マイクル・コナリーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私の中では『ユダの窓』と本作品がリーガル・ミステリの双璧。
長めの助走を経て、物語は一気に加速する。中盤にサスペンス色を際立たせた、リーガル・ストーリーの挟み撃ち。この構成は素晴らしく、どうやっても抗うことのできない吸引力となって、読者を確実に支配する。サスペンスフルな展開の中にも、リーガル・ミステリとしてのテリトリーをキープしているので、全体のトーンは統一されている。
保釈保証人や調査員、検事である元妻や囚人など、脇役が次々と事件に絡んでくるストーリーもいい。その辺りに無駄な動きは一切なく、また過剰にキャラを利用して話を歪めるという欲深さもない。
刑事弁護士という主人公の立場は、いろんな局面でクローズ・アップされる。小さな手掛かりから繋がる謎の連鎖は読者を驚愕させ、主人公を苦境に立たせる。法廷シーンだけがリーガル・ミステリではないことを実感させられるだろう。弁護士という職業を逆手にとり、弱点を物語の根幹に据えた作者の手腕には脱帽するしかない。 続編を所望する読者も多いのでは?
マシュー・マコノヒー主演で映画化されるそうだが、彼は若干あくどさに欠ける。『エンゼル・ハート』の頃のミックー・ロークが私のイメージに近いかも。 -
Posted by ブクログ
待ちに待っていたマイクル・コナリーの新作。しかも、あらたな分野に挑戦。今回は、なんと異色のリーガル・サスペンスであった。ハリー・ボッシュ、テリー・マッケイレブに次ぐ、本書の魅力的な主人公は、弁護士のミッキー・ハラー。高級車リンカーンの後部座席を事務所代わりに、ロサンジェルス郡に点在する40ヶ所近い裁判所を縦横に行き来し、こまめに事件を拾って弁護報酬を稼ぐ刑事弁護士である。期待を裏切らない面白さだった。主人公ハラーが悩み、追い込まれていく過程に、ドキドキ・ハラハラしてしまい、どんな対抗策、どんな結末が待っているのかと、読むスピードが一気に上がったほどだった。内容(「BOOK」データベースより)多額の報酬が約束された事件を調べるハラーは、かつて弁護を手がけたある裁判へと辿りつく。もしかしたら自分は無実の人間を重罰に追いやってしまったのではないか。思い悩む彼の周囲に、さらに恐るべき魔手が迫る。絶体絶命の状況下で法廷に挑む彼に勝算はあるか? コナリーワールドの新境地を拓く意欲作。悪魔のような男を弁護をしなければならないという、心の葛藤。こんな男の代わりに無実の人間を重罰に追いやったかもしれないという、罪悪感。大切な人を守らなければならないという、使命感。二転三転する展開に驚かされ、最後の最後までわからない決着。こういう展開はお約束ではあるだけに、なおさら落し処が気になった。すばらしい作品だった。主人公の成長話はやはり好きだ。本国ではすでに続編が出ているそうだ。それも、嬉しいことに、ミッキー・ハラーとハリー・ボッシュの共演だという。本書に勝るとも劣らぬ迫力の力作とのことで、早くも胸がわくわくする。しかし、邦訳は次の次の次と、まだまだ待たされる。次のコナリー邦訳予定作品は、ハリー・ボッシュ刑事シリーズの第12弾Echo Parkだそうだ。これが、シリーズ最高傑作らしいので、相当に期待している。年内だそうだ。メチャクチャ楽しみだ。
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後半は展開急で、これまで以上に派手な感じ。
結末には救いがあります。今までで一番読後感が良かったですよ。
ボッシュのシリーズは92年発行の「ナイト・ホークス」で始まり、この後も順調に出ていて、現代最高のハードボイルドと評されています。
ハリー・ボッシュは1950年生まれという設定。(作者より6歳上)
本名はヒエロニムスで、有名な画家と同じ運命的な名。
シングルマザーだった母を11歳で亡くし、里親を点々として育つ。ベトナム戦争での過酷な体験でトラウマを負い、刑事としては凄腕だが一匹狼タイプ。
痩せ型でなかなか渋い外見らしく女性にはもてるし、中身もだんだん変わってきたみたい。
低い立ち位置に立って怪しい所を見通すような天性の刑事でとにかく強いから!間違いもしますが、カッコイイんですよ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレボッシュ&バラードの第六弾。
バラードが率いる未解決事件捜査班、
ボッシュが去ったと思ったら娘のマディが参加した。
まずは、
最近の暴力事件の犯人のDNAと近しいDNAを持つ、
過去のまくらカバー強姦犯を追う話。
暴力事件の犯人の父親は上級裁判所の判事だが、
血縁上の父親でなく、父親探しが始まる。
マディが持ち込んできたのは、
貸しガレージから発見された六十年代の連続殺人事件の写真。
被害者の身元を特定し、ガレージの借主の自宅を探し当てる。
さらに、バラードが海岸で盗まれた警察のバッジは
テロリストの手に渡ってしまい、
市警には内緒で取り戻すためにボッシュとFBIを巻き込むことになる。
おとりとなったボッシュが無事にバッジを取り戻してくれたシーンには、
しびれた。
(下巻に続く) -
Posted by ブクログ
ネタバレ2026年の2、3冊目は、マイクル・コナリーの「迷宮」です。レネイ・バラードのシリーズ6作目となります。今回は、ハリー・ボッシュの登場は少なめですが、ハリーの娘マディが、レネイの未解決事件班に加わります。寂しくも有りますが、ハリーからマディへの継承が進んで行きます。原題の「THE WAITING」は、作中でも触れられているように、トム・ペティの有名な楽曲名から取られています。トム・ペティ好きの私からすると堪りません。
今回も複数、3つの事件が同時進行して行きます。
冒頭、レネイが、サーフィン中にバッジを盗まれ、窮地に陥ります。その事件が1つ目。まくらカバー強姦犯という連続婦女暴行事件が2つ目。その事件では、哀しい出来事も発生してしまいます。3つ目は、ロサンゼルスの歴史的有名未解決事件、ブラック・ダリア事件です。
こちらは、マディが大活躍する事になります。
かなり面白いです。一気読み間違いないと思います。
☆4.7