佐藤究のレビュー一覧

  • 爆発物処理班の遭遇したスピン

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     帳が下りる。狂気に満ち、恐怖が溢れ出る。

     一つ。これは狂気に翻弄される物語である。
     二つ。これは狂気に魂を売り渡す物語である。
     三つ。これは狂気に身を委ねられなかった物語である。
     四つ。これは狂気が過去から襲いかかる物語である。
     五つ。これは狂気に身を滅ぼされる物語である。
     六つ。これは狂気に蓋をする物語である。
     七つ。これは狂気に支配された物語である。
     八つ。これは狂気の側にありながら、狂わなかった者の物語である。
     
     帷が上がる。狂気は消え去り、残ったものは希望か絶望か。

    ━━━━━━━━━
     今回も非常に面白かったですはい。短編集であるからこそ、物語が駆け抜ける疾

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    2026年02月15日
  • 爆発物処理班の遭遇したスピン

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    2022年発刊の短編集

    「爆発物処理班の遭遇したスピン」
    爆発物を処理できなくても、楽しめる。
    波動関数が理解できなくても、引き込まれる。
    鹿児島に生まれた思考が、1935年のアメリカへと跳ぶ快感を読む。
    理屈よりも 物語の推進力に身を委ねたい一編。

    「ジェリーウォーカー」
    冴えない映像クリエイターが辿り着いたキメラ創造という設定の奇抜さが魅力。
    舞台は(読後の空気として)アメリカらしき近未来を感じさせ、SF性と現実的な承認欲求の絡み合いが印象的。
    短編ながらラストの収め方はシャープで、余韻を残す締めで満足感がある。

    「シヴィル・ライツ」
    弱小反社の底辺組員の市民生活。
    佐藤究が、反社と

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    2026年02月11日
  • トライロバレット

    購入済み

    なんだか哀愁のただよう雰囲気で、夢中で読んでしまいました。
    バーナムの三葉虫への愛が切ない。人間もいつか滅び、条件が揃えば化石になるのだと思うと、なんとも言えない気持ちになります。
    終盤に起こる事件がどのように起こったか、ゆっくり丁寧に描かれているため、「犯人は頭のおかしい狂人」と切り捨てられない何かがあります。恐ろしすぎるのは確かですが。
    そしてトライロバレットはどこに行ってしまったのか・・・。

    #ダーク #深い #切ない

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    2026年02月01日
  • 爆発物処理班の遭遇したスピン

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    まだ途中だけど感動を忘れないうちに書いてしまおう。佐藤究先生の作品はどれもこの世のどこかで『事実』なのでは?と錯覚させられそうになるものばかりで。実際にどこかの世界線での本当に話なのかもしれないが。それくらいリアルとファンタジーを融合させるのが上手い。事実が練り込まれた嘘は騙されやすいとよく言うが、まさに、この短編集のどの作品も『事実』が軸に構成されており、佐藤究先生のとんでもない知的好奇心が伺われる。特に猿人マグラなんて私自身の生まれ育った土地が舞台であったため、情景も思い浮かんだし、なによりもリアルに感じられた。ただのSFなんかじゃない、実際にあったかもしれない嘘とリアルが巧妙にまぜこぜに

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    2026年01月21日
  • Ank : a mirroring ape

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    ネタバレ

    人間だけがなぜここまで高度な言語を習得できたのか?本書では「自己鏡像認識」という人間と類人猿(チンパンジー・ボノボ・ゴリラ)にしか持ち得ない能力が鍵であると主張します。そして、なぜ古人類は死に絶えているのか?という謎にも、大胆で斬新な発想を披露します。
    数多のミステリーのように、人工的に神秘性のある謎を構築しなくても、人間という神秘を探究するだけでここまで面白くできるのだと示してくれました。未曾有の読後感というのは言い過ぎか。「平成のドグラ・マグラ」と称されるべきだったのはデビュー作『QJKJQ』ではなく、この作品だったのではないでしょうか。『ドグラ・マグラ』よりも論説は幾分かわかりやすくエン

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    2026年01月12日
  • 幽玄F

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    佐藤究の幽玄Fを読んだ
    幽玄とは何かChatGPTで調べてみた
    幽玄(ゆうげん)**とは、日本の美意識を代表する言葉で、
    はっきりとは言葉や形に表せない、奥深く、静かで、余情のある美しさを指します。

