あらすじ
音楽の才能は普通だが世渡り上手なワタルと、才能に恵まれるも、孤独に苦しみ続ける礼二。2人は中学最後の文化祭でバンドを組み、大成功を収めるが、礼二の突然の脱退宣言によりバンドは空中分解する。その後2人はお互いを意識しつつも相容れないまま別々の道へ。紆余曲折を経て、礼二がようやく巡り合った理想のバンドがある事件に巻き込まれてしまい……。武士道シリーズで女子を描いた著者が、今度はロックする2人の男を時代の変遷とともに描いた音楽青春小説です。
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Posted by ブクログ
作者名とタイトルからアウトレイジなバイオレンスものかと思ったら、良い意味で裏切られた。武道シリーズと同様に青春物語だった。
中学時代に一度だけ加入したバンドでボーカルをやった礼二(レイジ)は、自分に合わないとして脱退する。バンドメンバーのワタルは、レイジの才能に嫉妬してレイジとの接触を断つ。高校時代の学園祭では女性のボーカル松下を加入させる。この松下が最後までレイジとの橋渡しとなる。
レイジとワタルはメンバーを変えてデビューを目指す。
幾つもの出会いと別れがあり、夢が破れて現実世界で生きていく中学時代のメンバー達と松下。
あの時代の空気感を懐かしく思い出し、自分も夢中になって聞いていた洋楽が脳内で再生される。
自分も含めて、皆バンドに憧れていたような気がする。
ワタルが35才になって思い出すレイジの曲。自分がADとして関わっている映像に使って見る。
その後の奇跡のような展開と、ハッピーを予感させる結末に心が暖かくなる。
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音楽の方向性の違いから訣別した二人のロック少年の苦悩と成長を描く青春小説。
作中でも音楽に大事なのは『リズム』という言葉があったが、小説も大事なのは『リズム』。この作品のリズムは最高に心地良いものでした。楽器は全く弾けない音楽音痴の私でも、心が熱くなるロック小説。「誰にも聴かれたくない音楽はこの世に存在しない。必ず、どこかの誰かに聴かれるために生まれてくるものなんだ」ってセリフがまさにロック。
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バンド界隈では良くある話し。
バンド青春ストーリーの光と影。光と影の比率は2:8くらい。
コンプライアンスが現代(2025年)程厳しくなかった1980年代の渋谷や新宿の猥雑な文化的背景が懐かしい。
街の臭いが蘇った。
年代的に近いし、知らない世界の話しではないので、あっという間に読み終わった。
途中、鼻白らむところもなくはなかったが概ね楽しめた。
ブラッディ・アッシュのVoジャックさんのその後が気になる。オーバードーズで死んだか、サツか893にパクられたか、いずれにせよロクなその後を過ごしてはいなさそう。
期待を裏切るスピンオフ希望んぬ。
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武士道シックスティーンからこの作者にハマって、自分もguitarをやっていたので、主人公の心境はよくわかった。rapが嫌いというのも面白かった。
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やっぱり誉田氏は読みやすいなぁ。
ラスト畳み掛けるように終わってしまったのがちょっと残念だったけど、概ね良かった。
どんな音が鳴ってるのか気になる。
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音楽を通した青春小説。
場面がテンポ良く変わっていくのもいいですね。
二人が最後に分かり合えるというのも、礼二が復活するのも、べたではあるけれどいいですね。
若い時のつながりというのは、いいものです。
友哉の結末は、ちょっと拍子抜けだけど、暗く重くなりすぎないということでいいかもね。
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感動した。涙もした。
創作物から得る、“死”にまつわる系でない感動の涙って、かくも気持ちが良いものだとは!
