佐藤究のレビュー一覧

  • 爆発物処理班の遭遇したスピン

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    ネタバレ

    どのお話も(主人公にとって)未知の存在に相対するので顛末が予想できず、短編でありながら一つ一つの作品の読み応えが重厚。

    水族館や動物園でみる身近な生物がこんな悍ましいピースになるのか、とゾッとする作品が多い。先んじて『Ank:』を読んでいたこともあり、人外生物は佐藤氏のアイデアを掻き立てる重要なモティーフの一つなのかな、と感じた。

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    2026年07月20日
  • QJKJQ

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    私の乏しい読書体験の中でではあるが、ミステリというものの最高傑作と言いたい作品と出会った。それが本作だ。ミステリに必要なものは読者に対する裏切り、大どんでん返しであるが、本作は他のどの作品とも比べられない所が覆される。ミステリの型というようなものに嫌気がさしていた私を虜にしてくれた。それほど根本からひっくり返された。すべてが伏線になっており、再度読み返したくなる不思議な感覚は、まさしく作者の世界に迷い込んだようであった。世界観は終始ダークでアンダーグラウンドな雰囲気で好きな人はそこも楽しめる。こういう展開もできるのかと、ミステリというものの可能性を見せてくれる一冊だった。

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    2026年07月14日
  • 幽玄F

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    主人公は空と飛行機が大好きで、そのためだけに人生を捧げるような人物。
    寡黙で目的のためなら努力するが、心のうちはあまり描かれないので、途中なぜこんなことをするのかは読者の想像力に一任される。

    三島由紀夫についてはテレビで特集を見たり、いくつか本を読んだくらいなので、この本との関連について語れるほど詳しくはないけど、
    何となく生き様や、何を考えているのか分からないところが似ているのかなと思った。

    街並み、空、戦闘機を飛ばしている時の描写が見事で、惹き込まれるように読んだ。

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    2026年07月13日
  • トライロバレット

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    買った時、佐藤究の本なのに表紙があんまりかっこよくないと思っていたんだけど、読み終わった途端かっこいいと思えたし、こうあるべきだと感じる。
    ちょっと結末まで駆け足だったかと思うところもあるけど、それは長く読みたいと思わせる物語だったからかな〜
    私は古生物に興味を持ってるから描写が直感的に伝わってきたけどそうでなくても不気味で面白く感じるんだろうか。
    あと、寡黙な背の高い男性を描くのが巧い。出るだけでワクワクしてしまう。
    またサクッと読めるのも書いてほしい。

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    2026年07月04日
  • テスカトリポカ

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    面白かった。
    メキシコ麻薬カルテルの生き残りと日本の闇医者が手を組む、臓器売買の容赦なきクライムノベル。裏社会のリアルな生々しさと、アステカ文明の生贄儀式が融合した独特の恐怖感がある。個性が立ちまくった登場人物たちが、パズルのピースのように物語にハマっているのも見事。終盤のスピード感と回収の鮮やかさは凄まじい。ラストは混沌のなかに救いもあり、読後の満足感が高かった。

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    2026年06月30日
  • Ank : a mirroring ape

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    「QJKJQ」に続き、究作品二作目。いやはや、この作品もヤバかった…。さすが新たなピラミッド制作者(?)になろうとしている人は違うね。こんな作品読んだことない。テーマも壮大すぎて・・ただただ圧倒されるっ!!!
    冗談抜きに、ヒトとして生まれたからには絶対に読むべき作品。星五つ、パーフェクト。

    追伸。表紙がH×Hのあるシーンに酷似していると感じるのは気のせいではないだろう…。

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    2026年06月28日
  • テスカトリポカ

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    ビジネスという言葉がどこかファッショナブルに使われ、まるでそれらの言葉を口にすることが「一人前の大人」の証左であるかのように振る舞う人は星の数ほどいる。しかし、その人たちが大好きな資本主義と、心臓を抉り出して神に捧げるようなアステカの儀式が双子のような相似形を持っているとは、どれほどの人が了解しているだろう。
    そのことを誰よりも深く了解した主人公の1人バルミロが、その「ビジネス」を遂行していく様はまるで敏腕起業家のそれで、着々とビジネスモデルが構築されていく様子はひたすらに恐ろしい。そうして構築が完了してしまったが最期、苦痛と絶望の物語がシステマティックに進行していく。
    あまりに暴力的な小説で

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    2026年06月27日
  • テスカトリポカ

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    2021年上半期直木賞受賞作
    メキシコのカルテル(麻薬密売組織)とコンキスタドール(征服者)に滅ぼされたアステカの話が絡み合う暴力と闇の話

    とにかく長い。文庫本2冊分のボリューム。
    でも飽きない、圧倒的な情報量だけど全てを理解しなくても繋がる。
    残虐さとモラルのカケラもない暴力の世界がアステカの儀式を絡めることで神秘性すら漂う。

    好きだなこーいうの

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    2026年06月27日
  • トライロバレット

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    海外作品を読んでいる感覚で最後まで読めた。
    最後の20ページでの疾走感がよく、これまでの話が全てつながる感じが心地よく感じられた。
    読み終えたあとに読んで良かったという気持ちになった。

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    2026年06月26日
  • 爆発物処理班の遭遇したスピン

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    短編集です。
    どの話も神ががって面白いです。
    映画を何本もみたような満足感があり、小説でこの感覚を体験できることに感動しました。

    作者の持っている魅力的なテイストが余すところなく詰め込まれています。
    すべての要素が重厚で、緊迫感があります。
    刺激的なテーマに目が行きますが、1番の魅力は物語の完成度です。物語の組み立てが見せ場に向けて緻密に誘導する形になっているので、満足度がすごく深いです。

