佐藤究のレビュー一覧
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帳が下りる。狂気に満ち、恐怖が溢れ出る。
一つ。これは狂気に翻弄される物語である。
二つ。これは狂気に魂を売り渡す物語である。
三つ。これは狂気に身を委ねられなかった物語である。
四つ。これは狂気が過去から襲いかかる物語である。
五つ。これは狂気に身を滅ぼされる物語である。
六つ。これは狂気に蓋をする物語である。
七つ。これは狂気に支配された物語である。
八つ。これは狂気の側にありながら、狂わなかった者の物語である。
帷が上がる。狂気は消え去り、残ったものは希望か絶望か。
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今回も非常に面白かったですはい。短編集であるからこそ、物語が駆け抜ける疾 -
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2022年発刊の短編集
「爆発物処理班の遭遇したスピン」
爆発物を処理できなくても、楽しめる。
波動関数が理解できなくても、引き込まれる。
鹿児島に生まれた思考が、1935年のアメリカへと跳ぶ快感を読む。
理屈よりも 物語の推進力に身を委ねたい一編。
「ジェリーウォーカー」
冴えない映像クリエイターが辿り着いたキメラ創造という設定の奇抜さが魅力。
舞台は(読後の空気として)アメリカらしき近未来を感じさせ、SF性と現実的な承認欲求の絡み合いが印象的。
短編ながらラストの収め方はシャープで、余韻を残す締めで満足感がある。
「シヴィル・ライツ」
弱小反社の底辺組員の市民生活。
佐藤究が、反社と -
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まだ途中だけど感動を忘れないうちに書いてしまおう。佐藤究先生の作品はどれもこの世のどこかで『事実』なのでは?と錯覚させられそうになるものばかりで。実際にどこかの世界線での本当に話なのかもしれないが。それくらいリアルとファンタジーを融合させるのが上手い。事実が練り込まれた嘘は騙されやすいとよく言うが、まさに、この短編集のどの作品も『事実』が軸に構成されており、佐藤究先生のとんでもない知的好奇心が伺われる。特に猿人マグラなんて私自身の生まれ育った土地が舞台であったため、情景も思い浮かんだし、なによりもリアルに感じられた。ただのSFなんかじゃない、実際にあったかもしれない嘘とリアルが巧妙にまぜこぜに
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ネタバレ人間だけがなぜここまで高度な言語を習得できたのか?本書では「自己鏡像認識」という人間と類人猿(チンパンジー・ボノボ・ゴリラ)にしか持ち得ない能力が鍵であると主張します。そして、なぜ古人類は死に絶えているのか?という謎にも、大胆で斬新な発想を披露します。
数多のミステリーのように、人工的に神秘性のある謎を構築しなくても、人間という神秘を探究するだけでここまで面白くできるのだと示してくれました。未曾有の読後感というのは言い過ぎか。「平成のドグラ・マグラ」と称されるべきだったのはデビュー作『QJKJQ』ではなく、この作品だったのではないでしょうか。『ドグラ・マグラ』よりも論説は幾分かわかりやすくエン -
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佐藤究の幽玄Fを読んだ
幽玄とは何かChatGPTで調べてみた
幽玄(ゆうげん)**とは、日本の美意識を代表する言葉で、
はっきりとは言葉や形に表せない、奥深く、静かで、余情のある美しさを指します。
簡単に言うと
•すべてを見せず
•すべてを語らず
•想像の余地を残す美
わびさ人の違いも調べてみた
① 幽玄(ゆうげん)
見えない奥行き・余情の美
•すべてを明かさず、想像に委ねる
•神秘的・深遠・静かな感動
•「その向こうに何かがある」と感じさせる
② わび(侘び)
不完全・不足の中に見いだす美
•簡素、質素、控えめ
•欠けているからこそ心に響く
•人の心の在り方に近い美
③ さび(寂び)
時 -
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私は作者の表現する世界観のファンなので評価は高いですが、物語を追いかけて楽しむ要素はあまりないと思います。物語性を楽しむのであればテスカトリポカ、アンクなどを読んで欲しいです。
狂気や幻視まみれの脳みその中身を、作者の鋭い言葉の羅列で主人公と共有していく作品です。
詩的でナンセンスで洒落ててクール。
そういうものの、詰め合わせです。
無粋な言い方をすると大人のイカした厨二病です。
嫌いなわけがない!!
