佐藤究のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ始めは登場人物が多くそれぞれのバックグラウンドやメキシコ、アステカ文化などのエピソードが、視点を変えつつ語られていくのでなかなか話に乗っていけずにいました。
でも、それぞれの登場人物が、関わり始めてからはまあ面白い!!
この為に丁寧に一人ひとり書いてくれてたんですねって感じでした。
その中でも望んでいないのに才能があったためにどんどん巻き込まれていくパブロ。
本当に不憫でした。
自分の信じる正しさに背く行為を受け入れてしまった弱い部分、汚い部分を、コシモに知られたくなかったのでしょうが、そうこうしていくうちにそれ以上の恐ろしい行いをさせられるようになったコシモに対して、カヌーの上で聞かせた聖書の一節。
宗教ってこう言うふうにどうしようもなくなった時に支えになるものなんでしょうね。
まあ宗教観は人それぞれですが、生贄にはされたくないな。
アステカの人々は神への捧げ物として喜んで生贄になったのかな。生きたまま心臓を抜かれて首を切り落とされるって相当怖いです。
私は末永の裏切りやコシモが順太と話して感じたバロミアへの不信感やパブロの言葉がなかったら、コシモはバロミアにテスカトリポカとして大事にされた後、見えもさわれもしない存在に返さなければ、ということで殺されたんじゃないかと勝手に想像していました。
コシモには明るい未来は来ないとは思いますが、順太も含めどうかたくさんの幸せを感じる瞬間があって欲しいと願います。 -
Posted by ブクログ
まず三島由紀夫を読むべきだったと後悔。
読み落としてしまっている箇所が多数あるだろうなぁと感じつつ、考えさせられたのは「護国」について。
透と同じく私は「護国」という感覚がよくわからない。
今の世の中は、まさに「護国を成り立たせるために敵が必要だ」みたいに見える。国を守るためにハイテク戦闘機の開発に躍起になり、国を守るために巨額の防衛費が積まれる。
ってか何から国を守るの?敵って誰のこと?戦争するの?誰が戦わされるの?犠牲になるのは?何のため?という永遠の?ループに陥る。
戦後生まれで日本という平和な環境で育った世代にとって、護国だの戦闘機だのに意義を持たせることは難しく、現実味を帯びていない。お国のために戦った神風特攻隊よりも、爆速航空機に魅了され、自己の欲求を実現するために生き抜いた姿の方がよっぽど納得がいく。
私たちはお国のために生きてるんじゃない。誰一人として犠牲にしたくない。お偉いさんたちはそれをわかっているのかな。