【感想・ネタバレ】災厄の宿のレビュー

あらすじ

昭和51年、台風直撃の影響で強い雨が降り続く中、弁護士事務所の嘱託調査員の上坂徹郎は、休暇で徳島の人里離れた山深くの旅館を訪れる。だが、散弾銃と爆破物を手にした男が押し入り、籠城事件の人質の一人になってしまう。さらに、警察に包囲された旅館の中で不可解な殺人が起き、川の氾濫や土砂崩れのカウントダウンといった自然の脅威も差し迫る。果たしてこの旅館から脱出することはできるのか? 手に汗握る怒濤の展開で、読み始めると止まらない! 分刻みのノンストップ旅情ミステリー長編!!

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Posted by ブクログ

昭和五十一年を舞台にしたサスペンスミステリ。徳島の人里離れた旅館に、猟銃と爆発物を持った男が押し入り立てこもった。人質になったのは旅館の従業員や客と、宴会を開いていた地元の有力者一族。立てこもり犯の目的は有力者一族に対する告発だったようなのだが、しかしそこで予想もしなかった殺人事件が起こる。さらに台風の影響で豪雨に晒され、土砂崩れの危険性も看過できない事態になる。立てこもり犯によるサスペンス、クローズドサークルミステリ、そして迫りくる自然脅威のパニック、一冊で何度もおいしい作品です。
ハラハラドキドキはさせられるものの、立てこもり犯が案外とまともそうなのに安心させられます。もちろん猟銃だのガソリン缶だのは危険だけれど、はっきりした目的があるようだしそれほど粗暴にも見えない。その一方でどう考えても危険なのは有力者一族……絶対なんかやってるでしょこの人。ってので立てこもり犯の計画成功の方を期待してしまうのですが。停電起こるし、殺人事件起こるし、雨はやまないし、本当にどうなっちゃうのこれ。
その一方で地道に堅実に捜査を進める泊り客の上坂が頼もしくて、さらに安心感。いや、こういうサスペンスで安心感とかいうのはどうかと思うのですが。気になってぐいぐい読めるけど、落ち着いて読めました。最後の「終活」も穏やかな解決でほっとさせられます。良いと思う……あの人の行動は、悪事だとは思えません。

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2024年10月31日

Posted by ブクログ

山本巧次『災厄の宿』集英社文庫。

文庫書下ろしのミステリー。

昭和51年に起きた事件の背後にあった真相が47年後に解き明かされる終章。一種のクローズドサークルの中で人質立て籠り事件と殺人事件が同時進行するストーリーの面白さ。なかなか読ませてくれた。


昭和51年、元優秀な刑事で弁護士事務所の嘱託調査員の上坂徹郎は高知でのハードな仕事を終え、一息付きたいと思い、徳島の人里離れた旅館に逗留する。折しも台風の影響で強い雨が降り続いていた。

旅館の広間では地元の名士である河野依志輔の喜寿を祝う集まりが開いていたが、そこに散弾銃と爆破物を仕掛けたガソリンタンクを手にした多田修一郎という男が押入り、旅館の客と従業員を人質に取り、籠城する。無論、上坂も人質の1人となり、辛くも従業員の手引きで難を逃れた客が警察に通報する。

警察に包囲された旅館に台風による川の氾濫や土砂崩れの危機が迫る中、あろうことか旅館の中で殺人事件が起きる。客と従業員が多田により広間で監禁される中、29歳の西浦晴美という女性がリネン室で扼殺されたのだ。

犯人の多田は実の兄を不動産を巡る詐欺にはめた不動産業者の坂東敏則をメディアを使って糾弾することを要求する。そして、多田は元刑事である上坂に女性を殺害した犯人を探し出すことを要求する。

本体価格700円
★★★★

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2024年02月07日

Posted by ブクログ

鉄道ミステリーが得意な作者の文庫描き下ろし作品!

徳島の秘境が舞台で絶妙な舞台を選んでます。
作品の舞台に馴染があるのでより楽しめました。

何も知らないで読んでも楽しめ、色々な要素が詰まっており、ミステリー、パニック等など飽きずに読めました!

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

最後まで色んな人の終わりが知れて良かった。
でも、罪を償うべき人は違う形でちゃんと償って欲しかったな

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2024年01月22日

Posted by ブクログ

グロテスクな描写もなくミステリー初心者の方におすすめ!

トリックに関してはちょっと物足りなさを感じた。
けどトリックがメインではないので他の部分で楽しめるお話。

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2024年02月15日

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