佐藤究のレビュー一覧

  • Ank : a mirroring ape
    佐藤究作品は、『QJKJQ』『テスカトリポカ』を既読。その中では、一番好きでした。

    相変わらずの暴力描写が目を惹きますが、科学的な考察、知見、そこから繋がる悲劇のストーリーは一本軸が通っていて、説得力があるように感じました。
    中盤〜後半からのパルクールを混じえた追走劇は、とても画面映えしそうで、映...続きを読む
  • テスカトリポカ

    想像を超えた面白さ

    薬物密売、臓器売買、もはや日常になりつつある暴力行為や殺人など、残酷な内容だったけど初めてこういうジャンルを読んだのもあって、ページをめくる手が止まらなかった。物語の舞台は日本だったりメキシコだったり、情報量もかなり膨大だったけど、すべてのディティールが繋がっていて個人的にはすごく面白かったし、満足...続きを読む
  • 爆発物処理班の遭遇したスピン
    佐藤究さんの才能と、引き出しの多さ、多彩さに衝撃を受けた一冊。
    あらすじを書けば数行で足りる話をここまで広げてリアリティのある作品に仕上げられるなんて、なんて凄いんだ。
    特に表題作は、今まで読んだことのない設定に衝撃を受けた。
    そしてどの話もアンダーグラウンドなエグさが佐藤究さんの世界観を感じられて...続きを読む
  • 幽玄F

     佐藤究氏の本を初めて手にした。一気読みだった。この著者の文体でずっと航空小説を読んでいたいと思った。

     つい先日、小松基地航空祭で、画面越しではなく自分の目で初めて、F15戦闘機の機動を見た。美しいんだ。本当に。
     第一部の三沢基地航空祭2016で飛ぶF16の機動飛行(YouTubeでまだ見ら...続きを読む
  • 爆発物処理班の遭遇したスピン
    今まで読んだ短編集の中で、群を抜いて面白かった。

    『爆発物処理班の遭遇したスピン』
    オチがとても好き。
    量子力学への追究を深めれば、長編にもできそうなくらい内容の濃い短編だった。

    『猿人マグラ』
    ドグラ・マグラから、この短編を書こうと思う発想の飛躍が凄い。結局夢野久作の出身地という情報は何も関係...続きを読む
  • 爆発物処理班の遭遇したスピン
    佐藤究さんの作品に触れるのは3作目ですが、やっぱり私の感性にぶっ刺ささってくれます。

    本当に面白い、私の好みなんですが、剥き出しの欲望がひとまず好きで、自分の中に譲れない何かがあって、それがとてつもないマイノリティーであったとしても、本人の信念や価値観で、それの為に命を捧げられる人間ってまず好きで...続きを読む
  • QJKJQ
    登場人物も設定も怖すぎなんだけどめちゃくちゃおもしろい まさかの結末だった

    昔読んだやつにヒトラーが赤ん坊にもどってもういちど大人になったら同じようになるのか?という漫画があったんだけど、結局その人の気質や遺伝子が悪いんじゃなくて環境と運だと思う
  • QJKJQ
    物語に漂っている薄暗くて胸にずしっと重りを乗せられたような黒い雰囲気が好きです。この本が抱く謎が明らかになった瞬間、黒色の濃さはピークに達して、私はどん底に落とされた気分でした。気持ちいいくらいに深く落とされたので、この作者に病みつきになりそうです。個人的には中村文則さんと同じ空気を感じました。(ど...続きを読む
  • Ank : a mirroring ape
    読むのに時間がかかりそうだなぁと思いながら読み始めましたが、面白くて一気読みでした。
    もっと沢山の方に読んでほしい。
  • 爆発物処理班の遭遇したスピン
    なんでこんな面白い本ずっと積ん読にしてたのだろう、もったいない!が一番最初の感想です。
    全部面白くてすごくいいのですが、特に「ジェリーウォーカー」と「スマイルヘッズ」が好き。
    どの短編もフィクションだと頭ではわかっていても、気づいたら「現実」として引きずり込まれるような、臨場感がたまらなくスリリング...続きを読む
  • Ank : a mirroring ape
    1Q84O1さんにおすすめいただいて!
    今作の佐藤究さんは類人猿から原生人類への進化がテーマ。今まで興味持ったことないテーマだったけど、めちゃくちゃ好奇心が掻き立てられた。

