佐藤究のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白い!
三島由紀夫をモチーフに執筆されたという作品。
純文学のように内省的で、かつしっかり中身はエンタメしているところが唯一無二な作品だと思った。
主人公の易永透は『豊穣の海』に出てくる人物「安永透」のオマージュらしい。自分は『豊穣の海』未読で、三島作品とのつながりを満足に把握できていなかったと思うが、それでも佐藤究特有の危険な熱によって最後まで夢中で読まされた。
「護国」というワードを真に腹落ちせず、最終的には初期衝動のまま実に身勝手に死んでいった主人公には不思議な魅力がある。その頑固で一本気な姿勢をなんとなく三島由紀夫と重ねた。
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ネタバレ 購入済み
凄い!
凄い小説です。とてつもないロマンを感じます。
眼を覆いたくなるような残虐なシーンの一つ一つにも、意味がありました。
途中の暗号のようなやりとりや、実験の本当の目的。ロスト・エイプが絶滅してしまった理由。等々、最後まで読めば分かります。いや、ちゃんとは理解できていないのかもしれませんが、分かった気分になって興奮します。それくらい、丁寧に説明してくれるので、置いてきぼりにならずについていくことができました。
壮絶な展開、悲しい最後ですが、エピローグまで丁寧に書かれているので読後感がとても良いです。そして、類人猿に前よりずっと興味が沸きました。 -
Posted by ブクログ
実にアクの強い、でも奇妙な爽快感が脳裏を掠めていくような純文学だなぁ……と感心してしまった。これぞ佐藤究節というか。何作か読んでいて、文末が「〜た」「だった」の短い一文で淡々と事象を挙げていく傾向があるなと気付き、普通は単調に感じてしまいそうなものだけれど佐藤先生の場合はむしろそれが読み手を引き込んでいく独特のリズムを生み出しているのかな?と思ったりしている。解説でも「科学の感触があり、詩の響きがある」と評されており、言い得て妙。
『カネは変化するものだ。車、工場、ミサイル、心臓、胎児、DNA――』これ、後の作品に繋がってる?(思い当たるものでミサイル→幽玄F、心臓→テスカトリポカ、DNA→A -
Posted by ブクログ
ネタバレ3.7
グロテスクな描写はあまり好きではないので、前半はやや敬遠していたが、中盤の兄の死後から、ミステリー要素が強くなったかと思えば、後半は殺人一家のミステリー問題から普遍化され、殺人とは何か、社会に切り込んでいった
主人公のアリアは統合失調症のように思えるが、作中で明言されるシーンはなく、それは特殊な経験をしたアリアだから幻覚や幻聴があったと言うわけでなく、本当に自分たちの見ている世界は正しく見えているか、と読者に投げかけているように見えた
Ca→abの存在など、都市伝説的な要素が物語に盛り込まれるのは好きなので、終盤はワクワクしながら読めつつも、誰が正しくて何を信じれば良いのか分からないと