    テスカトリポカ、Ankなど長編に手を出すのを躊躇してる人はまずこれを読むといいと思います。
    全て面白かったですが、ジェリーウォーカー、爆発物処理班の遭遇したスピン、スマイルヘッズが特に面白かったです。

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    2026年07月20日
  • テスカトリポカ 3

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    ネタバレ

    とうとうコシモ登場。

    長身長髪の厳つい見た目ながら子供らしい表情をするコシモに心を掴まれた。

    次の巻はいつ出るのかな、待ちきれない。

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    2026年06月21日
  • テスカトリポカ

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    素晴らしいメジャー級のノワール小説でした!長年のファンとしては佐藤さんの作品が評価されてきてとても嬉しい。

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    2026年06月09日
  • テスカトリポカ

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    おもしろそうで買ったけど、グロいって感想を見て&分厚さで敬遠しちゃって長らく積読。
    でもちょっと刺激的な本が読みたいな〜と思って読みました。
    もうとにかくグロい。し、長い。のですが、中毒みたいにひまを見つけては読んでました。最高だった…!!
    サクサク人は殺されるし、殺し方がグロすぎる。でもアステカ神話と絡み合って始まるビジネスの世界にどんどん引き込まれていき、もう面白すぎる!文章もすごく好きだった。
    これどうやって終われるんだろう?とずっと気になっていたけど、個人的にはラストもすごく好きでした。
    最後の参考文献の多さに驚いた。すごく勉強をして書かれたんだろうな。本当にあった話じゃないの

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    2026年06月06日
  • テスカトリポカ

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    日本の資本主義の弱いとこを外国から来たギャングが悪用する話でした。
    出てくるアステカ文化の用語はとあるゲームのおかげで知ってるものばかりでした

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    2026年06月06日
  • テスカトリポカ 1

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    ネタバレ

    家族が殺された瞬間から復讐の月日が始まる。
    俺の神な罪を許す神ではない。地獄をも超越する戦いの神。
    夜と風。我らは彼の奴隷。
    煙を吐く鏡(テスカトリポカ)。

    マフィアから逃げる主人公。エル・ボルボ。
    容赦なく一般人も殺す。

    写真で探すマフィア。
    似たような格好のやつが多すぎる。

    この格好で来るのが亡命の条件とSNSだ流した。

    神に心臓と顔をささげる。
    かつての仲間の心臓をえぐり出して、口の中に詰める。どうせ、あとでマフィアにみつかって、拷問されて自分の行き先をばらされることになるので、殺す。

    液体窒素で腕を凍らせて、ハンマーで殴ってくだけさせる。
    主人公と思えぬ容赦なさがすごい。

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    2026年05月30日
  • テスカトリポカ

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    リアリティの追及され尽くした本だ。設定があまりに凝っていてまずそこに圧倒される。読み進めるうちにそれぞれの話がつながりをみせ始めるというのはありきたりな展開であるかもしれないが、そのスムーズさのおかげでかとても自然だ。神話を扱うということはその世界観そのものを背負い込むということだがそれが非常にわかりやすくまとめられていてここでも圧倒的な読みやすさを感じる。やはり読みやすさが本作は段違いであると振り返って実感する。ダークな世界観や多少のグロテスクな描写にやはり好みは別れるかもしれないがそういったものを特に嫌わない人であれば是非この世界観に触れてみてほしい

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    2026年05月31日
  • テスカトリポカ

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    ネタバレ

    クライムノベルをあまり読んだ事がなかったけど面白くて夢中で読んでしまった。
    異邦の神と血に塗れた密儀、容赦なく降り注ぐ暴力が全編に渡って濃密に描かれる。恐ろしくも次は何をするのか目が離せない野心的なマフィアのバルテロ、暴を宿した巨躯と子供のような純粋さを併せ持つコシモ、自らの手腕だけを誇り心臓を取り上げ続けるリアリスト末永など、登場人物は全員自分の近くにいて欲しくないのに魅力的なキャラクターだった。
    それぞれの信仰の物語であり、皆が信仰に依って暴力や血を介して儀式を行使し続ける物語であり、読みながら自分も自分の持つ理性や倫理観に何度も救いを求めるような気持ちになった。

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    2026年04月27日
  • テスカトリポカ

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    ネタバレ

    純粋さと生まれついての強さ、孤独が故に巨大な闇に巻き込まれていくコシモ、金と権力への巨大欲求を持つ末次、善性に支配されて疑うことをしないままに巻き込まれていく矢鈴、もう一度脳外科医として闇でも構わないから返り咲きたいという用を持つ野村、といった異なる背景を持つ人物がメキシコから逃げてきたナルコ、バルミロのもとに集う。
    ラストのコシモVSバルミロのバトルは情景がありありと浮かび思わず息を呑んだ。

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    2026年04月22日
  • Ank : a mirroring ape

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    ネタバレ

    今まで読んだ佐藤究作品の中で一番好きです。
    実際の進化学とは違うにしろ、とにかく説明の説得力が凄い。やや残虐なシーンが多いですが、淡々と開示される悲惨な記録と暴動収束へ奔走する主人公たちとの対比、ラストへの駆け抜け方が最高でした。読み終わった後、何故か切ない気持ちになる不思議な作品です。

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    2026年04月21日
  • トライロバレット

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    帯に書かれている、「新たなヒーロー」に引き込まれて購入。暗くて重たくて病的で社会的なヒーロー小説。正直、最高です。脳みそに刺さりまくりました。

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    2026年04月05日