佐藤究のレビュー一覧

  • トライロバレット

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    ネタバレ

    サージウスの死神を読み終えた興奮冷めやらぬまま読み始めたトライロバレットという作品。
    今作でも独特の世界観に浸り楽しむことが出来た。
    佐藤究という世界観や伝えたい事をより鮮明に感じとるることが出来た。
    フードコートでの描写はストーリーの分岐点でもあり、印象的だった。

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    2025年12月07日
  • テスカトリポカ

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    生きたまま心臓を鷲掴みにされた気分になった。
    それほど、狂気に満ちた作品でした。
    自分とは暮らす世界が違い過ぎて、中々物語に入り込むことが出来なかった一方で、アステカの神々に対する信仰という絶対的なものを持っている人はかっこいいと感じた。
    世界に散りばめられた点が、日本という舞台で1つになり壮大で残酷なストーリーが展開されていくのが圧巻。
    自分の知らないアステカ神話について知れて楽しかった。

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    2025年12月07日
  • サージウスの死神

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    文章の圧力が凄く、主人公の感情や描写をとても直接的に感じとることができ、常に作品に引き込まれていて気づいたら読み終わっていた。

    純文学という分野は今まであまり触れたことのない世界だったが、純文学特有の言葉選びや表現がとても新鮮で魅力的に感じた。

    作品自体もカジノがテーマではあるが現代社会や人間観など、様々な事について考えさせられる内容で読み終わった今も色々と解釈し楽しむことができ、出会えて良かったと思う。

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    2025年11月26日
  • QJKJQ

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    どう展開していくのか気になって止まらなかった。あらすじから思ってもみなかった方向へ。グロいのが苦手な人には勧められないがミステリ好きには勧めたい。八重洲ブックセンターにて購入。

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    2025年11月16日
  • Ank : a mirroring ape

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    650ページ程にも及ぶ大作。
    著者のリサーチ力、知識量にまず驚く。
    類人猿についての知識、遺伝子学、進化論、そして人類の歴史など様々な領域について事細かに語られる。
    ある意味でストーリーを通じて一つの論文を読んでるようなそんな感覚も味わえる。
    知識量もさながら長い作品にも関わらず途中でだれる事なく最後まで読むことができる物語の構成も見事。

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    2025年11月06日
  • テスカトリポカ

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    力(金・クスリ)を求める人間たちの群像劇であり、少年の成長物語でもある、そんな話でした。暴力による人体破壊描写はいろいろ出てきましたが、それ以上に、末永という男の人間性のグロテスクさが際立っていて良かったです。

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    2025年11月05日
  • QJKJQ

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    400ページほどだが、面白くて一日で読み終わった。
    一家全員が猟奇殺人犯の家族の謎に迫る展開は良質なミステリーで謎が徐々に解き明かされていき、最終的に予想できなかった方向へと進んでいく。
    ただのミステリーに終わらず「なぜ人を殺すのか」という心理面を深掘りしており、その点も興味深い。

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    2025年11月02日
  • 幽玄F

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    うわっ!安易に、トップガン的な感じかと思ったけど、ちゃうわ〜
    難しい…
    そうか…
    三島由紀夫さん絡んでるしな…
    オマージュみたい。

    ず〜っと、空に魅せられ、飛行機、戦闘機に魅せられ、F35パイロットになった透。
    彼には、戦闘機パイロットやけど、護国とかそういう想いはないんやろな。
    ひたすら、青い空、超音速、その世界と一体になりたかったのか…
    ただ、想いとは違い、その世界から落ちて、目的もなく彷徨う…

    やっと見つけた希望!
    でも、それが叶う!
    その世界と一体(一休ではない!w)になるのか。青く…
    それは…

    空の青が死の補色というのが出て来てたけど、そういうことなんかな…

    科学(航空機F型

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    2025年10月30日
  • テスカトリポカ 1

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    ネタバレ

    2025/05/14新刊案内で気になった『テスカトリポカ』(佐藤究 菊地昭夫)。

    今まで手に取る事がなかったジャンルで、

    なかなか内容が濃い。

    でも、読みたい。

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    2025年10月26日
  • テスカトリポカ

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    マフィアの冷徹な暴力と、アステカ神話の神秘的で不穏な世界観が絶妙に融合してて、そこに日本の裏社会ビジネスの闇が織り交ざる。遠くの話のはずなのに、現代社会の暗部を抉るようなリアリティがビシバシ響いてくる。裏社会の人間模様を描いているため、必然的に生々しいグロ描写も多いが、緻密なストーリーの構成のため、ページをめくる手が止まらなかった。約700ページの大作なのに、中弛み皆無で一気に読破。知的好奇心をめちゃくちゃ刺激される、深い余韻が残る一冊だった!

