内田昌之のレビュー一覧
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ネタバレ前作最後に<均衡>という名の勢力が真の黒幕だと判明した。敵対関係寸前のコロニー連合、地球、コンクラーベは<均衡>の正体を突き止め、策略を阻止するべく奔走する。
4章仕立てでそれぞれ主人公が代わりながら話が進むのは前作と似ている。<均衡>の企みをいかに利用し裏をかくかの筋書きを追うことに力が入っていて、シリーズ中もっとも話がハードではないかと。
箱に脳をつめて宇宙船と一体化させるテクノロジーに関してはもう少し追求して欲しかったですね。黒幕の正体もそれだとすっきりしない。そのあたりは伏線ではないのかもしれないが、消化しきれてないと思うので☆ひとつ減。
1章はボツバージョンが収録されているが、比較するとやはり正式採用のバージョンがいい。個人的には、鍵となる人物の名前を変えたのは大きなポイントだと思う。名前の語感は大事。 -
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シリーズ前作『ゾーイの物語』ではコロニー開拓の描写が多いだけでなく、主人公が女子で若干ヤワな雰囲気だったが、今回は陰謀や戦闘が多くこのシリーズらしさを取り戻している。13のエピソードが短編となっており、それぞれ結末を迎えつつ、全体として話がどこかでつながっていく構成。話を追うにつれ、お互いにあまり好意的でない仲間たちが、好意を持てないまま何となくチーム風になっていくさまがおもしろい。
そして最後…終わってないじゃん。最後引っ張って次のシーズンに続くというTVドラマ的展開はよろしくないと訳者もあとがきに書いてる。そして読後、チュロスを食べたくなったのは私だけではないだろう。 -
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ネタバレこの作品が最後の作品です。
結局シリーズを終えることなく
彼は宇宙の彼方へと飛んで行ってしまいました。
クロニアに来た地球人は
異なる概念を持った地球人とは
相容れることができませんでした。
彼らには承認要求は必要なかったし、
対価も必要ありませんでした。
人はこう思うと、存在が罪なのでしょうね。
資源を浪費しつくし、
争いの種をまき、
他人を惑わす…
ところどころにその罪の数々が出てきます。
しかもそれは地球のそれでも
原始の時代に文化が逆行しても
然りなのですよ。
例のシリーズとはちがって
読みづらいです。
ええ、チョー読みづらい(砕けて言ってみた)
でも、どこかで寿命を感じていたのかな
著者は。
だからすごく訴求力が強いのよね。 -
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ネタバレシリーズ2を手にとってパラパラと見たら1とは全然登場人物が違う。毎回違うステージの話なのかと思ったらそうではなく、1と3は同じというので2を飛ばしてこちらを読んだ。結論から言うと2を全然読んでなくても支障はない。2の話が3に出てきているのかどうかはわからないレベル。
ジョンは家族とともに行政官として植民惑星ロアノークへ向かう。ロアノークへ向けて宇宙船はジャンプを終えたが、到着した惑星はロアノークではなかった。仕組まれた間違いには何が隠されているのか。
『月は無慈悲な夜の女王』が、アメリカ人にとって独立戦争を想起するものだというが、こちらのこの話もそういう含みがあるんじゃないかと思った。ただ、植民者が全員で武器を取って立ち上がるのではなく、主人公とその周辺の人たちが、であるが。
最後まで飽きずに読めたが、SFとしては政治的陰謀の謎解きの比重が重すぎるかな。ただ、これで終わりと書いてあるが続きがあるのよね。ははは。とりあえずその前に2を読まねば。
おまけ。ヒッコリー&ディッコリーの名前にはやや特別なニュアンスがあるようなことが文中に書かれていたが、マザーグースの歌に出てくるねずみの名前で、歌には時は金なりの意味があるとか。いまひとつピンときませんでした。 -
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ネタバレ楢山節考。姥捨山。
それを連想せずにはいられない。この作者はそういうことを知ってるのかなぁ。
人生終わりかけの年寄りを使って地球防衛するのだが、ピチピチの若者レベルまで人体改造を施して訓練しても生存率は極々わずか。
