誉田哲也のレビュー一覧
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疾風ガールの続編
前作のラストで、ペルソナパラノイア・ラストコンサートを観た梶尾が正式に夏美を勧誘した事で、無事フェイスブロ入りした夏美。
初の音楽系アーティストをプロデュースするにあたって、敏腕プロデューサー・石原を招聘したフェイスだだったが、夏美のデビュー曲「Thanks!」が急遽清涼飲料水CMのタイアップと決まり、その曲製作を巡って「データ打ち込み」で行こうとする石原と、バンドの一発録りを主張する夏美が激しく衝突してしまう。
どちらもが折れる気配の無い中、梶尾が動き…
電光石火、天才ドラマー・池上ゴンタを押さえ、ベースは夏美で行くという落とし所を見つけるのだった。
ゴンタとのリズム -
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4.3
最近中毒のように誉田作品を次々読んでいるが、「幸福の条件」以来久々のハートフルな青春作品で、メチャクチャ楽しんだ。
この人の中に潜む二面性というか、この両極端な表現を見るに、作家というのは凄い商売だなと…
自身の心の襞を、恰もストリッパーの如く晒すような・・
過去、メジャーを夢見るバンドマンだった宮原祐司は、バンドの兄貴分だった梶尾が専務を務めるロリ顔・巨乳アイドル専門の芸能事務所、フェイス・プロモーションで、スカウト活動に明け暮れていた。
ある日、予定に穴を開けたお詫びに訪れたライブハウスで、オーナーに薦められて観たペルソナのステージで、紅一点のギタリスト・夏美に釘付 -
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誉田哲也さんと言えば『ストロベリーナイト』をまず思い出します
姫川玲子シリーズ…
本作は姫川玲子とはまた毛色の違う女刑事魚住久江が主人公の短編集です
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魚住は元は捜査一課にいましたが、今は異動で練馬署に勤務しています
事件が起きてしまってからの捜査に心底疲れてしまった魚住は捜査一課への復帰を拒み続けています
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男勝りで凶悪な犯罪にも怯むことなく立ち向かう姫川玲子とは対照的に魚住久江は40代の普通の女性で悩んだり落ち込んだりする姿が共感できます
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舞台が捜査一課ではなく、所轄というだけあり、事件も割と地味め
ハードな事件ものばかりも疲れるので、たま -
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誉田さんの初期の作品という事で、その後に発売された作品の要素がたくさん詰まった印象でした。グロい表現が多くあるので、読む際はご注意を。
誰かから誰かへ、勧誘する事で、携帯料金が無料になるという謎のプロバイダ。登録したことをきっかけに次々と起こる奇怪で凄惨な事件。果たして、悪夢から抜け出せるのか。
全体としては、ホラー小説ですが、部分部分で見ると、SFだったり、青春だったりと色んなジャンルが取り込まれていました。それらは、誉田さんの代表となる作品に繋がっているなという印象が多かったです。
例えば、女性を主人公に「強い女」として、すらっとしているけれども芯が強い映像が浮かび、これは「姫川玲子 -
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ダークマターの影響で超能力が発現する人が少なからずいて、それが社会的に認知され、職業化している設定は面白いと思う。その上であえていうなら、念を送るだけで人を死に至らせる能力があるとすれば能力検定などというその能力を高めるような制度がある事に違和感がある。むしろX-MENよろしく魔女刈りが公的に実施されると思う。
物語は短編毎に主体となる登場人物の生い立ちと事件がシンクロする展開。得意不得意はあるが能力者たちはそれなりにオールマイティに能力を使える。超能力物はある能力だけ使える人物達がその能力を補完し合って協力して挑む展開にするのは、キャラクターの個性を高める故だろうが、そこに頼らずキャラクター -
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ネタバレ薬害問題・年金問題など現実の世界でも問題になっていることが軸になっており、ネットを用いて犯罪を誘発する所も現実的な展開。10年以上前の設定だが、ネットでの個人情報流出は今でも問題になることがあるので全く違和感なく入っていけた。各短編との繋がり方も申し分なく、どのような形の結末になるのか予想できすに進むのも良かった。
生活していると行政や役人が机上で決めたことに右往左往させられる。それが時に自分の人生をも変えてしまう可能性は誰しも持っている。その切り口が絶妙なバランスで1つのストーリーになっていたと思う。
最後に事件に疲れた勝俣に姫川が電話してくる行のやりとりで初めて勝俣に好感を持った。彼らは似