内田昌之のレビュー一覧
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ネタバレ前作同様、ねっとりとした筆致で描かれる圧倒的な世界観。今作を鴨がSFとして評価するのはこれも前作同様、「世界の変容」を描いているからです。鴨的に、SFとは物の考え方や世界の見え方を根底から揺さぶる、「変容」を描く文学だと思っています。それが科学的な変容でも、社会的な変容でも、一個人の価値観の変容でも、揺さぶる幅が大きければSFたりうる、と定義しています。そういう視点において、グリオールの思念が世界に影響を与えるこの作品は、まさにSFです。
前作との大きな違いは、前作では物語の世界観を形成するバックグラウンドの立ち位置にあったグリオールが、今作では思いっきり「主要キャラ」として生き生きと動き回 -
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ネタバレ凡作。読める文章ではあるが、面白くない。
タイトルからすごくワクワクしたのに、期待外れだ!
と星1をつけないだけマシだと思っていただきたい。
純文学という装いで提示されたら、別の評価をする。
『エンタメ』として提示されたら、精々が凡作。と言うよりほかはない。
具体的に評価できないポイントは『キャラクター』と『筋立て』の2点。
・キャラクターの描写が、ワークショップで習った技法なりに頑張ってるんであろうけど、血肉の通った人として読み取れない。外見以外の表現が、常に第三者視点であり、キャラがでてこない。
・キャラクターの内面の変化や人格が、訳文で読む限りにおいて、『作者が神の/現代人的な視点 -
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ネタバレ表紙とタイトルで珍しく海外ファンタジーに手を出してみたけど、翻訳モノってセンスのズレが言語のせいなのか訳者のせいなのか解らなくてなんとも…
稀代の魔法使いと相討ちになり、生命を維持する以外の活動を停止している巨大な竜。殆ど大地と一体化しているその身体の周辺には街が出来…と云う設定勝ちなところはある。
或いはこの物語そのものがグリオールによって書かされている可能性だって見えてくる。解説にあるように、暗喩としては社会体制であるとかを踏まえて書かれているんだろうけれど、そういった状況が果たして良くないものばかりを生み出すと決まっているかと云われるとなんとも云えないわけで。
しかし現代ファンタジー、 -
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ネタバレ紛争調停人のキーラン・セインは、休暇で火星を訪れた。ギネスを伴って。彼は彼の親友。黒色のドーベルマンとラブラドールの血を継いでいた。ジューンのアパートに腰を落ち着いたキーランは、クアントニックスのテレポーテーション技術の実験の結果を聞いていた。今度は開発者自身が被験者になったという。そして成功したと。でもそれはオリジナルがコピーされたので失敗はないとのことだった。キーランは驚いた。オリジナルのコピーがいるのだと。それは問題にはならないのだろうか?久しぶりのホーガンだ。火星に巨石遺跡だって!でもなかなか巨石遺跡にはお目にかかれない。ようやく第二部で出てきたけど。どうも脇役のような感じ。それに最後
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ルーシャス・シェパードの書いた、巨大な竜であるグリオールを中心に動く世界に生きる人間たちの物語を、全7作品中4作品集めた短編集。
後半になるほど面白くなっていく、スルメ作品だなっていうのが素直な感想。故に後半2作は本当に面白かったし、文章の書かれ方も大分変っていたように思う。冒険譚のようなものではないけど、ファンタジーの世界で生きる、巨大な竜に突き動かされる世界で生きる、人間味があったり、とてつもない存在だったり、闇が深かったり、キャラクターたちが繰り出すそれぞれの物語はとても魅力的だった。
自分自身もグリオールに、この本を読むことを強制されているのかもしれない。 -
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ジョン・スコルジーのヒューゴー賞、ローカス賞受賞の本書は、奇抜な設定で楽しませてくれる異質のスペース・オペラ。
銀河連邦の新任少尉ダールは、旗艦イントレピッド号に配属される。憧れの宇宙艦隊に勤しむダールは配属されて間もなく、奇妙なことに気付く。彼の上司や先輩は、艦長アバナーシーをはじめとする上級仕官に会おうとせず、彼らから常に身を隠すのだ。次第に明らかになるクルーの死亡率の高さと絶対に死なない上級士官…ダールとその新人仲間は得体の知れないミステリーを解き明かそうとするが…
ということで、本書は「スター・トレック」を題材とした作品のようで、物語の様々な箇所でネタが散りばめられているとか。そも -
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『最後の星戦』を娘のゾーイの視点から描いたもの。『最後の星戦』では描かれていない部分があり、ぼやけていた部分が鮮明に見えるようになる感じで、これはこれでおもしろい。
ゾーイは遺伝子的にも生育環境的にもエリートで、パワフルでたくましい。だけどこれだとワンダーウーマンなんだよね。出来過ぎちゃん大活躍の話になっていて、ティーンの女の子視点のおもしろさはあまり感じられませんでした。
本編には関係ないけど表紙イラストも話のイメージと違う。『老人と宇宙』の緑色の皮膚の人間のイラストは説得力があるんだけど、こちらはあまりにも不自然な格好で萎える。象のペンダントをしているとか、ペットの犬を一緒に描くとか、もう -
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新三部作の第一作。揺籃(ようらん)=ゆりかごですから、次はどうなるのでしょうか。
久々のホーガンの新作という気がします。それもかつてのガニメデ三部作の路線です。期待して読み始めました。しかし・・・。
なんかちょっと違います。恐竜の謎、旧約聖書の記述の謎など「らしい」所もあるのですが、後半は良くある彗星の地球衝突のディザスター小説です。それも凄惨さばかりが表に出てホーガンらしくありません。
もともとホーガンという人は、科学的であるより、物語の面白さを優先する人で、むしろ私はそれが好きなのですが、今回はちょっとね。肝心の彗星発生のメカニズムも描けてないし・・。
なんだか少々消化不良。でも、