主人公は生き残るから物語になる。しかし、物語の背景に結局は年寄りを使い捨てているところがある思うと、単におもしろいで片付けていいものか。小説としてそこに突っ込んでいくとおもしろくなくなってしまうのは間違いないが、そっちに行けばノーベル賞も夢ではないと思うね。
地球防衛するわけじゃないにしても、生産年齢から外れるお年寄りに生産性を上げてもらうことは社会的には非常に有意義なんだよな。高齢化社会日本はどうするんだろう。
単にSF小説としておもしろかったので、次作も読んでみようと思うが、単純にSF小説で終わらないことを望む。 -
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SFミステリーのジャンルに属する作品。著者によると、ミステリー要素の方が多いとのことだが、私にはほぼSF作品だと認識した。SF要素は8割くらいだろうか。物語は宇宙を舞台にした、SFらしいものだ。特に第一部はSF要素が強い。ミステリ要素が増えるのは、第二部以降。殺人事件が発生し、謎解きマニアの高貴な少女ダイアナが前面に出て来てからだ。とはいえ、犯人は本書の冒頭で著者が暴露しており、フーダニットの楽しさはない。殺害方法を推理するのを楽しみにことになる。もちろん、ベースはSFなので、殺害方法はSF的なものになる。これを驚けるか落胆するか、読者のバックグラウンドによって評価が分かれるかもしれない。まあ、読みやすいし、SF作品だと思って読めば失敗しないだろう。
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ネタバレテラフォーミングされた火星を舞台にしたダークなハリーポッターという感じの小説。3部作の1作目ということだが、ここからハリーポッターな世界を通り越して行くとスゲー突き抜けた小説になりそうな気配がする。
前半、火星の最下層(レッド)の一員として塗炭を舐めるような生活をし、妻を処刑され自身も処刑される辺りまでは、ここからどう展開するのかとドキドキした。そこからも支配層(ゴールド)の世界に入り込むところ、エリート養成のための地獄に放り込まれるまでのスピード感は素晴らしい。
そこからダークハリポタを経て、上層階級の腐敗に立ち向かう、いわばこの本の核心部が少々タルんでしまうのが残念。本家ハリーポッターみたいに、登場人物たちのキャラクター造詣が際立っていないのもタルみの原因かも。特にラスボス感あふれるジャッカルと後半のヒロイン、ブレまくってるねんなぁ…残念。
この本1冊で終わっているなら星3つか3.5でも良かったんだけど、ゾクゾクする展開で続編がありそう。なんとなく次はハリポタで済まない感じもしてきて、続編に期待を込めての下駄ばき評価。 -
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他の惑星を植民地にする人類。宇宙にはたくさんの部族が存在する状況で、あたかも全宇宙を支配するかのように振る舞うコンクラーベ(地球で一般的なコンクラーベとは異なる)。ジョン・ペリー(かつて緑色の肌で戦った老人兵士)とゾーイを含む者たちは、新しいコロニーに入植するが、そこにコンクラーベの魔の手が伸びてくる。さて、この危機をどう乗り越えるか。状況が二転三転するのはエンタメ小説の定石なので、素直にストーリーを堪能しよう。コンクラーベの本当の姿やポリシーに翻弄されながら、先を想像するのが楽しい。さて、本作品は「老人と宇宙」シリーズの完結編となるらしい。とはいえ、続編があるので、引き続き読んでいきたい。
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文字多めかなーと思いましたが、さくさく読めました。
ご老人が宇宙に出てとにかくバトル。ストーリー的にも、頭からっぽにして、突っ込みどころは気軽に突っ込みながら、目の前のシーンを楽しく読んでいると終わるような本。想像がふくらむし、スケールは大きいし、こういう話は好き。
どう考えても老人のメンタリティじゃないっていうか、皆さん完成豊かだなあとか、年齢の割りに精神がヤング。枯れた感じがほんとにないなぁと思うけど、老人要素は「既に一つの人生を終わらせている」という部分で感じればいいかという感じ。
ブレインパルとか、スマートブラッドとか、あのへんのロマンあふれる設定が楽しいです。そこまでやって、やることはあくまで近接戦闘という。そのあたりのバランスが、どきどきしながら読める部分かも。