あらすじ
ジョン・ペリーは75歳の誕生日にいまは亡き妻の墓参りをしてから軍隊にはいった。それも、地球には二度と戻れないという条件で、75歳以上の男女の入隊しか認めないコロニー防衛軍に。銀河の各惑星に植民を始めた人類を守るためにコロニー防衛軍は、姿形も考え方もまったく異質なエイリアンたちと熾烈な戦争を続けている。老人ばかりを入隊させる宇宙軍でのジョンの波瀾万丈の冒険を描いた、ロバート・A・ハインライン『宇宙の戦士』の21世紀版登場!
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一気に読んでしまった。久しぶりにSFを読んだ、という実感。
いろいろなアイデアがすばらしい。
主人公の能天気さ(ポジティブ?)と結構ご都合主義的なストーリーがハインラインぽくて、気に入った。
翻訳で2箇所、?なところが。
「光年」が時間の単位のようにもとれるところと、「メートルトン」という重量の単位が。
自分より年下の作家、というのが、ちょっとショック。
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SF小説に特有の世界観の把握や
専門用語の理解にほとんど戸惑うことなく
物語に入っていけた。
非常に読みやすく、取っ付きの悪さはない。
人にオススメしやすいSF小説。
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老人が兵士になる設定が面白い。読む前は、よぼよぼの爺さん婆さんが腰痛や高血圧に悩みながら戦うのかなと思っていたけど、違いました。でもこの兵士として仕立て上げる技術は、戦争に使わなければとてもいいのではないかと思った。高齢者の活躍の場を広げることになるし、そもそも介護の必要もない。あっ、でも兵士の場合は(不幸ではあるが)どこかで死んでしまうが、平和利用されたら最終的には介護の問題は起こってしまうか。
話が変な方向に行ったので戻します。
内容は、舞台設定はSFですが、ストーリーの根幹は冒険小説です。兵士になった老人が、どのように戦い、どのように死んでいき、どのような人と関係を持つか、夫婦関係なども入り、全体として濃厚な読後感を味わえます。
翻訳文はこなれていて、非常に読みやすい。スピーディーな展開だけれども唐突感はなく、素直に物語に引き込まれていった。最初は題名だけを見て―多くの人が思うだろうが―別の小説を思いだし、パロディかなんかなのかで大した作品ではないのではと思った。しかし、他の書評を読むと評価が高いので、本作品を読んでみた。もちろん好みは人それぞれなのだけど、個人的には当たりの作品でした。
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銀河にちらばる惑星に進出した人類。そこは、様々な異星人が蔓延る群雄割拠の世界だった!人類を異星人から守るために設立されたコロニー防衛軍。主人公ジョン・ペリーは、なんと75歳にして防衛軍に入隊する。実は、防衛軍は75歳以上の老人にしか入隊の権利がないのだ!なぜコロニー防衛軍は老人しか受け入れないのか、そして異星人との戦争とは…!?
ジョン・ペリーの防衛軍での波乱万丈な軍隊生活を描く本書は、娯楽SFとしてまぎれもない傑作です。なにより主人公が老人であるという設定が、こんな素敵な結末を導き出すとは…!とてもわくわくしながら読み進めることができました。
著者のジョン・スコルジーがあとがきでも触れるように、本書はあの不朽の名作「宇宙の戦士」の影響が強いとされています。確かに全体的なストーリーの流れは「宇宙の戦士」に似ていますし、他の類似点はいくつも見つけられるのでしょう。ただ、個人的には、あまりその影響を感じられませんでした。というのは、「宇宙の戦士」はその著者であるロバート・A・ハインラインの思想が前面に押し出されており、正統派の戦争SFにしては、やや(?)政治色の強い作品との認識。一方、本書は、著者自身のインタビューを引用すると、「わたしが書きたかったのは、読者を楽しませる物語であり、(中略)わたしが戦争についてどう考えているかということは二の次だった」とのこと。十分すぎるほど楽しませていただきました。続編も読もう。
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うん,久々にSFらしいSFを読んだ.あと25歳若いときだったら熱狂しただろう.「老人」である必然性がちょっと弱いかな,と感じたし,人物の掘り下げ方がちょっと浅いとも思うが,これはこれで良し.ブライアン・ジンガーぐらいに監督させるて渋みも出させると,おもしろい映画になると思う.