青春時代を通り過ぎ、良くも悪くも大人となってしまった今、いつのまにか“大人の青春”を描いた話が、大好きになっている……。
★4つ、9ポイント半。
2015.07.10.図。
……作中では名前すらも与えられないままだった“彼女”との別れが、切なすぎた…。迎えに行ってあげる描写も欲しかった。
Posted by ブクログ
バンドを通しての男の子達の青春や葛藤、成長と盛り沢山で読み応えも充分。
最初から展開がよめそうだったのが
少し残念。すれ違いの2人がやがてバンドを組むといったのは見え見え。ヒット曲として脚光を浴びるのも強引すぎるなぁ。長い年月がかかりすぎ。だからこそ、丁寧に描かれている物語が生きてくるのだろうけど。
ドロドロとした刑事ものの合間には
こういった爽やかな青春小説もいいかもねー。
Posted by ブクログ
青春だなあ。音楽という共通点でつながる二人。中学生の時の思いが、30過ぎて成就。
自分も音楽をやってるのもあって、ちょっとハマった。音が合わさると楽しいよね。礼二がその楽しさを知れて良かった。
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最初から結末ありきのいおうな展開が少し残念。
しかし、読んでいて爽快というか、ワタルとレイジ二人の流れがよかったです。
梨央の存在意義が薄いのと、友哉の結末が少し残念。
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中学でほんの一瞬バンドを組んだ後、それぞれ別の音楽の道を選んだ二人のロック少年の苦悩と成長の青春物語。
譽田さんの小説は女性の主人公ものばかりかと思っていたら、男性ものもあったんだというのが最初の感想。少年時代から始まって、色んな浮き沈みがあって、30過ぎで成就するお話なので、これを女の関係物語として描くのは難しいだろうから、こうなる(男性が主人公)しかなかったのかも。
(2014/7/26)
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ただ純粋に音を求める者
音に包まれた時の高揚感に浸る者
完璧を追求する者
音を金に変える者
色んな人が色んな角度から聴く音楽はそれだけで輝き方を変化させる。
この世に生まれた音楽が意味を成さないということは無いと改めて感じさせられました。
Posted by ブクログ
ワタルと礼二方向性の違う2人は別々の道を歩み続ける。世渡り上手なワタル、才能はあるが世渡りの苦手な礼二がうまく対比されていた。ただ読み進めるたび何度もこの2人が組めばいいと思った。が、それができないのもわかった。とてもハラハラしながら読むことができた。
Posted by ブクログ
"これは何かに熱中したことのある「あなた」の物語です。って言う帯のとおり、音楽という道で生きていくことを決めた少年の物語。ワタルとレイジの二人の視点からストーリーが進み、中学生から30歳までの青春が描かれている。
今まで、バンドがどう作られているのかとか「方向性」の違いなんてよく分からなかったけど、はまればはまるほど、深いところまで追い求められるのが「バンド」だと知った。メンバー内の目指す方向が違うことで人生に行き詰まるレイジと、音楽性の違いよりも動員数や仲間の人柄を重視するワタルは全く違う視点で音楽を捉えていて、音楽に関する人物を軸にして話が進んでいるようで、実は全く違うと感じた。
ワタルは普通。ただただ普通。友人に一人はいる世渡り上手な普通のやつ。なんでこいつがマドンナをゲット出来たのか不思議。確かに倫理観は人一倍ありそうだけど、これに男としての魅力はなさそう。こだわりもない。一番人が共感できるキャラかも。レイジはどんどん弱くなる。小説って一人はこういう弱いやつを入れなきゃ話が進まないのか。精神面に難あり。自分の弱さを認めたくなくて(無意識か?)強がってみせるけど、結局一度得た望んだ環境を壊されるとぼろぼろになる。ちょいちょい身体だけの関係の女がいるところが精神的な弱さを表してるようにも見える。イケメンじゃないと救われないキャラだけど、実際はどうなんだろう。記述なし。
総じて言えば、読後感もすっきりしてるし、中盤もどんな展開になるのかハラハラ出来ておもしろい小説だった。一つ言えばマドンナのりおがあまりにもつなぎ役としての役目しかもって無くてすこしがっかり。せっかく三角関係があるなら、もっと恋愛のドロドロがあってもよかった。"
Posted by ブクログ
音楽用語は分からないところが多いものの、楽しく読めました。
学生から大人になるまでの2人の成長過程が見れて、最後は和解できて良かったです。
