佐藤究のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
うわっ!安易に、トップガン的な感じかと思ったけど、ちゃうわ〜
難しい…
そうか…
三島由紀夫さん絡んでるしな…
オマージュみたい。
ず〜っと、空に魅せられ、飛行機、戦闘機に魅せられ、F35パイロットになった透。
彼には、戦闘機パイロットやけど、護国とかそういう想いはないんやろな。
ひたすら、青い空、超音速、その世界と一体になりたかったのか…
ただ、想いとは違い、その世界から落ちて、目的もなく彷徨う…
やっと見つけた希望!
でも、それが叶う!
その世界と一体(一休ではない!w)になるのか。青く…
それは…
空の青が死の補色というのが出て来てたけど、そういうことなんかな…
科学(航空機F型 -
Posted by ブクログ
傑作
戦闘機に魅入られて自衛隊に入隊した主人公透。透は自衛隊に入隊し、あれほど夢見た戦闘機を操縦することになるが、音速飛行における原因不明の窒息に悩まされる。
自衛隊を辞職し、観光用フライトのパイロットに転職した透。なぜ戦闘機に心を奪われたのかと改めて自問する。透は重力や地上のしがらみの束縛を断ち切り、血の補色である空を切り裂く力が欲しかった。領土の奪い合い(戦争)が水平的であれば、それを脱してはじめて垂直的。それが少年期に夢見た自由な飛翔。あの窒息は地上(水平)のしがらみにまみれた「護国の空」の息苦しさからくるものであった。フライトがただの仕事と割り切れるほどに、自分を見失っていた透は、バン -
Posted by ブクログ
主人公が、かわいそうなような。でも、父親とはいいかんじだったし、そんな不幸でもなかったのかな。どこの国でもカースト底辺界隈は、地獄なんですな。うん、個人の感想なんで、書きますが、これまでに読んだ佐藤究の作品と比べると、一段階下の、ちょっと出来の良くない作品のように感じました。
フラニーとズーイと並行して読んでたもので、フラニーの苦しみ?悩み?葛藤が、なにかとても贅沢なように感じました。本作は日本人の作家によるものなので、実態がどれだけ正しく反映されているものかわかりませんが、アメリカも日本と同様、二極化が進み、下層に属する人々は荒んできているのかなぁ、なんて思いました。 -
Posted by ブクログ
9/21~25
単行本化の時に購入したが、本題に入るまでが長く何がしたいのかよく分からなかった上、単行本だったので読みづらくて挫折した本。文庫本を購入し、読み切った今では前半部分があってこその本題だった気がする。というよりも、後半に差し掛かってやっと全体が連続していることに気づいた感じ?
かなり面白かった!
文量や情報量が重いけど、アステカ神話とか麻薬カルテルとかバイオレンスなものが好きならすぐ読み切れると思う。
人物の背景描写が多いのが良い
本幹にほぼ関わらないようなぽっと出のモブにすら1~2ページをかけて出自を書くので、物語の枝葉がしっかりしている印象。設定厨(?)におすすめ
登場人 -
Posted by ブクログ
ネタバレ直木賞ということで物量に怯みつつも無事、読破。
平たく言えば麻薬売人や臓器売人が逃げついた日本でやりたい放題する話。と言いつつも、そこにアステカの神話を絡めたことにより、不気味で単なる闇社会ではなくもっと深みのある深淵っぽいテーマとなっている。
裏社会は当然のことながら、「裏」であり我々の私生活とは無縁のところにあるのが前提だが作者の執念とも言える文章の熱によって「もしかしたらこういう社会もあるのかもしれない…」と思わされるところがひとつの面白さ。
あとはひたすらに知らない世界について、知らない用語でぶん殴られるような衝撃が悪く無い。