内田昌之のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本作は、アニメ監督の富野由悠季が『機動戦士ガンダム』を構想する際に、本作の「パワードスーツ」に着想を得たことであまりにも有名である。しかし本作は、裕福な家庭で育ち、成績優秀だが特段将来について考えてもいない高校生の主人公ジュアン・リコ(ジョニー)が、出来心で軍隊に志願し、入隊後兵士として成長していく姿を描いた青春小説であることを忘れてはならないと思う。そうでないと、本作で示される社会観・国家観を含む、本作の白眉とも言える思想的・哲学的要素を十分に味わうことができないからだ。
作中で主人公ジョニーが通う高校の歴史・道徳哲学の教師デュボアは、女生徒からの「わたしの母は暴力ではなにも解決しない -
-
-
-
Posted by ブクログ
広大な銀河帝国を舞台としたSFでありながら、その内容は貴族の陰謀や政治的な駆け引きを主題とした宮廷劇である。また文化や言語、自己の境界などのテーマに関しては哲学的な領域にまで踏み込み非常に読み応えがあった。
まずこのタイトルの素晴らしさよ。なぜSFのタイトルはどれもこう美しいのか。読み進むにつれそのタイトルがもつ物語上の意味が明らかになり、読後に本を閉じたその瞬間、表紙に書かれた表題を見て改めて感嘆の息が漏れる。タイトルとはこうでなくてはならない。
物語は銀河帝国〈テイクスカラアン〉の壮麗な首都に、辺境で併合の危機に晒された〈ルスエル・ステーション〉からやってきた外交官である主人公マ -
Posted by ブクログ
上巻だけ読んだ感想。
とてつもなく面白いSF小説。
テラフォーミング、文明が滅び荒廃した地球を脱出した宇宙船、でかい宇宙昆虫など手垢のついたSFネタを使って、とんでもなく面白いSF作品に仕上げている。
主人公の一人である知性を持った蜘蛛が徐々に進化していく過程の描写が、とてもテレビゲーム的で面白い。
自分が獲得した「知識」を遺伝子のように子孫に受け継がせることができるという設定で、「俺の屍を越えてゆけ」を彷彿とさせるし、敵対する蟻の基地に潜入する描写はメタルギアのようである。
また一方で地球を脱出した人間達の宇宙船が新天地を獲得戦とする物語も同時並行で語られる。蜘蛛と人間の物語がどのように下巻 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻の、宮廷のパーティで自分にはテイクスカラアンの詩をあんなふうに作ることはできない、と感じてつらかったシーンとか、イスカンダーのイマゴの二つ目を入れた時に、子供の頃読んだテイクスカラアンの小説に複雑な気持ちで胸打たれたことが共通点になってることとか、帝国への、大使たちのややこしい憧れと疎外感と、彼ら自身が帝国に誘惑もできてる存在なところが一番魅力的でドキドキした。
ステーショナーたちの文化やメンタルも読んでる側にしたらぜんぜん当たり前ではないのも良かった。帝国のこともステーションのことも知らない読者視点で、マヒートと同じ野蛮人の気持ちも、マヒートのことがエイリアンに見える帝国側の気持ちもちら -
-
-
-