内田昌之のレビュー一覧
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ネタバレ現代スペースオペラのアンソロジー。スペースオペラとは言うじょう、波乱万丈ではまったくない。
〇イアス・S・バッケル「禅と宇宙船修理技術」ーロボット宇宙船が宇宙戦に生き残った戦争を起こした冷酷な独裁者の救助命令に逆らえないが。
・ユーン・ハ・リー「課外活動」ー七連合王国もの
〇アーカディ・マーティーン「あなたが王だと思っていたすべての色」ー女王のクローンが女王との決闘に臨み反逆を企てる。
〇アレステア・レナルズ「ベラドンナの夜」20万年周期で銀河を周回し記念イベントを行うが、実は種族は滅びている。哀愁漂う
・T・キングフィッシャー「金属は暗闇の血のごとく」
・チャーリー・ジェーン・アンダーズ「時空の一時的困惑」ーカルト惑星に侵入し盗みを企てる。ハチャメチャ喜劇
〇アリエット・ド・ボダール「包囊」ー母惑星から独立した宇宙ステーション人は母惑星の文化を装うため包囊を身に着ける。ベトナム系フランス女性作家の作品
・セス・ディキンソン「モリガン、光へと落ちる」)
〇ラヴィ・ティドハー「背教者たち」ーユダヤ教の背教者を探るため派遣された裁定者が背教し。
〇ベッキー・チェンバーズ「善き異端者」ーウィルスが寄生し超空間ナビゲート能力を得るが、共生がうまくいかずに。
〇アーニャ・ジョアンナ・デニーロ「クイーンズスロートへの旅路」ーMTFらによる女権帝国に対し男権主義者が反乱を起こし一時は帝国は滅亡しMTF狩が始まるが。
・アン・レッキー「審判」
〇サム・J・ミラー「惑星執着者」ー故郷の惑星へのゲートが閉じてしまい宇宙を放浪する男娼が武器商人と会い故郷の通貨を見つける
・カリン・ティドベック「スキーズブラズニルの最後の旅」 -
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一見、奇妙なタイトルに思えますが、原題は “SHAMBLING TOWARDS HIROSHIMA”。ほぼ直訳です。
舞台は第二次世界大戦末期。戦争の早期終結を狙うアメリカ軍は、火を噴く全長400メートルの巨大爬虫類という、後の「ゴジラ」を彷彿とさせる生物兵器を開発したものの、コントロール不能に陥ります。そこで軍は、着ぐるみを着た役者が日本の都市のミニチュアを破壊する特撮映像を日本の外交団に見せつけ、戦意を喪失させようと画策。その大役に選ばれたのが、B級モンスター映画界のスターである主人公でした。
作中には大量のアメリカンジョークが散りばめられているようですが、日本人の私にはピンと来ない部分も多くあります。また、架空の人物に混じって実在の映画人が登場するのですが、その判別が難しいのも難点です。これは、日本の小説に「エノケン」や「アラカン」が登場しても、現代のアメリカ人にはその文脈が伝わらないのと同様で、元ネタを知らないもどかしさを感じます。
しかし、終盤で物語は一気にヒューマニズムの方向へと舵を切ります。設定こそハチャメチャですが、本作がシオドア・スタージョン記念賞を受賞した実力派のSF小説たる所以はここにあるのでしょう。
生物兵器による脅しが失敗し、並行して開発されていた「原爆」が投下される――。その惨状を知った主人公は反核運動に身を投じ、講演会で悲惨さを訴え続けます。投下直後の広島の様子も非常に正確に描写されており、この最後の数十ページをアメリカ国内で出版したこと自体に、深い意義を感じさせる作品です。
ちなみに、戦前のアメリカには『キングコング』はありましたが、ゴジラのようなキャラクターは存在しませんでした。日本のゴジラは放射能の影響を受けた「核の落とし子」ですが、本作はその構図を逆手に取り、「核以前の世界に、もしゴジラ的な生物兵器が存在していたら?」という設定にしたのもなかなかに面白く。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作と似た感じで別の宇宙が舞台。
前作でもそうだったが、マルチヴァースの話はイメージが難しいうえにそこに行くための技術も説明されてはいるんだけど正直全然分からない。分からないながらも(分かってないから?)シリーズ他作品と比べると色々突っ込み所はあったように感じた。
また、後半の第二部になってからミッションが始まるのでミッション自体はやや駆け足な感じがした。
ショウムとミルドレッドの会話はきっとシリーズを通じて筆者が一つのテーマにしていたことなのかなと思ったしそもそもの始まりのミネルヴァをハントたちが救うというのはシリーズの完結編として面白かった。
