マイクル・コナリーのレビュー一覧
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邦題は御覧のとおり『警告』なのだけれど、本書の主人公ジャック・マカヴォイが今、所属している消費者問題専門ニュースサイトの会社名が、実は原題の"Fair Warining"。本書でもジャックの所属会社名は「フェアウォーニング」とカナ訳されている。実はこのタイトルの仕掛けに気づいたのは、実は読書半ばのこと。原書読者は最初からそんな時差感はなしに読んでいるだろうから、老婆心ながら最初にここで触れておく。
さてマカヴォイ主演作としては『ザ・ポエット』『スケアクロウ』に続く三作目。前作から何と11年ぶりの続編ということで、現実と同じように歳を重ねてゆくコナリー世界のキャラクター -
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邦題は御覧のとおり『警告』なのだけれど、本書の主人公ジャック・マカヴォイが今、所属している消費者問題専門ニュースサイトの会社名が、実は原題の"Fair Warining"。本書でもジャックの所属会社名は「フェアウォーニング」とカナ訳されている。実はこのタイトルの仕掛けに気づいたのは、実は読書半ばのこと。原書読者は最初からそんな時差感はなしに読んでいるだろうから、老婆心ながら最初にここで触れておく。
さてマカヴォイ主演作としては『ザ・ポエット』『スケアクロウ』に続く三作目。前作から何と11年ぶりの続編ということで、現実と同じように歳を重ねてゆくコナリー世界のキャラクター -
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1882年に生まれ、1967年に亡くなった、エドワード・ホッパーというアメリカの画家の17の作品を題材にして、17人の作家が、それぞれの絵に対しての短編物語をつくるというコンセプトの本。要するに、エドワード・ホッパーの17の作品に対して、17編の短編が書かれ、本書はそれを収めた短編集だ。
アイデアを思いつき、物語をつくることに参加を呼びかけたのは、ローレンス・ブロックである。ローレンス・ブロックは私の最も好きな作家の一人なので、読んでみることにしたのだが、ローレンス・ブロックが書いた短編だけではなく、面白い短編が多かった。ローレンス・ブロック以外にも、マイクル・コナリー、ジェフリー・ディーバー -
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マイクル・コナリー『鬼火(下)』講談社文庫。
下巻。ボッシュが託された元服役囚殺害の未解決事件を中心にミッキー・ハラーが担当する裁判所判事暗殺事件、レネイ・バラードが関わるホームレス焼死事件の三つが複雑に絡み合い、意外な強敵が浮かび上がる。69歳のボッシュに代わり、八面六臂の活躍を見せるレネイ・バラード。
最後までストーリーはスリリングな展開を見せ、シリーズの第22作目でも全くマンネリ感はなく、寧ろ進化しているように思えた。シリーズはまだ続くようだが、そろそろボッシュも完全に引退の時期を迎えるのだろうか……ボッシュの娘マディがロス市警に入り、レネイ・バラードとコンビを組むのも面白そうだ。
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マイクル・コナリー『鬼火(上)』講談社文庫。
マイクル・コナリーの33作目の長編で、ハリー・ボッシュ・シリーズの第22作、レネイ・バラード・シリーズの第3作、ボッシュ&バラードものの第2弾ということらしい。さらにはミッキー・ハラーも登場し、ハリー・ボッシュ、レネイ・バラード、ミッキー・ハラーの揃い踏みという何とも贅沢で非常に面白い作品となっている。
かつて『現代最高峰のハードボイルド小説』と唱われたハリー・ボッシュ・シリーズは、警察小説と法廷ミステリー小説との融合小説に進化した。同時に、我らがヒーローの元ロス市警刑事のハリー・ボッシュも69歳となり、痛めた膝を人工関節に置換する手術 -
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ボッシュ・シリーズ19作目、後半。
サンフェルナンド署の嘱託刑事としては、連続暴行事件を追い、私立探偵としては、大富豪の遺産を相続させる人間を探すボッシュ。
捜査の過程で、若い頃にヴェトナム戦争に参加した記憶がよみがえる。
シリーズ初期には、ヴェトナム帰りの暗さを引きずった刑事だったが、最近はその影はだいぶ薄れていました。
この数年、いることも知らなかった最愛の娘マディと出会い暮らしている日々も影響しているのだろう。
サンフェルナンド署では、新入りだが経験豊か過ぎるボッシュのやり方に、同僚がついて行けないところも。
自分もミスをしないわけではない、これまでミスをして覚えてきたことを教えたい -
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ボッシュ・シリーズ18作目、後半。
2015年、ロス市警を退職し、訴訟中のボッシュ。
異母弟の弁護士ミッキー・ハラーに頼まれ、調査員の仕事を引き受けます。
逮捕された画家の無実を信じるハラー。
依頼人が無実というのはじつは珍しいことで、普段は常習犯罪者の量刑をどうするか、という仕事が多いから。
裁判に勝つことが第一のハラーは、法廷でその腕の冴えを見せます。
一方、ボッシュは何よりも真実を求め、真犯人を捕らえたい。
バッジがない立場での調査には、これまでと異なる苦労がありますが、検察側ではなく弁護側の調査員であっても、その本質にブレはない。
悪徳警官が絡んでくるため、ますます警官仲間から白い目 -
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20世紀を代表するアメリカ人画家の一人であるエドワード・ホッパーの作品は、写実的だが郷愁を感じさせるタッチ。現代的な孤独感。描かれる人物の物憂げな表情。ありふれた構図なのだが何故か惹かれるものがある。
そんな魅力に惹かれる作家も多く、この本の編者であり著者の一人が、これまたアメリカ探偵小説の雄ローレンス・ブロック。ホッパーの作品から発想された短篇小説を創り出すというアンソロジーの企画に賛同したのは、彼と交友関係のある多彩なアメリカ人文筆家達。
18枚のホッパーの作品に、ブロックを含め、17人の作家が描く17編の短編は、ミステリー、サスペンス、ハードボイルド、スパイモノ、ホラー、ヒューマンドラマ -
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刑事ボッシュは二つの事件を抱える。1.未解決事件班として、1989年女性が殺害された事件で残されたDNAと合致する者がいた。その容疑者ペルは当時8歳だった・・・ 2.不倶戴天の敵アーヴィング市議(元市警副本部長)の息子がホテルから転落死した。市議から指名され、他殺、事故、自殺のいずれかか捜査するよう命じられる・・・
勿体ないので、旅行の時のように最小限の、確実に読み通すからという場合にしか読まないシリーズ。やはり、面白すぎだった。
ボッシュはもう60歳。このシリーズが終わってしまうのかと、危惧する。震える。
次作を読むときに忘れないように下にネタバレ。
※ネタバレ
アーヴィングの息