内田昌之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「老人と宇宙」シリーズ第4弾は、ジョンとジェーンの養子であり、オービン族に意識を与えた天才科学者ブーティンの実娘ゾーイの物語。同シリーズ第3弾「最後の星戦」で描ききれなかった場面(とりわけ終盤のゾーイがガウ将軍とケリをつけてくるところ)を補完する作品との位置づけです。従って、基本的には前作と同じ時系列で展開していくので、「あぁ、あの場面の背景ではこんな事態が起こっていたのか」と楽しめる作品になっています。こう言うと、ただのサイドストーリー的な扱いになってしまいますが、そこはジョン・スコルジー、侮るなかれ。狼男との和解をガウ将軍に絡ませてくる展開に感心し、終盤に描かれるゾーイとオービン族の対話には思わずホロり。というか、このシーンはまったく反則でしょう。ゾーイの生い立ち、オービン族の実直さ。これらにまつわる種々の思いが結実する展開には、いやはや感動せずにはいられません。
さて、これにて本当の意味で「老人と宇宙」シリーズは一応の終わりを迎えたようですが、どうやら第5弾もある模様。次はどんな楽しみをもたらしてくれるのか、楽しみで仕方がありません。 -
Posted by ブクログ
銀河にちらばる惑星に進出した人類。そこは、様々な異星人が蔓延る群雄割拠の世界だった!人類を異星人から守るために設立されたコロニー防衛軍。主人公ジョン・ペリーは、なんと75歳にして防衛軍に入隊する。実は、防衛軍は75歳以上の老人にしか入隊の権利がないのだ!なぜコロニー防衛軍は老人しか受け入れないのか、そして異星人との戦争とは…!?
ジョン・ペリーの防衛軍での波乱万丈な軍隊生活を描く本書は、娯楽SFとしてまぎれもない傑作です。なにより主人公が老人であるという設定が、こんな素敵な結末を導き出すとは…!とてもわくわくしながら読み進めることができました。
著者のジョン・スコルジーがあとがきでも触れるように、本書はあの不朽の名作「宇宙の戦士」の影響が強いとされています。確かに全体的なストーリーの流れは「宇宙の戦士」に似ていますし、他の類似点はいくつも見つけられるのでしょう。ただ、個人的には、あまりその影響を感じられませんでした。というのは、「宇宙の戦士」はその著者であるロバート・A・ハインラインの思想が前面に押し出されており、正統派の戦争SFにしては、やや(?)政治色の強い作品との認識。一方、本書は、著者自身のインタビューを引用すると、「わたしが書きたかったのは、読者を楽しませる物語であり、(中略)わたしが戦争についてどう考えているかということは二の次だった」とのこと。十分すぎるほど楽しませていただきました。続編も読もう。