ゾラックが壊れたところは悲しかったので復活して良かった。
前半三部作と比べ最後の二作は評価が割れるのも分かる気はするが、個人的にはシリーズとしてとても面白かったので最後まで読んでみて満足だった。 -
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アメリカン・ジョークが、くどい。くど過ぎる(苦笑)
第一印象から申し上げると、思ってたのとかなり違う作品でした。でも、ジョン・スコルジー初読なのでそう思ったんだと思います。もともと軽めの作風の作家さんみたいですね。
とにかくアメリカン・ジョークの嵐で、多くの登場人物の会話のキャッチボールの合間に話が進む感じで、でももたつき感はなくサクサクと話が進んで、わかりやすい悪役が登場して、予想通りの結末に落ち着く、と。一流の娯楽作です。
SFの世界設定としては結構な大技をかましているんですけど、その辺は割と適当な説明でサラッと流していて、スコルジーが全力を注いでいるのは、怪獣です。恐竜でもモンスターでも巨大生物でもなく、あの「怪獣」。初代ゴジラの設定をうまく活かして、地球人類がこの世界の怪獣たちを保護する必要性や、有機生物であるはずの怪獣が何故か熱線を吐く理由とか(笑)なるほどなーと思わせる仕組みが上手い。スコルジーの怪獣愛を、ひしひしと感じます。
大仰な装丁とタイトルですが、中身はライトなエンターテインメントですので、帰省時の新幹線の車内などで、適当に時間を潰したい時などにはうってつけ。あ、でも、装丁はハードカバー版の方がカッコよくて好きだなー。 -
Posted by ブクログ
先の大戦末期、原爆開発に邁進する米国陸軍に対し、海軍は巨大生物兵器、火焔を吐く爬虫類の開発を進めていた。
要は、ゴジラ。
開発に成功したはいいけど、どうにもコントロール出来そうにないので、着ぐるみを作ってそれが街のミニチュアを壊すところを日本人に見せて、戦意を喪失させようという計画を立案する。
要は、ゴジラの撮影現場を見せて、戦意喪失させようという。
もっとも、当然日本人には本物の小型ものだと思わせてなのだが。
本気なのか真面目なのか分からない設定なのだが、話は予想外に重い。がちにゴジラと核を描いていた。
それはそうなのだが、こう言う荒唐無稽な設定であれば、もっと真面目な主人公の設定と、重厚な展開を備えた方が面白かったのではないかと感じた。作者がそう言うタイプではなさそうなのだが、ちょっと勿体無い気がした。 -
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うーーーーん。いまいち楽しめんかった。
多元宇宙もの。
巨人たちの星で過去に飛ばされて輪廻に閉じ込められたという終り方だったのを、そこに多元宇宙を持ってきた。
チューリアンを閉じ込めようとしたジェヴレン人が別の閉じ込められ方をしたと言うそこが良かったのだけど、正直、孫悟空が新たな敵と戦っていくような、少年ジャンプ的な展開と受け止めた。
まず、多元宇宙を説明する理論が全く頭に入らない。そこと行き来する説明が、全く記憶に残らない。
星を継ぐ者から巨人たちの星はハードSFでありながら、ページを捲り返すような難しいSF設定を必要とせずぐんぐん読めた気がするのだけど、その後の2作は、がっつり後戻りしてそれでもなんだっけ的な、数字の多いブルーバックスのような印象だ。
その理論展開、とうとうイラスト付きとなってしまう。
それで巻の半分。
まあいいや、とにかく設定は設定として置いといてその先のドラマへ、と思ったのだけど、ここが分量的にも内容的にもさほどではない。もちろん、ハラドキはあるのだが、このシリーズに期待する、おおお、そっちから来たか!と言うような高揚感を感じぬまま、安っぽいスペオペのようになってしまった。
最後はどうにもそれでいいんかというあまり伏線のない、やっぱり少年ジャンプ的な実はこうだったのだって設定を持ってきた。
いやー、個人的には、やっぱり最初の三部作で完結でいいな。
多元宇宙のうちの一個の未来を救ったとして、それで終わりかい。しかもその宇宙を救うために、トラブルの根源を他の宇宙に押し付けた。
同じような解決を試していた他の宇宙の主人公たちもたくさんいるとは思うのだが、そもそも、手を突っ込んだ世界がその先どう言うふうになっていくのか、誰にもわからない。未来を救ったのだと言うのは、安直すぎる。
なんだかなあ。
やったらあかんことをやったような気がする。登場人物たちが。
科学者が科学的発見を突き詰めて日本人を虐殺する結果になってしまったような。
ちょっと気持ち悪い話に終わってしまった気がした。