山本巧次のレビュー一覧
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ラジオドラマ化されるということで購入。
大阪を走っている路面電車、阪堺電車。その中で一番古い電車がストーリーテラーとなって、その時代時代に起きたことを描いていく連作短編集です。
一応、電車が案内人ですが、各短編では、重要な役割として描かれています。ちなみに小説に出てくる161形177号の電車は、存在しません。(176号までは存在します)
ちょっとしたミステリーあり、復讐あり、人情ありなど様々なジャンルを味わうことができ、面白かったです。
最初に登場した人物も後々、再登場しており、その辺も楽しむことができ、飽きさせませんでした。
また、中盤になると、各短編集の結末が、えっ?と驚くような結末を -
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・阪堺電車で85年間走った177号電車(モ161型)はおそらく廃車も近く、これまでにあったことを思い出していた。
・個人的に地元の話ではある。あんまり乗る機会はなかったけどエリア的には南の方以外は自転車でほぼカバーしてた範囲内。なので、題材だけで親近感はある。
・かすかにミステリ仕立てのハートウォーミング系な6つのお話。
・同じ人が他の話でも出てくる。全編をつなげるのは強いて言えば雛子はんかな。
・著者のことは知らんかったけど表紙カバーの絵には記憶があった。たぶん、と本棚を探ったらやっぱり森博嗣はんの絵本『猫の建築家』の絵を描いた佐久間真人はんやった。 -
Posted by ブクログ
山本巧次さんは「開化鐵道探偵」シリーズしか読んだことがなかったのだが、こういうエンタメ系もあるとは意外だった。
表紙で分かる通り、北海道の鉄道の5つの駅で起こるドラマ。
カフェを営む女性とカメラマンの女性、それぞれの訳アリ過去。
認知症の祖母を探しに出かけた大学生が巻き込まれるトラブルと出会い。
会社のお金を持ち逃げした社員と彼を探しにやって来た課長との緊張感ある電車旅。
偽装自殺をしにやって来た男の誤算。
これまた表紙で分かる通り、うまい具合に連なっている。
それぞれのドラマがどう膨らみ、繋がり、収拾するのかは読まれてのお楽しみ。それぞれのドラマのキャラクターたちもなかなか魅力的だったが -
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いつも分析を頼んでいる友人からの依頼(?)で
その絵が本物か確かめる事に。
事件がなく平和…と思ったら、主人公が聞いた翌日に
事件が起こってしまったという状態。
しかも何を調査していたのか、も喋れない、困った状況。
聞いた事によって、何が起こってどうしてしまったのか。
何やらもう、色々ぐるぐるになってしまっていますが
そんな結末か、という落ちでした。
まぁ確かに、こういう事はあるな、と思いましたけど
もう片方の落ちは…やってしまう、かも知れません。
そして毎度おなじみ(?)主人公の疑われている事ですが
組織にまで発展してきています。
これはこれで、想像力豊かだな、と。
でもまぁ、怪しいで -
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千両の富くじが作られた、と大騒ぎの江戸では
復活した大泥棒の盗みが行われていた。
近所の旦那さんがいなくなり、泥棒の盗みがあり
楽しい話題は富くじだけ…と思っていたら。
そこに繋がるのか、と今回も驚きの落ち。
いや、事件が落ち着いてから、も凄かったですが
言われてみれば確かに、な状況。
しかし、下手に動くと色々疑ってください、の状態です。
おかげで仲が進展した? という感じもありますが
現代ではようやく友人に、そこを指摘されています。
が、まさかそんなはずは~ですから、スルー。
確かにあちらの人間がそんな事を思うとか
考えも至りませんから。
事件自体は解決しましたが、権力者って怖い! な