佐藤究のレビュー一覧

  • 幽玄F

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    戦闘機または音速、それとも"ナニカ"に取り憑かれてしまった天才パイロットのトップガンマーヴェリックとは真逆を攻める波瀾万丈にも程がある狂気的な物語の着地に考察が捗る。
    圧倒的な情報量とディテール、あらゆる価値観にカルチャーが混沌する世界観は安定の佐藤究スタイルで読み応えは抜群。

    突き抜ける美学を感じる。格好良き!


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    2025年02月06日
  • Ank : a mirroring ape

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    テスカトリポカが興味深かったので、読みました。テスカトリポカとは全く別のジャンルでしたが、非常に面白かったです。

    生物の進化の分岐について割と興味あったので、私自身には非常に刺さる内容でした。特にこの解釈のアイディアが凄かったです。

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    2025年01月19日
  • Ank : a mirroring ape

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    暴動、人と人が殺し合う、その原因は、チンパンジー。科学、生物学、AI、様々な側面から、京都暴動に至った原因、背景に迫っていく。
    とても、楽しめた作品です。

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    2025年01月08日
  • 公式トリビュートブック 『チ。 -地球の運動について-』 第Q集

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    原作を読んで、わからなかったことが少し整理できたか。
    まだわからないことも多いが、単なる地動説の異端審判物ではないことを理解する。

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    2025年01月02日
  • Ank : a mirroring ape

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    これは読む順番が悪かった。
    テスカトリポカでどハマりして、似たようなテイストを求めて手に取った。
    文句なしに面白かったんだけど、ちょっとだけスケールの面で前作に目劣りした気がする。個人の捉え方の問題の気がするけど。

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    2024年12月29日
  • QJKJQ

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    ネタバレ

    前半すごく引き込まれて謎解きに必死だったが、後半以降の種明かしでは想像以上の壮大さに一瞬困惑してしまった。一度ではなく何度も読んで腑に落ちるのかなと感じた。
    理解しきれなかった仕掛け(?)について作者と語りたい!

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    2024年12月25日
  • Ank : a mirroring ape

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    猿と霊長類の差は自己認識能力の有無によるものなんじゃないの?という観点で人間の言語の源流を研究する、という趣旨の話。
    水面に映る自分を自分として認識しつつ、虚像であることも理解する、というハードルを越えることで自他、前後左右という概念が生まれてそれが言語につながったのではという説。自分では思いつくはずのない考え方でかなり面白い。ロジックの土台がしっかりしていて明確なので、専門外でも楽しく読める。

    SFもので昔と今と未来が繋がって視認できる系の描写、毎回よくわからなくて置いてけぼりになってしまう。ノーラン映画でよく考えていた。そんなこと本当にあり得る…?

    京都の人間が暴徒化して見境なく殺し合

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    2024年12月03日
  • 幽玄F

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    「幽玄F」(佐藤究)を読んだ。

    〈三島由紀夫作品をモチーフに〉とあったので、私の中での食わず嫌いのビッグネームの筆頭が三島由紀夫であることを鑑みればなかなか手が出ないのも宜なるかな。なのである。

    まあ最後まで一気に読んだので面白いのかと問われれば面白いって答える。

    三島由紀夫思想が前面に出て鼻につくということは全くなくてというか私は気づかないまま戦闘機の描写に驚いているうちにラストを迎えていた。
    まあ主人公は何かしらの矜持を貫いたとなと頷く。

    物語の舞台がバングラデシュに移ってからの展開がマジか!?と唸る。

    やっぱり感想としては〈面白い!〉でいいんだろうと思う。

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    2024年11月21日
  • 幽玄F

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    ネタバレ

    戦闘機の速さに魅入られた男、易永透。最初は天才パイロットの成功小説かと思っていたが、そこは佐藤究氏。そんなもので終わるはずがない。舞台は日本、タイ、バングラデシュへと移り、不思議な物語へと誘われていく。
    三島由紀夫の豊饒の海シリーズ、「暁の寺」「天人五衰」がモチーフになっている。昔、通読した際に、ちんぷんかんぷんで空気感だけは味わった記憶が蘇ってきた。
    輪廻転生、ウロボロスの蛇、真言宗の経文、死と生の境界線、空の青…。
    ラストがいい。
    狂っている。でも透が本望を遂げて光になったその先は…。おそらく昇華し生まれ変わったに違いない。悲しみは無く、達成感に包まれるむしろ幸福を感じる読後感となった。

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    2024年11月17日
  • 公式トリビュートブック 『チ。 -地球の運動について-』 第Q集

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    漫画を一気に大人買いして一夜漬けで読んでから、完全にファンなので、こちらも手を出してみました。漫画を他角度から掘り下げる企画は面白いし、改めて作者さんの構想の凄さが滲み出ていました。

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    2024年11月13日
  • 幽玄F

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    ネタバレ

    アナーキー!
    佐藤究さんの作品の割には、暴力が暴力を呼ぶような描写は出てこないな……と思いましたが、やってることはどこまでも純粋なのに、本当に周囲も世界も自身の願い以外どうなってもよい、という突き抜け方は半端なかったです。
    漫画とかではありそうな話ですが、それらより世界観がリアルなので、余計に戦争とか貧困とか、ピリついた国同士の事情など影の部分が見えてきて、主人公の行動がどんな結果を招くかということが、否応にも意識させられます。
    だけど、本当に自由に空を駆けていくときの瑞々しく澄み切った描写、果ては撃ち落とされた時の神々しさすら感じられる描写によって、一種の爽やかさすら感じました。

