内田昌之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ウィルスに感染した人が意識はそのままに体が動かなくなる症状に陥った。その状態をロックインと呼び、ロックイン状態になった人は“スリープ”というロボットのようなものに意識を移して日常生活を送る。ロックイン状態の人だけが入れるサイバー空間などもあり、この舞台設定だけで、もう面白い。
ストーリーは殺人事件の捜査であるので、犯人探しがメインとなる。物語の舞台がモロSFなので、捜査方法から犯人の行動が常識では考えられない展開を見せる。純粋なミステリーファンには、もしかしたら受け入れられないストーリーかもしれない。一方でSFファンにとっては、ロボットやらサイバー空間やらは慣れているだろうから、違和感なく物 -
Posted by ブクログ
火星で最下層カーストが最上位に上り詰めるまでの戦いを描いた物語。
最初の方でカースト最下層のレッドである主人公(ダロウ)の妻(イオ)が吊るし首で処刑され、その殺され方はかなり残酷というか哀しいものであった。しかも、そのほぼ直後にダロウも吊るし首の刑に処される。
最初にかなりインパクトがあるお話を持ってこられたので、一気に物語に引きずり込まれた。特に主人公のダロウが吊るし首になった時には、「えっ?! 主人公まで死んでしまってこれからどうなるのだろう」とドキドキしながら読み進んだ。結局、ダロウは死ななかったのだが、それからのストーリーが本書のメインになる。
カースト最下層のレッドを救うため、