内田昌之のレビュー一覧
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はい、というわけでJ・P・ホーガンの『巨人たちの星』三部作第5弾でございますよ!
前作のレビューでも触れましたが、三部作の第5弾ですからね
そんな付け足しの物語が面白いわけなかろうが!(# ゚Д゚)
うん、でら面白かったです
何にだって例外はあるでしょうが!(# ゚Д゚)
(誰もなにも言うてない)
あれですよ!老舗のうなぎ屋の秘伝のタレですよ
付け足し付け足しですよ!(継ぎ足し継ぎ足しな)
でもあれってどうなん?ちょっと不衛生じゃない?まぁ、美味しければいいか
そうなんです
面白ければいいんです
面白いが正義
はい、ほんとのほんとの最終巻(亡くなってますので)『ミネルヴァ計画』です
なんと今回はマルチヴァースですよ
説明したところで難しくて理解できないだろうからしませんよ
もうこれぞ空想科学小説ってくらいエグいんだけど、根底に流れるテーマはなんで人間って争ってばかりいるの?ってことっぽい
ホーガンはこれを「人間の病」と表現してるんだが、善意のかたまりである巨人たちには理解できんのよ
で、この病って生まれついてのものなの?育った環境によるものなの?ってところなんよ
ホーガン自身(と巨人たち)はなんとなく答えを保留してる感じですが、環境によるものだと信じたいようなのよ
生まれつきだったら救いがないものね
ただね競争心が良い方向に出ることもあるよってことも書いていて、結局は折り合い良くってことなんかなーって
それにしてもやっぱSFってさ、人間を見つめる物語なんだな〜 -
Posted by ブクログ
またガルースやチューリアンたち、ハント、ダンチェッカーに会えた!
ガニメアンの優しさに感動!
とくにダンチェッカーのいとこで作家のミルドレッドとショウムの心の交流に胸を打たれた。
地球人の私利私欲の追求と搾取、抑圧、強奪、強者のための弱者の奴隷化を前提とし、それを称揚して賛美する人間性について、それは信頼する者に欺かれているからだと考えるミルドレッドに、テューリアンなら、地球の人々に嘘を拒絶する方法を教えることができるかもしれないと、希望を見出す。
人間について懐疑的だったショウムが、ミネルヴァを救おうとテューリアン、地球人ともに力を合わせて奮闘する展開。
まさに最終章に相応しい物語でした。
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Posted by ブクログ
本作は、アニメ監督の富野由悠季が『機動戦士ガンダム』を構想する際に、本作の「パワードスーツ」に着想を得たことであまりにも有名である。しかし本作は、裕福な家庭で育ち、成績優秀だが特段将来について考えてもいない高校生の主人公ジュアン・リコ(ジョニー)が、出来心で軍隊に志願し、入隊後兵士として成長していく姿を描いた青春小説であることを忘れてはならないと思う。そうでないと、本作で示される社会観・国家観を含む、本作の白眉とも言える思想的・哲学的要素を十分に味わうことができないからだ。
作中で主人公ジョニーが通う高校の歴史・道徳哲学の教師デュボアは、女生徒からの「わたしの母は暴力ではなにも解決しないと言っています」との発言に対して、「暴力は、むきだしの力は、ほかのどんな要素と比べても、より多くの歴史上の問題に決着をつけてきたのであり、それに反する意見は最悪の希望的観測にすぎない。この基本的な真理を忘れた種族は、常にみずからの命と自由でその代償を支払うことになったのだ」と答える。戦争という暴力行為が歴史的には大半の問題に対して「決着をつけてきた」という事実と向き合えというのは若者(もちろん、若者に限らないが)に対するかなり強烈な洗礼であり、こうした考え方をめぐり当時かなりの論争を巻き起こしたというのも納得がいく。また、本作の中では、2年間の兵役を経験した者だけが参政権を与えられ、かつ公職に就くことが許される「市民」となることができる(また、兵役の期間中には投票権が無い)という社会像が描かれる。理不尽な経験に耐え、命をかけて国家を守るという経験を積んだ者のみが政治的決定権を与えられるというハインラインの政治思想はさまざまな反応を呼ぶであろうが、個人的には非常に興味深いものであった。これはいわゆるノブレスオブリージュの考え方であろうが、作中でも示されている、権力には責任が伴う、という考え方には一考の余地があるのではないかと思う。
ハインライン作品は基本的に筋立てはシンプルであるのに、それに比して内容にボリュームがあり過ぎる(時には冗長に感じることも多い)のはなぜかと考えることが多かったが、ハインラインは、作品で示すあらゆるSF的(時には思想的)要素をいちいち精密に説明しないと気が済まない人なのだろう、と本作を読んで感じた。だからこそ、人によっては本作のパワードスーツのみに惹かれたり、哲学的要素に惹かれたりするのであろう。この点は物語に集中するという意味では作品のバランスを損なっている部分があると思うが、再読の度に新たな面白さに気づくことができる、というメリットもあるように思う。とはいえ、個人的にはジョニーが訓練期間を終えた作品中盤くらいからはとても楽しめたのだが。