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    2024年11月12日
  • 幽玄F

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    ネタバレ

    小さな頃から飛行機に憧れて、ついには戦闘機のパイロットとなった易永透(やすながとおる)は、しかし、訓練中に超音速で呼吸困難を起こして、戦闘機パイロットから外された。透は自衛隊を辞めた。自分が乗れない戦闘機を見たくなかった。
    透はタイへ行く、さらにはバングラデシュへ。
    バングラデシュの貧しい孤児ショフィクルに懐かれ、やがて打ち明けられた彼の友だちのメルドンドの話に、透は衝撃を受ける。
    間に挟まれた伏線が回収されるにつれ、どんどん引き込まれて行く。
    賢いショフィクルらしいエピローグに救われた。
    精神的な事や仏教の教えが僧侶である透の祖父を通して描かれる。
    孔雀のお経が蛇から身を守るものとして授けら

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    2024年11月11日
  • QJKJQ

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    あり得ない殺人ファミリーぶりに、はじめは面食らったが、そのリアルさが逆に脳内では「これアダムズファミリーね」みたいな無理な転換作業が働き、札幌の猟奇殺人じゃないし、エンタメ、エンタメと自分を納得させる読み始めだった。
    しかし途中からアダムズファミリーではない、リアルなサスペンスが色濃くなってきて、ぐいぐい引っ張られ、現実逃避から生じる幻影が、現実とない混ぜになりながら、答え合わせが進んでいく。

    何が現実で、何が脳内で形成されたものなのか?
    我々が現実と思っている世の中は、多かれ少なかれ、この作品の通りなのかもしれない。

    先日見たTVで「人間の脳は、錯覚を常に生み出し補完している。現実と思っ

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    2024年11月10日
  • 公式トリビュートブック 『チ。 -地球の運動について-』 第Q集

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    『チ。 -地球の運動について-』公式トリビュートブック!!
    漫画家、音楽家、小説家、詩人、芸人、声優、学芸員、哲学者、宇宙飛行士まで、各界を代表する執筆陣が『チ。』への思いを記す。

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    2024年10月08日
  • QJKJQ

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    3と4の間ぐらいかな?
    かなりとっ散らかった意味不明な状況からスタートするもその伏線がちゃんと回収されるのは凄い。
    その中で作品にはテーマがあり、考えさせられるところもある。

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    2024年07月03日
  • QJKJQ

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    初サトー。あらすじからかなり期待してたんだけど…その想像の遥か上をいく作品でした。

    いや、マジすごいわ…!?

    読んだ方ならわかってくれると思うが、あらすじ以上のことは本当になにも言えない……読んでその衝撃を味わって欲しい。
    そこには見たこともない世界が広がっていたから——。星四つ半。

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    2024年06月10日
  • 幽玄F

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    ネタバレ

    感想
    主人公は求道者のように見える。その行く末は。作者が書きたかった三島由紀夫の世界観や仏教の世界観、音速を追い求める主人公。三島由紀夫に関する知識がないのでそこまで理解はできなかったが、ある道を追い求めての死という点では共通するのかもしれない。

    あらすじ
    易永透は、子供の頃から飛行機が大好きだった。高校までは旅客機のパイロットになるために勉強を頑張っていた。高校で溝口という航空機マニアに出会い、三沢基地で戦闘機を見てから、戦闘機のパイロットになりたいと願い、航空学校へ入学する。

    航空学校を修了し、実機訓練でトップの成績を収め、F35乗りとなった。アメリカでの訓練で酸素不足になった経験から

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    2024年05月30日
  • 幽玄F

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    音速に取り憑かれた男がたどる数奇な人生。
    護国、青、蛇、空などのワードとともに、仏教感を漂わせる物語になっている。
    男の運命は、果たして輪廻から解脱するのか。そんなことを考えてしまう内容だった。
    映画でのエンドロールに入るようなエピローグは、この物語の磁場から開放される爽やかさと哀愁とを持ち合わせた、いい結末だった。
    モチーフとなった「豊饒の海」も読んでみねばなるまい。

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    2024年05月19日
  • 幽玄F

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    幽霊の話?と思ってたら全然違いました。
    『金閣寺』そしてなぜか『カモメのジョナサン』が思い出されます。

    戦闘機への偏愛と、護国。
    水平と、垂直。
    そして蛇を食らう鳥、孔雀…。

    難しい話は一旦おいといて
    一読目はひたすらカッコいい空を飛ぶシーンに浸るのがいいかなと思います。
    ――――――――――――――
    Fー35Bは亜音速に至り、遷音速に至り、ついには音速の壁をつらぬいた。ソニック・ブームで空気をゆるがしながら、なおも加速した。マッハ1.0、マッハ1.1、マッハ1.2。
    ――――――――――(p305)

    主人公と一緒に9Gの加速を体感しましょう。
    ただし、くれぐれも空間識失調(バーティゴ)

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    2024年05月05日
  • サージウスの死神

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    佐藤究のルーツを辿る。
    それは恐慌なる純文学。なぜだろう。妙に感情移入できてしまった。ただ、わたしは一切の賭け事に興味はない。……はず……。侵食。

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    2023年12月10日