    簡単に言うと
    •すべてを見せず
    •すべてを語らず
    •想像の余地を残す美
    わびさ人の違いも調べてみた
    ① 幽玄(ゆうげん)
    見えない奥行き・余情の美
    •すべてを明かさず、想像に委ねる
    •神秘的・深遠・静かな感動
    •「その向こうに何かがある」と感じさせる
    ② わび(侘び)
    不完全・不足の中に見いだす美
    •簡素、質素、控えめ
    •欠けているからこそ心に響く
    •人の心の在り方に近い美
    ③ さび(寂び)

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    2026年01月10日
  • Ank : a mirroring ape

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    面白いすぎる。読む手が止まらなかった。
    論理的に納得できるSFが大好きなのもあり
    どストライクの作品だった。

    主人公は霊長類研究者、
    人類の進化の過程や、
    その遺伝子を含む膨大な過去から
    人間を人間たらしめる何かを探ろうとする。
    作者の知識量に驚かされる。
    人類の進化に全く詳しくない私は
    全てを信じてしまう。
    綻びのない完璧に作り込まれている論理。
    その誠実さ、緻密さが恐ろしい。
    一体どれ程の時間を費やしているのだろう。

    ただ純粋におもしろく、
    どこまでも引き込んでくれる。
    論理の流れに運ばれていく快楽、
    本当に素晴らしい作品。

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    2026年01月08日
  • サージウスの死神

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    私は作者の表現する世界観のファンなので評価は高いですが、物語を追いかけて楽しむ要素はあまりないと思います。物語性を楽しむのであればテスカトリポカ、アンクなどを読んで欲しいです。

    狂気や幻視まみれの脳みその中身を、作者の鋭い言葉の羅列で主人公と共有していく作品です。
    詩的でナンセンスで洒落ててクール。
    そういうものの、詰め合わせです。
    無粋な言い方をすると大人のイカした厨二病です。

    嫌いなわけがない!!

    良質な映像作品のテーマになると思います。
    カットアップされたみたいに場面がちらついている世界を見ていたかと思えば、気がつけば日常の昼。
    その境目が次第に曖昧になり始め、世界観を支えるワード

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    2026年01月06日
  • トライロバレット

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    三葉虫をこよなく愛する少年
    バーナムは同級生から壮絶な嫌がらせを
    受けることになる
    そしてもう1人タキオも
    またターゲットだった
    2人は仲良くしつつ
    お互いの知らないところで
    とてつもないことを企てていた

    そんな中全く別のところで
    退役軍人のフランクは
    仲間が次々と自殺することに
    苦悩しつつ
    自らも悪夢にうなされる毎日を送っていた

    そしてある日バーナムの高校で
    それは起こった

    生々しい戦場の出来事が
    頭から離れないフランクと
    なぜか予知夢のような妄想を見てしまう
    バーナムはどこか同じで病んでいる

    なんだかモヤモヤの残る小説

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    2026年01月05日
  • トライロバレット

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    乾いた鉄みたいな作品だなと感じました。
    最初は変身という帯に機龍警察のような特撮ライクな話かと思ってたら重厚なクライムサスペンスでした。
    アメコミ的ヒーローとかダークファンタジーでは無いような気がします。キック・アスみたいなイメージなんでしょうか。それにしても骨太すぎる気がします。子供には読ませられません。

    鋭い狂気が誇張されてエンタメになる前に塊で出されてきたような感覚です。
    さぁ狂ってクールな主人公が登場です!はい!ここが見せ場!とかが無い。

    淡々と内面の狂気と向き合い、超えては行けない線を散歩のように超えていくいい意味でエンタメ性のない暴力と狂気が味わえます。
    映画のタクシードライバ

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    2026年01月02日
  • Ank : a mirroring ape

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    テスカトリポカから作者を知り、本作を読んでいます。

    京都暴動というクライムサスペンスの皮を被った、進化と自己鏡像認識がテーマのゴリゴリのSF作品です。
    SFにサスペンス要素がひとつまみ入ってる感じでしょうか。QJKJQでもそうでしたけど、単純なサスペンス、グロテスクで終わらないのが作者の凄さですね。

    話が動き始めるまでに時間がかかります。
    テーマ自体が壮大なため、物語の中に前提知識を入れ、かつ、説明くさくならないようにするためにはどうしてもこのページ数がいるのでしょう。
    物語は中盤から加速し始めて、疾走感のあるシーンも相まって、400ページくらいから一気に読み進められました。

    少しとっつ

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    2026年01月01日
  • トライロバレット

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    佐藤先生ワールドを感じれる作品でした。
    最初はどんな事件かと思い読んでいましたが、
    最終的にはなるほどという展開になっていきました。
    いじめのシーンは学生の
    低俗な理不尽さがしっかりと描写されてました。
    手軽に佐藤先生を感じたいならおすすめの作品です。

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    2026年01月01日
  • QJKJQ

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    猟奇殺人鬼一家で育った主人公:市野亜李亜。亜李亜だけでなく家族全員が殺人を続ける中、兄が自室で殺害され、その死体も跡形もなく消え去り、次の日には母の姿をも無くす。不可解な点が幾つも存在する中、残された亜李亜と父に隠された秘密とは..