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タイトルだっせえし”老人”をフィーチャーする割にすぐ若返るしでなんか微妙かなー、まあハードボイルドスペオペとしては読みやすいけど、くらいの感覚で読み進めていたが、ヒロインの登場であーこれは"老人"フィーチャーが活きてきてるわと一気に面白くなった。良い読後感。ただやっぱタイトルだっせえわ。原題の"Old Man's War"は単に味気ないだけだが、邦題はなんで「老人と海」をパロったのか意味わからん。マジでださい。
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地球で老人になった人達が宇宙で戦争に参加するお話
怪獣保護協会で知った作者。
代表作はこちらということで読んでみました。
テンポ良く、でも簡単すぎず
主人公が好きになれる人物で読みやすかった。
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妻に先立たれた主人公が75歳以上限定の軍隊に入り、異星人と戦うSF。
戦争なので味方が異星人に惨殺されるシーンもあるが、全体的にエンタメ寄りでジョークも多くスラスラ読める。
テクノロジーが圧倒的な異星人を相手に人類の行く末も気になるが、主人公にはぜひとも幸せな老後を過ごしてもらいたいところ…と言っても、すでに75歳なわけだが。
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ジョン・スコルジーは、ブログやノンフィクションでの鋭い洞察力でも知られるアメリカのSF作家です。彼の代表作である『老人と宇宙』は、2005年に刊行された後、その斬新さでヒューゴー賞の候補に上がるほどの注目を集めました。この作品の魅力は、宇宙という無限の舞台上で繰り広げられる、人間ドラマの深さにあります。
『老人と宇宙』の中心となるテーマは、「歳を重ねた人々が未知の領域でどのように振る舞うか」という点です。主人公である75歳のジョン・ペリーが、地球を離れ人類コロニーを守る軍隊に参加するという物語は、ロバート・A・ハインラインの『宇宙の戦士』にインスピレーションを受けつつも、独自の哲学と人生観を交えたスコルジー独自の作品に昇華されています。
本書のおすすめポイントは、痛快なアクションと人間ドラマのバランスの良さです。登場する老人たちの会話は、彼らの人生経験を反映しており、時に辛辣でありながらも温かみを持っています。戦闘シーンでは、エイリアンや武器、戦術が斬新で想像力をかきたてられるものとなっており、読者は主人公ジョン・ペリーと共に宇宙の冒険と戦争を味わうことができるでしょう。
SFを好む読者だけでなく、人生の晩年にあっても新たな挑戦を恐れない精神に共感する人々にもお勧めできます。老いというテーマを通して、生と死、愛と友情、戦争と平和などの普遍的な問題が繊細に描かれています。また、本作はシリーズ化されており、ジョン・ペリーのさらなる物語が追体験できる点も見逃せません。
総評として、この小説は、老人と宇宙という斬新な発想で、SFの魅力を存分に味わわせてくれる作品です。
Posted by ブクログ
ローカス誌が選ぶ21世紀SF小説オールタイムベスト第1位。
一言で言うと、小説の要素をすべて、バランスよく詰め込んだ佳作。
理論はあるがSFにありがちなしつこくなりすぎることはなく、恋愛も深くなりすぎず、エロや暴力の描写も不快にならない程度にまとめられていると言う印象。
最後が少し駆け足でわかりずらかったかな。違う宇宙の話と違う人生の話をかけているんだろうけど、何度読んでもしっくりこなかった。
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面白かった。
21世紀版宇宙の戦士とあるが当にそのとおり。
続編があるのかと思ったらそうでもないみたい。
ちゃんと終わってるのでこの一冊で十分でしょう。
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文句なく面白い。まさに、21世紀の宇宙の戦士。現代的設定と、緻密な心理描写の組み合わせに思わず、引き込まれていく。ハインラインの宇宙の戦士が大好きな人は必読です。唯一いただけないのは、タイトルかな。とても中身を想像できません。
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「宇宙」に老人?この邦題に惹かれて本書を手に取りました。トンデモ本かと思いましたが、面白い!ウィリアム・ギブソンがサイバーパンクもので提示した今まで想像もしたこともない設定に魅了された同様に、「老人が宇宙に旅立つ」設定にワクワクしました。SFの醍醐味ですね。シリーズ全てを読んでしまいました。
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楢山節考。姥捨山。
それを連想せずにはいられない。この作者はそういうことを知ってるのかなぁ。
人生終わりかけの年寄りを使って地球防衛するのだが、ピチピチの若者レベルまで人体改造を施して訓練しても生存率は極々わずか。
