佐藤究のレビュー一覧

  • QJKJQ
    最近激ハマりしている佐藤究さんの江戸川乱歩賞受賞作品。
    「テスカトリポカ」「Ank」を読んで知性と狂気の入り交じった世界観に引き込まれている。

    今作品もやはり知性と狂気の飛び抜けた物語で、新しい未知の知識が自分に入り込んで来るかのような感覚を覚える。
    それは深層心理のだいぶ奥深い所を刺激させられる...続きを読む
  • テスカトリポカ
    この作品が直木賞を受賞した時は、正直驚きました。と、言うのは作品の出来云々ではなく、「戦争物(第二次大戦、戊辰戦争、関ヶ原、源平合戦、等)ならともかく、悪党共の殺し合いの話」が、これほどの評価を得るとは思いもしなかったからです。

    (つづく)
  • Ank : a mirroring ape
    佐藤究さんの著書、自分にとって2作品目。前回読んだ「テスカトリポカ」が最高に面白かったのでこちらの作品も期待していた。

    作品は本当に面白く、色んな知識が散りばめられていてそのほぼ全てが新な勉強になる作品だった。作者の膨大な知識と裏付けの為のレファレンスが凄い。執筆の苦労は容易に想像でき、難作だった...続きを読む
  • 幽玄F
    ホンタメの青い本特集で見つけた本。

    戦闘機の魅力に取り憑かれた少年がパイロットとして活躍する話かと思いきや3分の1ほどでパイロットを辞めてしまう。

    無表情に見える主人公の心の動きが繊細で、それでも強く光を放っていく様は形容しがたいはずなのにさらりと描かれている。



    読み終えた後にテスカトリポ...続きを読む
  • 幽玄F
    前作も相当でしたが、今回もまたすげえの書き上げたなあと、震えました。資料の量が半端じゃないのだけれども、筆致が凄まじい。この手の話ってちょっとでも隙があると読む気なくなりかちなのに、最後まで連れて行ってくれてとても大きなカタルシス。最高の読書体験をありがとう。これからも楽しみにしています。
  • Ank : a mirroring ape
    『テスカトリポカ』から2冊目の佐藤究。相変わらず大迫力。今回は京都が舞台で、なんと拠点が亀岡とか、知った地名がたくさん出てきたのでより臨場感を受けた。いつも小説の舞台は東京だったり海外だったりするので、どこか他人事感があるけど、今回は自分の住んでるところが思いっきり出てた笑。
    アンクがひたすら可哀想...続きを読む
  • テスカトリポカ
    マフィアの物語でハードボイルド。長編で体力は必要だが、読み応えもあり、めちゃかっこいい。メスカルというお酒を飲んでみたいと思ったら、テキーラの最大公約数のお酒だった。
  • 幽玄F
     はじめは、空に憧れる純真な少年を思い描き、頭の中にはユーミンの『ひこうき雲』が流れていたが、次第に自由や護国、蛇という言葉が飛び交い、易永は安永だったかと、あらゆるところに三島由紀夫が偲ばされていることに気づく。
     『豊饒の海』はよくわからなかったが、こちらは一気読みしてしまう面白さだった。易永透...続きを読む
  • 爆発物処理班の遭遇したスピン
    面白かった。
    Ankの作者って事で手に取ったけど予想を裏切らない面白さだった。

    普段短編集はあんまり読まないが、読まず嫌いだったな。と反省。
    長編に比べて作品にのめりこめないだろう。と思っていたが短いながらも濃密なストーリーで凄く良かった。

    お気に入りは表題の「爆発物処理班の遭遇したスピン」と「...続きを読む
  • 幽玄F
    面白い!すっごい面白い。
    文庫版早く出ないかなー。持ち歩いて毎日読みたい。
    不勉強だなー私。この作家を知らずにいたの、もったいなかったな。
    レビュー見て、三島作品数冊しか読んでないから、私には楽しめないかなー?と危惧したけど、全く問題ない。この作品自体がすごいもん。制覇してあれば、より一層楽しめるだ...続きを読む
  • テスカトリポカ
    佐藤究さん著「テスカトリポカ」自分にとって初読みの作家さん。
    直木賞と山本周五郎賞のW受賞作品。