    読み進めていく度に、亜李亜を覆っている秘密が持つ魅力に惹き込まれる。秘密そのものに魅力があるのは勿論だけど、明らかになった後に現れる「殺人」という事象に関する問いに関する記述がとにかく面白い。論理的に事を組み立て、人による殺人の本質を研究した結果が最後のようになるのが人間の面白いところだなと思う。
    個人的には同作家による直木賞受賞作である「テスカトリポカ」よりも

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    2026年01月01日
  • Ank : a mirroring ape

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    最高やん、この小説。
    読む手が止まりませんでした。ずっと読んでました。

    猩々たちと人類の垣根とはなんだろうか。その問い自体はカモフラージュで、人類がなぜホモサピエンスしか存在しないのか、という問いこそが、京都暴動の根幹を為していると思ってしまった。

    チンパンジーとボノボは似ているが、互いに存在している。類人猿は姿形こそ違えど、似たようなコミュニケーションを取る。

    人間はなぜ、一種しかいないのだろうか。

    そして、なぜ、類人猿の進化は止まったと、我々人類は錯覚しているのだろうか。

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    2025年12月11日
  • 幽玄F

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    側からみたら転落人生かもしれないけど、空を飛ぶことを追い求め、追い求められた人生で幸せなのかなと思った。
    あとどんな人間が周りにいるかって大事。
    展開が読めなくてすごくおもしろいし、蛇のところとか、修行僧のところとか理解しきれず2回目も読みたくなる本。

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    2025年11月16日
  • Ank : a mirroring ape

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    京都にある霊長類研究所から一匹のチンパンジーが脱走したことからはじまる「京都暴動」の無慈悲な顛末。猿とチンパンジーの違いなど、理系な要素が物語の核になっています。探究心が台風みたいに暴走している小説だと思いました。

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    2025年10月24日
  • 幽玄F

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    戦闘機の知識は全くないのに、とても引き込まれた。美しい空と、戦闘機に魅入られた男の一生が、華々しく、哀しく、美しく描写されていた。

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    2025年10月24日
  • 幽玄F

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    プロローグ

    運行管理者より「スクランブル」がかかった

    第5世代戦闘機F-35A通称ライトニングⅡは、一流の整備士の調整によっていつでも翔べる状態にある

    8は颯爽とコックピットに乗り込むとキャノピーを閉じた
    因みにコックピットの語源は文字通り“闘鶏場”だ

    密閉された空間に束の間緊張感が走る

    息を整えた8は、スロットルレバーを押してアフターバーナーを点火させた
    雲一つない青緑(シアン)の空を一目するやいなや
    強烈なGが8を襲うと同時にライトニングⅡは大空へと羽ばたいた
    幽玄を纏った飛行機雲を一筋残したライトニングⅡは、数秒後には、青緑(シアン)の空に消えていた!




    本章  おびさん

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    2025年10月16日
  • テスカトリポカ

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    読み終わってみて、すごく面白かった(?)。読んでよかった。
    ↓以下ネタバレです








    善い行いが全くなく、悪い行いのみで物語が進んでいく。
    コシモという主人公になりそうな予感の少年の登場は最初の方で、そのあとしばらくはもう一人の主人公になりそうな「バルミロ」を取り巻く展開になり、再びコシモが登場するまで、長かった。色々あった!そして決して強引さがなく、ようやくここまで辿り着いた!と思えるような手抜きのない丁寧な展開だった。
    そこに至るまでには、残酷な描写がたくさん出てきて私自身、善悪の境界線が揺らぐ瞬間がいくつもあった。
    自分を裏切った人、敵対する存在の人を殺すのは物語上仕方ないとし

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    2026年05月09日
  • 公式トリビュートブック 『チ。 -地球の運動について-』 第Q集

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    よすぎ!!!!!!!!!!
    チ。から広がってしらない界隈の人の話がきけるのまじ心に栄養。朝井リョウの小説泣くて

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    2025年09月13日