佐藤究のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2016年第62回江戸川乱歩賞
最近、佐藤究さんの「幽玄F」を読んで、感動したんだけどレビューはまだまとめられそうになく
他の作品も読んでみようかなっと
まずは再デビュー作
冒頭導入が激しい
殺人鬼一家の女子高生の語り
早々に街に男狩り
マウスピースで噛み殺すタイプの兄は惨殺死体となって見つかるのだけど 何処かへー
ここまでなら時折お見かけする猟奇殺人系ミステリーと思いきや、ここからあっという間に捻じ曲げられた記憶と妄想の中に引きずり込まれる
小説の中にIQが高いという表現が出てくるが
著者もかなりでは?と思う
妄想の入り組み方に加えて殺人心理、偏狭な国家保安論等知識が深くてなかなか全てをすっきり理解できるかというと
有栖川先生が平成の「ドグラ・マグラ」と評されたのもちょっとわかる
江戸川乱歩賞に相応しい怪奇さでした -
Posted by ブクログ
佐藤究のデビュー作。
「QJKJQ」「アンク」「テスカトリポカ」を読んで
独特の世界観を知ったつもりだったけど、このストーリーは、主人公や他のキャラクターのギャンブルに対する哲学が独特過ぎて、面食らった。
佐藤究の言葉の繋ぎ方、表現がオリジナル過ぎていて、他に比べる小説家が思い浮かばない
サージウスが宝石というタイトルは、途中でようやく納得した
呪われた宝石らしい
終盤にオリジナル過ぎるギャンブルがあって、ギャンブルの最中の主人公の心の独白が、クスリでトリップしてるやつの心境みたいで迫力あった。
少年時代にやったアゲハの幼虫の遊びは、想像しただけで、気持ち悪くなったけど -
Posted by ブクログ
三葉虫マニアの高校生が主人公。スクールカーストで言えば底辺とも言える。そこに現れるスクールカーストの頂点の男。毎日ロッカーの扉を接着剤で固められる。
同じくいじめを受けていたもう1人の人物。いじめられっ子同士意気投合。放課後も遊ぶようになる。
主人公、現実に嫌気がさし、壮大な計画を準備。
新学期、主人公は自身が考えたヒーロー?『トライロバレット』に変身して、いじめていた奴を銃殺しようとするが、先に現れた近所の金物店のオヤジ。
オヤジとの対決、もう1人のいじめられっ子の計画、主人公の逃亡。
ヒーロー小説との触れ込みではあるが、よくあるヒーローものではなく、ややダークで、悪を退治するようなヒーローではない。三葉虫に変身する斬新さ。主人公からすれば三葉虫は人生であり彼のヒーローであることは間違いない。 -
Posted by ブクログ
【2025年46冊目】
バーナム・クロネッカーは三葉虫を愛する男子高校生である。スクールカーストで言えば下の方に位置し、目立たない学生生活を送っている。ところが彼のロッカーが接着剤で癒着される事案が発生。同級生のタキオも同じ目に合っており、スクールカースト上位者のコール・アボットの嫌がらせなのだという。妄想と夢の狭間で彼は次第に現実を失っていく。
なかなかの難解さ!読みやすさはピカイチなんですけど、これは夢?現実?いや彼らはどこから狂っていたのか?それともずっと正気なのか?と、こっちも迷宮に迷い込んだ気持ちで読んでいました。そして、まさかの結末。メリーバッドエンドじゃないか…?
なんとこの小説、普通の小説にあるはずの2つのものがないんです。それは「」と解説。「」なくても小説って成り立つんだという衝撃と、解説をなくしたことで最後の最後まで現実味を奪っていくという建付け。
物語をどう味わうかは難解な一作ですが、これはこの作者じゃないと書けないなと思わせてくる筆力の高さ。
1周回って怖い笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレアンク以来の、1年越しに佐藤究さんの作品を読んでみた。
この作品がデビュー作とのこと以外はほとんど何も知らない状態で読みました。
深夜3時でも新たに仕事が舞い込んでくるような、ブラックな職場で働いている主人公。
ひょんなことで同僚から裏カジノに誘われ、そこで行われている「ルーレット」に心を奪われる。
頭の中に数字が浮かび上がる能力がわかった時点では、これはギャンブルで勝負していく展開の話なのかな?!と思いきや、全然違いました。
まあひたすらに荒れ狂った世界が淡々と描かれていました。
主人公が”ギャンブル”を通じてどんどん破滅へと向かっていく姿が終わりまでひたすら続きます。
怒涛の展開!みたいなものはあまりないのですが、淡々と描かれている分「ギャンブル」というものへの恐れが、読み終わってからは増しました。
何を見せられているんだ?みたいなシーンも沢山ありましたが、人間の理解を超えた部分が少ないページ数ながら満遍なく描かれていました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいずれ文庫化する「テスカトリポカ」のために過去作をぼちぼち読んでいるが、これは2005年の群像新人文学賞の優秀作らしい。
純文学の章にしてはソリッド……当時の流行りだったのか。中原昌也とか。
しかしのちの「QJKJQ」「Ank: a mirroring ape」につながる衒学はたっぷり。
そして鏡のモチーフ。
思弁的作風も、デビュー当時から。
が、どうしても「ホムンクルス」(2003~2011)を思い出してしまい、ノイズに。
安易にいえばドストエフスキー「賭博者」だが、本作のハセガワという独特の人物は一歩抜けている。
が、そうはいってもさらに村上龍を連想したりして、既視感の糸にこんがらがってしまうのだ。