のおみわ ふたつの星

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    ネタバレ

    入船長屋おみわの四作目。

    前作での騒動の結果、
    「障子割りのお美羽」という二つ名がついてしまったとは、
    ますます縁遠くなっているおみわ。
    ところが、
    今回は芝居小屋の若旦那と旗本の家人にはさまれての三角関係?
    もちろん、違ったが。

    芝居好きの友達に誘われて芝居を見に行ったが、
    新築したばかりの小屋で座長のあいさつが始まったとたん、
    桟敷席がくずれおち、けが人が出る。
    桟敷席の部分を任せられていた大工が長屋の店子とあり、
    おみわは芝居小屋の若旦那と、見物に来ていた姫についていた家人と
    真相を探ることになる。

    読売りへの殴り込みや、材木の詐欺、芝居をめぐる賭けにさらに黒幕と、
    おみわの恋心に

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    2023年03月21日
  • 江戸美人捕物帳 入舟長屋のおみわ 春の炎

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    ネタバレ

    入船長屋おみわの三作目。

    かわいそうに、
    どうも事件がらみで誰かに岡惚れして振られるというパターンが
    決まってしまったようだ。
    お美羽が幸せになってほしいが、
    シリーズにも続いてほしい、とちょっと苦しい心持ちだ。

    今回は、江戸の華、けんかと火事のうち、火事のお話。
    江戸っ子が宵越しの金を持たないのは、
    いったん火事になってしまえばすべてを失うからだ、
    という説を聞いたことがある。
    そんな木と紙でできている江戸の町で、
    火除け地蔵を作っている仏師にからんだ付け火がおきる。
    入船長屋も、最近店子となった仏師の弟子の裏の塀が燃やされ、
    地蔵を祀っていて付け火をされたらしい呉服屋の若旦那と
    犯人捜

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    2023年03月19日
  • 満鉄探偵 欧亜急行の殺人

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    満州鉄道を舞台に繰り広げられる謎解きです。

    資料課職員で実は内部調査を行う耕一が主人公ですが、特務機関や憲兵なども関わってきて、元々追っていた満鉄の紛失資料の行方どころではなく、殺人事件にまで発展して行きました。

    昭和11年の満州国が舞台です。詳しくないので、地名や位置関係、舞台となる鉄道もイメージが付かず、なんとなく読み終えてしまいました。この時代に出てくる主役級の人達は語学が堪能ですごいですね。

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    2023年02月27日
  • どうした、家康

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    バラエティー豊かて楽しい一冊。
    新しい視点が良いと思うのは、「長久手の瓢」山本巧次である。
    上田秀人の「親なりし」はさすがの安定感。

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    2023年02月19日
  • 大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 司法解剖には解体新書を

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    安定しています。

    今回は司法解剖ということで、杉田玄白の弟子が出てきました。おゆうは現代の知識として知っていたようですが、大槻玄沢なる人物を初めて知りました。
    歴史上に出てくる人物を歴史が変わらないくらいの関わりで登場させてくれるので、面白く読めました。
    今回は連続不審死を追う過程で、定番になった宇田川も江戸にやってきて解決に一肌脱いでいます。優佳(おゆう)を巡って少し進展がありましたが、今一つ進みきれない感じでまた続きます。続きが楽しみです。

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    2023年01月03日