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    2025年10月25日
  • 幽玄F

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    傑作
    戦闘機に魅入られて自衛隊に入隊した主人公透。透は自衛隊に入隊し、あれほど夢見た戦闘機を操縦することになるが、音速飛行における原因不明の窒息に悩まされる。
    自衛隊を辞職し、観光用フライトのパイロットに転職した透。なぜ戦闘機に心を奪われたのかと改めて自問する。透は重力や地上のしがらみの束縛を断ち切り、血の補色である空を切り裂く力が欲しかった。領土の奪い合い(戦争)が水平的であれば、それを脱してはじめて垂直的。それが少年期に夢見た自由な飛翔。あの窒息は地上(水平)のしがらみにまみれた「護国の空」の息苦しさからくるものであった。フライトがただの仕事と割り切れるほどに、自分を見失っていた透は、バン

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    2025年10月15日
  • 幽玄F

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    テスカトリポカ、Ankに続き佐藤究作品にハマってます。

    戦闘機の操縦に関する主観描写が凄く緻密で引き込まれる。
    超音速の世界から振り落とされ、一度は戦闘機から離れた戦闘機狂の主人公が、どうやってまた超音速の世界と交わるのか、展開を楽しみながら読めました。

    知性と狂気のどちらも感じられる、佐藤究らしさ満載の作品でした。

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    2025年10月13日
  • テスカトリポカ

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    アステカ文明のところが難しかったけど、情報量がすごくて、面白かった
    まったく触れたことのない分野だったから新鮮な気持ちで読めた
    映像化したものが見たいけど、現実的に厳しそう

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    2025年10月03日
  • トライロバレット

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    主人公が、かわいそうなような。でも、父親とはいいかんじだったし、そんな不幸でもなかったのかな。どこの国でもカースト底辺界隈は、地獄なんですな。うん、個人の感想なんで、書きますが、これまでに読んだ佐藤究の作品と比べると、一段階下の、ちょっと出来の良くない作品のように感じました。
    フラニーとズーイと並行して読んでたもので、フラニーの苦しみ?悩み?葛藤が、なにかとても贅沢なように感じました。本作は日本人の作家によるものなので、実態がどれだけ正しく反映されているものかわかりませんが、アメリカも日本と同様、二極化が進み、下層に属する人々は荒んできているのかなぁ、なんて思いました。

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    2025年09月30日
  • トライロバレット

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    終盤の急展開に熱くなった。
    序盤、物語の盛り上がりはそんなに無いので、正直、焦れったい気持ちで読んでいた。
    読み切れてよかった。SNSの短い文章に慣れて堪え性が無くなっている実感があり、子供の頃本の虫だった自分を取り戻そうとしているのかもしれない。
    ティーンエイジャーの鬱屈した日々は全世界共通なんだなと思った。

    あとは、論理の飛躍が突飛であればあるほど脆い、でもその脆さがないと高く飛べないという部分に共感した!

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    2025年09月28日
  • テスカトリポカ

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    9/21~25
    単行本化の時に購入したが、本題に入るまでが長く何がしたいのかよく分からなかった上、単行本だったので読みづらくて挫折した本。文庫本を購入し、読み切った今では前半部分があってこその本題だった気がする。というよりも、後半に差し掛かってやっと全体が連続していることに気づいた感じ?
    かなり面白かった!
    文量や情報量が重いけど、アステカ神話とか麻薬カルテルとかバイオレンスなものが好きならすぐ読み切れると思う。

    人物の背景描写が多いのが良い
    本幹にほぼ関わらないようなぽっと出のモブにすら1~2ページをかけて出自を書くので、物語の枝葉がしっかりしている印象。設定厨(?)におすすめ

    登場人

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    2025年09月25日
  • Ank : a mirroring ape

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    鏡と進化を丁寧に結びつけて中核に据えていて、読みやすいが知的好奇心をとても刺激される作品だった!知性と暴力の入り混じった佐藤究の魅力が詰まった作品でした!

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    2025年09月19日
  • 幽玄F

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    前作『テスカトリポカ』とはまた違った雰囲気。戦闘機乗りの話だし、『スカイクロラ』とか『迷宮百年の睡魔』とかの森博嗣のイメージで読んでたら、三島由紀夫がテーマだったらしい。

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    2025年09月17日
  • テスカトリポカ

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    グロテスクなのに読む手が止まらない。

    登場人物がほぼ全員イカれてる…!(いい意味でも良くない意味でも)
    でもなんか嫌いになれない。浅はかな感想だけどそんな感じ。

    本当にこんな裏社会?があるんだろうか…。
    知らないところではこうやって闇のマーケットが広げられているんだろうか…
    そんなことを考えながら自分も悪の売人に仲間入りしたつもりで読みました。

    途中の宗教のお話が続くところで何度か立ち止まりましたが、そこを超えるとスルスルと読めてしまう一冊。

    あー、面白かった。

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    2025年09月14日
  • テスカトリポカ

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    ネタバレ

    直木賞ということで物量に怯みつつも無事、読破。

    平たく言えば麻薬売人や臓器売人が逃げついた日本でやりたい放題する話。と言いつつも、そこにアステカの神話を絡めたことにより、不気味で単なる闇社会ではなくもっと深みのある深淵っぽいテーマとなっている。

    裏社会は当然のことながら、「裏」であり我々の私生活とは無縁のところにあるのが前提だが作者の執念とも言える文章の熱によって「もしかしたらこういう社会もあるのかもしれない…」と思わされるところがひとつの面白さ。
    あとはひたすらに知らない世界について、知らない用語でぶん殴られるような衝撃が悪く無い。

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    2025年09月13日