内田昌之のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
とにかく面白い! 時間との勝負なところがあって中々ハラハラさせられる。ホーガン得意の規制の厳しい社会主義的アメリカが舞台になってる。ホーガンがいくつもの小説で力説(?)してる【政府のあり方】というのがまさに理想の政治なんだね。政府とは国民を統制したり規制する能動的なものじゃなくて、純粋に受動的な、簡単に云うなら【交差点で渋滞を整理してるお巡りさん】であるべきだという物なんだね。現在の世界で広く信じられてる考え方、【誰かが得をしてる時は別の誰かが損をしてる】っていうのは間違いだと云ってるわけです。力(規制や抑制も一種の暴力だとホーガンは云ってる)では誰も幸福にはなれない。情報を秘匿することで得られる富や権力は、情報を公開することで得られる富には比べられない。などなど。権力に縋って生きている者はもっと権力を持つ者にあっさり切り捨てられてしまう危険があって、その可能性に汲々としなければならないから結局は幸福ではない。とかね。この本の中でホーガンが仏教の【地獄】に簡単に触れてました。あの、極楽と地獄には同じご馳走と箸があるけど、そこにいる者の違いが地獄を地獄たらしめているって奴。
-
Posted by ブクログ
“竜のグリオール”シリーズ唯一の長篇にして最終作(作者死亡のため)。とはいえ、先行する2冊の短篇集はもともと1冊だったものを翻訳出版時に分冊したものなので、実質は2冊しかない。それでもこの特異なシリーズは強い印象を残す。
竜が出てくるファンタジーではあるのだが、全長1マイルにも及ぶ巨竜グリオールは、数千年前に魔法使いによって封印されており動くことができない。人々はこの巨竜をいいように利用している。
本作は過去にも登場したキャラクターを再登場させ、断片的だった物語をすっきりとまとめている。最後に驚愕の展開があるのだが、なんと1行で終わってしまう(笑)。 -
Posted by ブクログ
ChatGPTとオススメのSFを、今までの読書歴やら好き嫌いやらを色々と渡して、出てきた中の一冊。
自分のアンテナが低くて全然知らない作者の著作でした。
恐る恐る読み始めたけど、最初の20ページ位全然乗れなくて、ChatGPTに文句を言うと「あなたの好みのはずだから100ページまで我慢して読め」と言われて、50ページまで行ったら止まらなくなった!
久々に本格SF!
設定はかなり捻っているものの使われてる技術はSF読みにはお馴染みのモノばかり…だったんだけど。だんだん進化して…
想像もしなかったエンディングで楽しかったです。
ちょっと癖が強い部分があるので、読む人を選ぶかも知れませんがオススメです! -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルと表紙絵から「ゴジラ」のパロディだとは思ったが、内容というのが「早期降伏を促す目的で生物兵器として巨大な海獣を作ったものの戦争目的では全く使いものにならず、仕方ないから日本の使節団の前で「海獣の幼体」と偽った着ぐるみを使って日本の大都市のミニチュアをぶっ壊してビビらせよう」という壮大にしてマヌケな作戦の全貌である。
要するにそのミニチュアセットぶっ壊し劇がゴジラ映画(第一作)そのものなのである。
本作はSFと言えばSFなんだろうなー。
ほぼ寝て食ってるだけだが全長500メートル(サイズ間違ってんじゃないの?)の巨大トカゲが出る辺り決して現実の話ではない。
しかし登場人物は揃って頭が悪いと言うかイカれてやがり、綺麗にオチもついちゃってるのでコメディに分類されそうだ。
劇中の日本描写は昔の(今もか)米国人の間違った日本観に基づいているようで「シラズカってどこだよ(もしかして静岡?)」とか「なんで山の中に皇居があるんだよ」とツッコミ所は満載であるが、原爆の惨状に詳しい作者がその事を知らんとも思えないから適度にボカしていると考えるのが妥当だろう。
ちょっと考えさせられるのが本作はこんな出で立ちながら最終的には「反核」のメッセージを含んでいることである。反核の旗手だったゴジラ映画が今や単なる娯楽モンスター映画として「消費」されている現状を日本人として嘆かわしく思う。 -
Posted by ブクログ
キアヌ・リーヴスが原作者であるコミックス「BRZRKR」の世界観をもとに、SF作家チャイナ・ミエヴィルが自由に書き上げたという本作。
わりとキアヌガチ勢なので、内容がどうであれ最後まで読もう、という完全にファンムーブな気持ちで手にとった。
8万年生きる不死の男、B。
脳内では終始キアヌの姿で再生され、個人的にはそれだけでもかなりテンションが上がる。
キアヌを抜きにしても、スケールの大きな神話のような物語に心を掴まれた。
本作は、過去と現在を行き来し、章ごとに時代や場所が飛び回る。加えて、語りの人称も次々に切り替わるため、一気に読まないと、細部を忘れてわけが分からなくなりそう、ではある。
文体にも統一感のない印象があったが、あとがきで過去と現在のパートごとに翻訳者が異なると知って納得。読みにくさも小説の醍醐味、とのことだった。
不死の男Bの謎と、気の遠くなるような長い苦悩の旅。彼を狙う者、利用しようとする者、寄り添おうとする者。
さまざまな思惑が絡み合い、物語が収束していく後半の展開にはワクワクさせられた。
アニメ化・実写化の話も進んでいるそうなので、今後の展開も楽しみ。
-
Posted by ブクログ
1945-2025
8月6日 ヒロシマ
8月9日 ナガサキ
80年の年に、改めて。。。
戦争や被曝で犠牲となられた方へ黙祷。
日本は、取り返しのつかないことをした!!
だから、『ジャップ』と呼ばれても仕方がない!!
そう思いながら読み進めた前半。
正直、読み進めるのが辛い!!と思った!!
ここまで表現しなくても。。。
日本が辛い経験を元に生み出された
アノ火を吹く怪獣!!
なるほど!!
もしかしたら
アノ火を吹く怪獣が、アメリカ陸軍によって先に
生み出されて、日本の戦争を引き起こした重鎮たちを
怖がらせてくれてたら、ヒロシマやナガサキの悲劇は
なかったのかな。。。
改めて、
核兵器の恐ろしさと、
戦争が齎す悲劇、
どうか、
核テロ、
核潜水艦、
第三次世界大戦が起こらないように、
今こそ戦争を知らない私たちが、
こうした本を通じて、
辛い思いをしたのは日本だけではないことを
知ることが大事だと、アノ怪獣が教えてくれた。
たくさんの人に読んでほしい。。。