佐藤究のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私の乏しい読書体験の中でではあるが、ミステリというものの最高傑作と言いたい作品と出会った。それが本作だ。ミステリに必要なものは読者に対する裏切り、大どんでん返しであるが、本作は他のどの作品とも比べられない所が覆される。ミステリの型というようなものに嫌気がさしていた私を虜にしてくれた。それほど根本からひっくり返された。すべてが伏線になっており、再度読み返したくなる不思議な感覚は、まさしく作者の世界に迷い込んだようであった。世界観は終始ダークでアンダーグラウンドな雰囲気で好きな人はそこも楽しめる。こういう展開もできるのかと、ミステリというものの可能性を見せてくれる一冊だった。
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Posted by ブクログ
ビジネスという言葉がどこかファッショナブルに使われ、まるでそれらの言葉を口にすることが「一人前の大人」の証左であるかのように振る舞う人は星の数ほどいる。しかし、その人たちが大好きな資本主義と、心臓を抉り出して神に捧げるようなアステカの儀式が双子のような相似形を持っているとは、どれほどの人が了解しているだろう。
そのことを誰よりも深く了解した主人公の1人バルミロが、その「ビジネス」を遂行していく様はまるで敏腕起業家のそれで、着々とビジネスモデルが構築されていく様子はひたすらに恐ろしい。そうして構築が完了してしまったが最期、苦痛と絶望の物語がシステマティックに進行していく。
あまりに暴力的な小説で -
Posted by ブクログ
短編集です。
どの話も神ががって面白いです。
映画を何本もみたような満足感があり、小説でこの感覚を体験できることに感動しました。
作者の持っている魅力的なテイストが余すところなく詰め込まれています。
すべての要素が重厚で、緊迫感があります。
刺激的なテーマに目が行きますが、1番の魅力は物語の完成度です。物語の組み立てが見せ場に向けて緻密に誘導する形になっているので、満足度がすごく深いです。
テスカトリポカ、Ankなど長編に手を出すのを躊躇してる人はまずこれを読むといいと思います。
全て面白かったですが、ジェリーウォーカー、爆発物処理班の遭遇したスピン、スマイルヘッズが特に面白かったです。 -
Posted by ブクログ
おもしろそうで買ったけど、グロいって感想を見て&分厚さで敬遠しちゃって長らく積読。
でもちょっと刺激的な本が読みたいな〜と思って読みました。
もうとにかくグロい。し、長い。のですが、中毒みたいにひまを見つけては読んでました。最高だった…!!
サクサク人は殺されるし、殺し方がグロすぎる。でもアステカ神話と絡み合って始まるビジネスの世界にどんどん引き込まれていき、もう面白すぎる!文章もすごく好きだった。
これどうやって終われるんだろう?とずっと気になっていたけど、個人的にはラストもすごく好きでした。
最後の参考文献の多さに驚いた。すごく勉強をして書かれたんだろうな。本当にあった話じゃないの -
Posted by ブクログ
ネタバレ家族が殺された瞬間から復讐の月日が始まる。
俺の神な罪を許す神ではない。地獄をも超越する戦いの神。
夜と風。我らは彼の奴隷。
煙を吐く鏡(テスカトリポカ)。
マフィアから逃げる主人公。エル・ボルボ。
容赦なく一般人も殺す。
写真で探すマフィア。
似たような格好のやつが多すぎる。
この格好で来るのが亡命の条件とSNSだ流した。
神に心臓と顔をささげる。
かつての仲間の心臓をえぐり出して、口の中に詰める。どうせ、あとでマフィアにみつかって、拷問されて自分の行き先をばらされることになるので、殺す。
液体窒素で腕を凍らせて、ハンマーで殴ってくだけさせる。
主人公と思えぬ容赦なさがすごい。
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Posted by ブクログ
リアリティの追及され尽くした本だ。設定があまりに凝っていてまずそこに圧倒される。読み進めるうちにそれぞれの話がつながりをみせ始めるというのはありきたりな展開であるかもしれないが、そのスムーズさのおかげでかとても自然だ。神話を扱うということはその世界観そのものを背負い込むということだがそれが非常にわかりやすくまとめられていてここでも圧倒的な読みやすさを感じる。やはり読みやすさが本作は段違いであると振り返って実感する。ダークな世界観や多少のグロテスクな描写にやはり好みは別れるかもしれないがそういったものを特に嫌わない人であれば是非この世界観に触れてみてほしい
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Posted by ブクログ
ネタバレクライムノベルをあまり読んだ事がなかったけど面白くて夢中で読んでしまった。
異邦の神と血に塗れた密儀、容赦なく降り注ぐ暴力が全編に渡って濃密に描かれる。恐ろしくも次は何をするのか目が離せない野心的なマフィアのバルテロ、暴を宿した巨躯と子供のような純粋さを併せ持つコシモ、自らの手腕だけを誇り心臓を取り上げ続けるリアリスト末永など、登場人物は全員自分の近くにいて欲しくないのに魅力的なキャラクターだった。
それぞれの信仰の物語であり、皆が信仰に依って暴力や血を介して儀式を行使し続ける物語であり、読みながら自分も自分の持つ理性や倫理観に何度も救いを求めるような気持ちになった。