あらすじ
蜘蛛たちは文明を紡ぎ、〈理解〉を伝達していく。その星は進化した猿たちのものになるはずだった――。
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ドクター・カーンが眠りについてから約2千年が過ぎた。宇宙広くに拠点を持っていた人類だったが戦争により文明は崩壊し、地球は死の星になっていた。発達した科学技術を誇った時代は古帝国と呼ばれて、なかば伝説として語られるのみ。
辛くも難を逃れ生き残った人間たちは、宇宙船で交互に人工冬眠をしながら唯一の希望を目指していた。古帝国がおこなったと言われる、テラフォーミング計画の星を。
目的の星に近づいた宇宙船は人工衛星からの救難信号をキャッチする。居住可能な惑星を眼前にして、人類の前に現われたのは――。
一方、蜘蛛たちは遥か頭上で起きていることを知る由もなく、蟻との全面戦争へ突入しようとしていた。
クラシックSFの面白さと、蜘蛛の文明の発展と共に冒険小説や軍事小説としての面白さも加わる傑作長篇。
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Posted by ブクログ
最後に驚いた!
宇宙を漂う人間チームと、ナノウイルスにより進化した蜘蛛たち。
自分たちが生き残るためには、蜘蛛の星を手に入れるしかないと思い、攻撃をしかける。
ポーシャたちの理性的な行動、精神的に学ぶことが多いと思った。
上巻から続けて読んだが、ほんと面白かったし、素晴らしい作品だと思う!!
Posted by ブクログ
最高に面白い。下巻は胸をヒリヒリさせるようなエモーショナルな展開が多い。極限状態での男女のロマンスを人間、蜘蛛共に描いており、特にポーシャが散々差別していた雄を認めて絆を深めた上での、感動的な愛の捕食シーンは思わずこみあげてくるものがあった。
蜘蛛と人間との全面戦争の行方をみんな見届けるべきだ。
続編も期待。
Posted by ブクログ
物凄く面白かった。
知性を持った蜘蛛と人間のファーストコンタクトの結末は・・・
宇宙を避難船で彷徨う人間パートと、緑の惑星で進化を続ける蜘蛛パートに分かれているが、どちらも独立した物語として十分楽しめる。というか、蜘蛛のパートがこんなに面白いのは予想外だった。
続編が出ているらしい。ぜひ翻訳されるといいのだが・・・
Posted by ブクログ
これぞ本格宇宙SFの醍醐味。数千年にわたる壮大なストーリー、進化した蜘蛛の世界が何とも凄かった。クライマックスの人類との戦いは圧巻。救いのあるラストもよかった。訳者あとがきによると既に続編が出ていて(翻訳はまだ)、次は蛸なのだとか。映画化の動きもあるみたいで、奇々怪々な蜘蛛の惑星が一体どのように描かれるのか興味深い。
Posted by ブクログ
ファビアン主義の改革を進める蜘蛛社会
資源の限られた避難船内でも過ちを繰返す生残り人類
生存空間を巡り激突というか侵略が鬱展開だが結末に安堵
続編読みたい真っ当な宇宙SF