それにしても、ハインラインは少ないギミックでSF作品を成り立たせるという点においては天才的に上手いと思う。本作でもSF的ギミックとしてはパワードスーツ、バグ、市民権くらいではないかと思うのだが、それだけで十分に面白いSF作品に仕立て上げてしまうのだから凄い。本作も、1959年という時代にこれだけの精度でSF世界を展開し、後の数多のミリタリーSF作品に影響を与えているという点で偉大な作品であることは間違いない。 -
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広大な銀河帝国を舞台としたSFでありながら、その内容は貴族の陰謀や政治的な駆け引きを主題とした宮廷劇である。また文化や言語、自己の境界などのテーマに関しては哲学的な領域にまで踏み込み非常に読み応えがあった。
まずこのタイトルの素晴らしさよ。なぜSFのタイトルはどれもこう美しいのか。読み進むにつれそのタイトルがもつ物語上の意味が明らかになり、読後に本を閉じたその瞬間、表紙に書かれた表題を見て改めて感嘆の息が漏れる。タイトルとはこうでなくてはならない。
物語は銀河帝国〈テイクスカラアン〉の壮麗な首都に、辺境で併合の危機に晒された〈ルスエル・ステーション〉からやってきた外交官である主人公マヒートが降り立つ所から始まる。
本書の魅力のうち大きな部分を占めるのが、このテイクスカラアンを中心とした世界観の色鮮やかな描写であろう。洗練された貴族文化をもち、政治にまで詩作能力が要求される詩人の帝国。それでいて生贄の伝統があり、あらゆる方向に侵略の手をのばす野蛮性をも持ち合わせた危険な帝国。
モデルとなったのはビザンツとアステカらしいが、作者自身がビザンツ帝国の博士号を持っているとのことでその描き方の説得力にも納得した。
固有名詞が多く、初めはとっかかりにくいというのは事実である。しかし、読み進めているうちに、いつの間にかそれらの用語にも慣れている自分を発見するはずだ。それはまさしく異文化に放り込まれてから徐々に親しんでいく過程の追体験に他ならず、これらの独特な用語が小説に旨味を与えていることは間違いない。
帝国に住む人々の描写も良い。彼らの価値観や美学が、その言動や所作などから伺えるという構造が上手いのだ。中でも主人公の文化案内役であるスリー・シーグラスがあまりにも魅力的だった。好きになってしまう。
賢くて好奇心旺盛、負けん気が強くユーモアのある皮肉屋。エイリアンにも興味を示すなど進歩的な知性と旺盛な好奇心を持つ彼女だが、そんな彼女すらマヒートのことを平然と「野蛮人」呼ばわりするなど、決して自身の文化的価値観を超越した存在としては描いていない点が好印象だった。
マヒートとスリー・シーグラスはその文化背景の違いからずれが生じるのだが、それを無理に理解しようとするのではなく、違うものとして丁寧にコミュニケーションを図る。その姿には心を動かされるものがあった。
表紙を開くと扉には以下の一文がある。
「本書をみずからの文化を滅ぼす文化に心奪われたことのあるすべての人に捧げる」
マヒートにとって帝国は最後まで帝国であった。それは常に強大な脅威でありながら、同時に荘厳で美しい憧れの文明である。
読者にとってもそれは同じだ。自分など、読み終わる頃には何かに圧倒されよくわからない涙が出ていた。
他国の文化を愛することとその国の政治を是とすることはイコールではない。本書を読書時、ウクライナに対しロシアが侵攻を始めたが、ロシアの文化を愛していた自分にとっては、何か深い部分を揺り動かしてくれた一冊となった。
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Posted by ブクログ
上巻だけ読んだ感想。
とてつもなく面白いSF小説。
テラフォーミング、文明が滅び荒廃した地球を脱出した宇宙船、でかい宇宙昆虫など手垢のついたSFネタを使って、とんでもなく面白いSF作品に仕上げている。
主人公の一人である知性を持った蜘蛛が徐々に進化していく過程の描写が、とてもテレビゲーム的で面白い。
自分が獲得した「知識」を遺伝子のように子孫に受け継がせることができるという設定で、「俺の屍を越えてゆけ」を彷彿とさせるし、敵対する蟻の基地に潜入する描写はメタルギアのようである。
また一方で地球を脱出した人間達の宇宙船が新天地を獲得戦とする物語も同時並行で語られる。蜘蛛と人間の物語がどのように下巻で交わるのか期待大。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻の、宮廷のパーティで自分にはテイクスカラアンの詩をあんなふうに作ることはできない、と感じてつらかったシーンとか、イスカンダーのイマゴの二つ目を入れた時に、子供の頃読んだテイクスカラアンの小説に複雑な気持ちで胸打たれたことが共通点になってることとか、帝国への、大使たちのややこしい憧れと疎外感と、彼ら自身が帝国に誘惑もできてる存在なところが一番魅力的でドキドキした。
ステーショナーたちの文化やメンタルも読んでる側にしたらぜんぜん当たり前ではないのも良かった。帝国のこともステーションのことも知らない読者視点で、マヒートと同じ野蛮人の気持ちも、マヒートのことがエイリアンに見える帝国側の気持ちもちらちら見えて、ほんとに楽しく読めた。
続編が何卒邦訳されますように、いまからとても待ってる。