レイジが公園でギターをしていた時、梨央のような女性に出会いましたが、私は完全に梨央だと思って二股疑惑を持ちながら読んでいました…
Posted by ブクログ
音楽を通して描かれる2人のものがたり
構成も交互にすれ違いながら、時間が進む…
お互いを意識しているのに、近くにはいない…
そんなもどかしさを感じつつ、最後まで…
めちゃ青春!ってほどもなく、
かと言って、熱くないわけじゃない
誉田哲也ワールドだなぁ〜っと感慨深く(笑)
この作品を読んでいなかったのが、なぜか?はよく思い出せませんが、30代半ばで、おじさん感半端ないのを読んでる私はwww
この後のものがたり、読みたいなぁ〜
50代になったRAGEwww
Posted by ブクログ
学生の青春物語かと思ったら全然違った。
何歳になっても青春を取り戻すことができるんだなぁって思った。
「人にはぱっと花咲く瞬間があるのかもしれない。
遅い人もいれば早い人もいる、もしかしたらまだ咲いていないのもあるかもしれない」っていう最後の言葉が心に残りました。
Posted by ブクログ
初めて読んだ、「白い」誉田哲也。
半分までは退屈で、ページも進まず…
後半は面白くなってきて一気読み。
主人公の一人が失踪するあたりからワクワク面白く感じる私には、やはり事件ものの方があっているのかもしれない、とあらためて。
登場人物が目に浮かぶように描かれているのと、時々クスッと笑ってしまうような文章は、さすがに誉田哲也ならではだとは思うけれど。
バンドに憧れた時代も懐かしく思えたけれど。
というわけで、次は姫川玲子に戻る予定。
Posted by ブクログ
主人公二人の視点が入れ替わりながら物語が進むので時系列は分かり易い。情報量は多いが展開も早いのでサクサク進む。それ故に深みに欠け、ご都合主義に進む展開はやや拍子抜け。大手レコード会社なら覆面バンドのボーカル以外は自社で売り出したい若手に入れ替えそうだけど。
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解説を読んで誉田サンがかつてプロを目指してバンド活動していたことを知る。
だからこんなに描写がリアルなんだーっと納得。
サクサクテンポ良く読めたけど、ちょっぴり爽快感が足りなかったかな。
Posted by ブクログ
ひたすら音楽の道を突き進む若者たちの半生記。
自分は音楽にのめり込むことはなかったけれど、過ごした年代が近いおかげでそれなりに臨場感はあった。登場人物たちは活き活きと描かれており、熱さに共感できなかったのは過ごしてきた日々の違いかな。好きな人にはたまらない作品かも。
Posted by ブクログ
作中の、曲のアイデアから観客の耳に届く演奏になる
までの作業経緯について詳細に描写されており、
取材で書いたにしてはずいぶんと
血肉になっている文章だなと感じていたら、
作者は作家デビューまえに
バンド活動をしていた、という事実があるらしい。
なるほど、である。
でも、知らないだろう、教えてやろう、なんていう
知識披露の臭い感じはほとんどない。
それよりも、音楽で自分の存在を肯定させようと
奮闘する、やり方は違う二人の少年の成長を
描いていて、そこがやはり誉田さんはうまい。
センチメンタルな過去の記憶に浸りきらずに、
うまく橋を架けて空に昇華させるような結末。
下手打ってダメになるかもしれない、でも
先に進めるんじゃないかって希望をともすのは、
もちろん周囲の名も知らぬ人たちの存在もあるけれど、
遠い過去、とんがった自分が意外にやさしく
自分を引っ張ってくれることだってあるように
感じる。
Posted by ブクログ
バンド音楽に熱中した男子たちのお話。曲作りとかバンド結成の模索なんか、裏側の過程を知ることができて面白かったです。こんなにも夢中になれるものがあって、そしてそれを表現できるって、とっても素敵なことだと思います。
Posted by ブクログ
2014.7.21
【経緯】
武士道シックスティーンのシリーズがとても良かったので
【書き出し】
文化祭二日目の、午後二時。
俺たち五人は、ステージ横の小さな楽屋に閉じこもっていた。
【感想】
バンド経験があれば、堪んない小説なんだろうな。
音楽が無くても生きていけちゃうわたしにとっては温度差があったよ。
でも生業としていくときに、好きなものに対する才能と生きていく処世の才能のバランスっていうのは何をするにも必要で、それでもがくワタルとレイジには共感した。
【引用】
誰にも聴かれたくない音楽なんてのはな、この世にゃ存在しないんだよ。音楽ってのはな、必ず、どこかの誰かに聴かれるために生まれてくるもんなんだ。
【笑】
友哉がなんだかんだでちゃっかりしている