主人公は生き残るから物語になる。しかし、物語の背景に結局は年寄りを使い捨てているところがある思うと、単におもしろいで片付けていいものか。小説としてそこに突っ込んでいくとおもしろくなくなってしまうのは間違いないが、そっちに行けばノーベル賞も夢ではないと思うね。
地球防衛するわけじゃないにしても、生産年齢から外れるお年寄りに生産性を上げてもらうことは社会的には非常に有意義なんだよな。高齢化社会日本はどうするんだろう。
単にSF小説としておもしろかったので、次作も読んでみようと思うが、単純にSF小説で終わらないことを望む。
Posted by ブクログ
文字多めかなーと思いましたが、さくさく読めました。
ご老人が宇宙に出てとにかくバトル。ストーリー的にも、頭からっぽにして、突っ込みどころは気軽に突っ込みながら、目の前のシーンを楽しく読んでいると終わるような本。想像がふくらむし、スケールは大きいし、こういう話は好き。
どう考えても老人のメンタリティじゃないっていうか、皆さん完成豊かだなあとか、年齢の割りに精神がヤング。枯れた感じがほんとにないなぁと思うけど、老人要素は「既に一つの人生を終わらせている」という部分で感じればいいかという感じ。
ブレインパルとか、スマートブラッドとか、あのへんのロマンあふれる設定が楽しいです。そこまでやって、やることはあくまで近接戦闘という。そのあたりのバランスが、どきどきしながら読める部分かも。
Posted by ブクログ
単純に面白かった。老人たちが兵士になるまでが一つの区切りで、そこまでの流れやガジェットや設定も面白い。映画になりそう。
で、兵士になった後はスターシップトゥルーパー状態に入るわけだが、それも読みやすい文章なのでエイリアンの描写とかもなんとなく分かりやすく、話の流れもタイトで勢いに読ませる。
ラストもテーマと繋がる感じで、うまくまとまってる。総じて面白いと思います。
Posted by ブクログ
小難しい事を考えずに読める娯楽作品。「ジジイとレーズンの違いは前立腺があるかどうかだけ(意訳)」など、ジョークが冴えてるし、異星人やその異星人にぶっ殺される地球人の描写もエグくて最高!これの元ネタになったと言われている「宇宙の戦士」も読んでみたい。
Posted by ブクログ
おじいちゃんおばあちゃんしか入隊できないていう設定が面白かったですが、すぐに若い体になってしまったからお年寄りだったという設定が生かしきれてない感じがしました。
体が不自由だったとか、昔はよかったとかそういう回想もないし。おじいちゃんじゃなくても、良かったような……。
体が若くなったら、気持ちも一気に若くなってしまったし……??
お年寄りの良さというか、年長者の知恵をつかうようなところがもっと読みたかったです。
後半のジェーンが出てきたあたりは、主人公がおじいちゃんなの忘れてロマンチックで好きでした。
Posted by ブクログ
主人公が75歳にして新しい環境へ飛び込んでいき、なんだかんだ苦労しながらもそこで自分の居場所を見つけていくっていう物語。もともとこの手の話にはすごーく弱いんだが、(しかも舞台が宇宙ときてる!!)ラスト近くではなんと「リセット(北村薫)」ばりのエピソードが現れ、もうメロメロ。人生は何歳になろうとも色あせることがないんだっていう希望を持たせてくれる一方で、だけどそれは毎日を無駄遣いせず、本当に大切なものを持つことができた人にだけ訪れる未来なんだよ、って諭されるみたいな…いい話です。
Posted by ブクログ
読み易いがもう少しミステリアスな部分が欲しい、次作に期待したい
表紙 6点前嶋 重機 内田 昌之訳
展開 6点2005年著作
文章 7点
内容 585点
合計 604点
Posted by ブクログ
ネタバレです。
老人が全てを捨てて宇宙に行くということを選べる時代。妻に先立たれた老人が全てを捨てて宇宙に行くという話。
若くなった体で一週間楽しんだあとのシリアスな現場。そして死んだ筈の…
SFという舞台での恋愛話だと思えばむしろ納得の内容でした。
話の内容がご都合主義でもいいという方には向いているかも?
Posted by ブクログ
75歳以上の男女にしか入隊を認めないコロニー防衛軍での、エイリアンとの壮絶な戦いの物語。
老人を兵士にするというのだから、なんらかの肉体改造はあるだろうというのは予想がつくが、ここまでのことをするとは。
いかにも、SFというところか。
そして、やはりというべきか、兵士は使い捨てに近い。
そこで、あなた達は10年以内に死ぬ確率は、かなり高かったのだから、エイリアンとの戦闘で死んだとしても、それは意味のある死だからいいだろうというのは、実際納得できる説明なのだろうか。
もちろん、軍隊に入ると決めて来た人ばかりだから、ある程度の覚悟は決めて来ているはずなのだが。
ある意味、いろいろ衝撃的な問題提起をなされたSFだった。
Posted by ブクログ
宇宙と書いてそらと読ませる。 面白そうだと思って読んだが、ばりばりの軍隊ものであった。なんか海外ドラマのギャラクティカを思いだした。アメリカ人はそういうの好きだよね。映画とかになりそうだと思った。私はどちらかというとスタトレ派である。老人である意味があんまりわからなかった。最後のあとがきで続編を読むと分かると書かれていたが。機会があれば読んでみよう。