    濃厚で重厚な作品だった。
    そして読み進めにくかったが凄く面白い作品だった。

    メキシコのアステカとコンキスタドール(征服者)との関係等の史学的な要素を軸に「血と信仰」の赤さと深さと濃さが伝わってくる。...続きを読む
  • Ank : a mirroring ape
    めちゃくちゃ面白かった。
    結構難しい内容も書かれてるけど何故かスラスラ読めた。

    書いてあることがどこまで真実なのか分からないけど説得力はあった。
    鏡像認識について考えたことはなかったけど動物が水に映る自分を見たときにそうなる可能性は0じゃないよなと。

    なんとなくこの世の事象はほとんど解明されてる...続きを読む
  • Ank : a mirroring ape
    読み進める毎にどんどん、この小説に引き込まれて、600ページを一気に読んでしまいました。
    こんな小説初めてです。
  • テスカトリポカ
    好きです。
    好きすぎて何か言うと作品を損なってしまいそうで、言葉が出てきません。記憶をなくしてもう一回読みたいくらい興奮しました。
  • 幽玄F
    ジェット戦闘機に乗ってみてぇ

    ってな事で、佐藤究の『幽玄F』

    空を行き交う飛行機に取り憑かれた易永透の一途なまでの空への憧れから、音速への魔界に取り憑かれた狂気を圧倒的な世界観で描く読み応えは9Gを超えてバーティゴに陥りそう

    空の色って何色か知ってる? 下記の中から答えてね

    ターコイズブルー...続きを読む
  • テスカトリポカ
    とても面白かった。初見はあまりの分厚さに気後れしてしまったが、文章がとても読みやすく、展開もスピーディーで、楽しくてどんどん読み進めてしまった。
    何よりすごいのが情報量。巻末の参考資料の多さからも膨大な下調べや取材を重ねて書かれた物語なのだなとわかったし、だからそこ各場面の描写も説得力が凄まじく、リ...続きを読む
  • テスカトリポカ
    作品の世界観が映像として目や耳、肌に伝わってくる作品であり、とことん作りこまれたドラマを見ているような気になる作品である。

    景色や人物の外見、動作、内面などが具体的に描写されているからなのか、読みながら頭の中で映像が浮かぶ。

    読みながら映像が浮かぶ作品は私の中では他に北方健三シリーズのみ。

    ...続きを読む
  • テスカトリポカ
    メキシコと日本を舞台にした壮大な映画を見た気分。
    人身売買、臓器売買、殺人、麻薬、マフィア。全てのページが犯罪で埋め尽くされており、拷問の描写が生々しい。
    それなのにベースにアステカの信仰があるので、拷問のグロさがアステカの儀式が執り行われてるかのような荘厳さに置き換わり、無表情で殺人を繰り返すサイ...続きを読む
  • Ank : a mirroring ape
    佐藤究作品は、『QJKJQ』『テスカトリポカ』を既読。その中では、一番好きでした。

    相変わらずの暴力描写が目を惹きますが、科学的な考察、知見、そこから繋がる悲劇のストーリーは一本軸が通っていて、説得力があるように感じました。
    中盤〜後半からのパルクールを混じえた追走劇は、とても画面映えしそうで、映...続きを読む
  • テスカトリポカ

    想像を超えた面白さ

    薬物密売、臓器売買、もはや日常になりつつある暴力行為や殺人など、残酷な内容だったけど初めてこういうジャンルを読んだのもあって、ページをめくる手が止まらなかった。物語の舞台は日本だったりメキシコだったり、情報量もかなり膨大だったけど、すべてのディティールが繋がっていて個人的にはすごく面白かったし、満足...続きを読む