良質な映像作品のテーマになると思います。
カットアップされたみたいに場面がちらついている世界を見ていたかと思えば、気がつけば日常の昼。
その境目が次第に曖昧になり始め、世界観を支えるワード -
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乾いた鉄みたいな作品だなと感じました。
最初は変身という帯に機龍警察のような特撮ライクな話かと思ってたら重厚なクライムサスペンスでした。
アメコミ的ヒーローとかダークファンタジーでは無いような気がします。キック・アスみたいなイメージなんでしょうか。それにしても骨太すぎる気がします。子供には読ませられません。
鋭い狂気が誇張されてエンタメになる前に塊で出されてきたような感覚です。
さぁ狂ってクールな主人公が登場です!はい!ここが見せ場!とかが無い。
淡々と内面の狂気と向き合い、超えては行けない線を散歩のように超えていくいい意味でエンタメ性のない暴力と狂気が味わえます。
映画のタクシードライバ -
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テスカトリポカから作者を知り、本作を読んでいます。
京都暴動というクライムサスペンスの皮を被った、進化と自己鏡像認識がテーマのゴリゴリのSF作品です。
SFにサスペンス要素がひとつまみ入ってる感じでしょうか。QJKJQでもそうでしたけど、単純なサスペンス、グロテスクで終わらないのが作者の凄さですね。
話が動き始めるまでに時間がかかります。
テーマ自体が壮大なため、物語の中に前提知識を入れ、かつ、説明くさくならないようにするためにはどうしてもこのページ数がいるのでしょう。
物語は中盤から加速し始めて、疾走感のあるシーンも相まって、400ページくらいから一気に読み進められました。
少しとっつ -
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猟奇殺人鬼一家で育った主人公:市野亜李亜。亜李亜だけでなく家族全員が殺人を続ける中、兄が自室で殺害され、その死体も跡形もなく消え去り、次の日には母の姿をも無くす。不可解な点が幾つも存在する中、残された亜李亜と父に隠された秘密とは..
読み進めていく度に、亜李亜を覆っている秘密が持つ魅力に惹き込まれる。秘密そのものに魅力があるのは勿論だけど、明らかになった後に現れる「殺人」という事象に関する問いに関する記述がとにかく面白い。論理的に事を組み立て、人による殺人の本質を研究した結果が最後のようになるのが人間の面白いところだなと思う。
個人的には同作家による直木賞受賞作である「テスカトリポカ」よりも -
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プロローグ
運行管理者より「スクランブル」がかかった
第5世代戦闘機F-35A通称ライトニングⅡは、一流の整備士の調整によっていつでも翔べる状態にある
8は颯爽とコックピットに乗り込むとキャノピーを閉じた
因みにコックピットの語源は文字通り“闘鶏場”だ
密閉された空間に束の間緊張感が走る
息を整えた8は、スロットルレバーを押してアフターバーナーを点火させた
雲一つない青緑(シアン)の空を一目するやいなや
強烈なGが8を襲うと同時にライトニングⅡは大空へと羽ばたいた
幽玄を纏った飛行機雲を一筋残したライトニングⅡは、数秒後には、青緑(シアン)の空に消えていた!
本章 おびさん -
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読み終わってみて、すごく面白かった(?)。読んでよかった。
↓以下ネタバレです
善い行いが全くなく、悪い行いのみで物語が進んでいく。
コシモという主人公になりそうな予感の少年の登場は最初の方で、そのあとしばらくはもう一人の主人公になりそうな「バルミロ」を取り巻く展開になり、再びコシモが登場するまで、長かった。色々あった!そして決して強引さがなく、ようやくここまで辿り着いた!と思えるような手抜きのない丁寧な展開だった。
そこに至るまでには、残酷な描写がたくさん出てきて私自身、善悪の境界線が揺らぐ瞬間がいくつもあった。
自分を裏切った人、敵対する存在の人を殺すのは物語上仕方ないとし -