    本当に鏡の理解から人類が進化したってこともあるのかも、と後半は鳥肌が立った。
    『テスカトリポカ』同様に、鏡、太陽、光が大きな...続きを読む
  • Ank : a mirroring ape
    おもろ〜。
    まずこんな大作をよく書ききったなと脱帽しました。
    京都でおこる大暴動。かなり痛々しい描写があるものの、混乱と恐怖が生々しく伝わってきました。
    さらに暴動が起きた謎に迫るパートも、難しいけど挫折すること無く没入できました。
    本当にヒトになる特異点が、ゲノム配列によるものだとすればかなり興味...続きを読む
  • 爆発物処理班の遭遇したスピン
    切れ味鋭い短編集。どの話もおもしろい。量子力学、爆弾、異種キメラ、危険なペット、シリアルキラー、江戸川乱歩と夢野久作など、ワクワクと狂人がいっぱい。ダラダラとしないスパッとした話ばかりなのも良し。

    ■爆発物処理班の遭遇したスピン:量子力学を活用した爆弾なんて実用化可能なの?上か下か、確率と観測。量...続きを読む
  • Ank : a mirroring ape
    こんな小説を書きたかった。

    と思うのは伊坂幸太郎以来。

    書けんけど。

    テスカトリポカ買って、積読してて
    脈絡なく
    爆発物処理班の遭遇したスピン
    で面白ろと思って検索したらテスカトリポカの人で
    テスカトリポカ読んで震えて、
    Ank読んでまた震えた。

    全部買うしかない。



    ルイ カウンセラー...続きを読む
  • Ank : a mirroring ape
    この筆者の霊長類に関する思想は、「胎児の夢」に多大に影響されているように感じられる。原始に還ること、進化すること。
    自己鏡像認識と霊長類の進化、塩基配列についての事実が1つの道筋でまとまっている。
    脳の容積を大脳辺縁系→古代(本能)、前頭葉→現代(理性)と喩えている描写がいい。

    鏡に映る「自分のよ...続きを読む
  • 爆発物処理班の遭遇したスピン
    たっぷりの絶望とたっぷりの動物たちを味わえる短編集。
    この人のお話はどことなく哲学の香りがする。
    ハッピーエンドともバッドエンドともいい辛いお話たち。
  • 爆発物処理班の遭遇したスピン
    SFミステリー短編集。
    8編のお話がすべて面白い。
    特に表題作は異次元レベルです。
    昔、北野武が岩井俊二の作品を見て
    「この監督、喧嘩したことないんじゃないか」
    という名言を放ちましたが
    それをなぞると、本作の著者は
    相当は社会経験を積まれていると思います。
    「クギ」あたりはしびれました。
    他の作品...続きを読む
  • Ank : a mirroring ape
    難しそうな話かな?と恐る恐る読み始め・・・、意外にも序盤からスルっと入り込み、そのまま一気に読み終えた。優秀な方が書く独特な世界観、読者本位で優しく読ませて頂ける作品です。
  • Ank : a mirroring ape
    テスカトリポカから佐藤究さんが気になり手に取った1冊ですが、予感が確信に変わりつつあり、この作家さんの描く世界が凄く好きだなぁとしみじみ感じました。

    普段日常を生きている人間にはあまりに非日常的な事柄を、とてつもないリアリティを持って、だけどエンターテインメント要素は絶対に失われない距離感に留めて...続きを読む
  • 爆発物処理班の遭遇したスピン
    前作からこの作者が極まってきていて、凄まじい取材力と描写力。ないはずの話から圧倒的なリアルが匂い立つ。非常にボリューミーで厚みのあるストーリーたち。