佐藤究のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
9/21~25
単行本化の時に購入したが、本題に入るまでが長く何がしたいのかよく分からなかった上、単行本だったので読みづらくて挫折した本。文庫本を購入し、読み切った今では前半部分があってこその本題だった気がする。というよりも、後半に差し掛かってやっと全体が連続していることに気づいた感じ?
かなり面白かった!
文量や情報量が重いけど、アステカ神話とか麻薬カルテルとかバイオレンスなものが好きならすぐ読み切れると思う。
人物の背景描写が多いのが良い
本幹にほぼ関わらないようなぽっと出のモブにすら1~2ページをかけて出自を書くので、物語の枝葉がしっかりしている印象。設定厨(?)におすすめ
登場人 -
Posted by ブクログ
ネタバレ直木賞ということで物量に怯みつつも無事、読破。
平たく言えば麻薬売人や臓器売人が逃げついた日本でやりたい放題する話。と言いつつも、そこにアステカの神話を絡めたことにより、不気味で単なる闇社会ではなくもっと深みのある深淵っぽいテーマとなっている。
裏社会は当然のことながら、「裏」であり我々の私生活とは無縁のところにあるのが前提だが作者の執念とも言える文章の熱によって「もしかしたらこういう社会もあるのかもしれない…」と思わされるところがひとつの面白さ。
あとはひたすらに知らない世界について、知らない用語でぶん殴られるような衝撃が悪く無い。 -
Posted by ブクログ
やはり主人公のコシモ!川崎で日系ペルー人として育ち、社会からも孤立していた姿はとても痛ましく、もし違う環境で生まれていたらと思わずにいられない。彼の人生に大きな影響を与えたのが、バルミロや末永といった悪い大人達。無垢なコシモが危険な世界に引き込まれていくのが見ていて辛かった。
ナイフ職人のパブロは「情」を感じさせ、彼の言葉や姿勢がコシモに与えた影響は心の底に大きく、物語のクライマックスでのコシモの行動は、これまでの孤独や苦悩がすべて積み重なっているように感じました。
読後に残ったのは、麻薬や暴力の恐ろしさ以上に、彼が置かれた環境と周囲の人々との関わりが、未来をどう形づくってしまったのかとい -
Posted by ブクログ
虚構と現実の狭間に投げ出されてしまう主人公の不安感を追体験しつつ、クライマックスに向けて洪水のように流れ込んでくる情報の量と血の量に溺れそうになりながら結末まで読み進む。プロローグを再読し、本を閉じた後も、クラクラとする眩暈に似た余韻がしばらく残り続けた。
理解しきれないほど深淵なことが語られているようでもあり、実はとんでもなく軽薄な内容だったのではないか?とも疑えてしまうような、ちょっとレアな読後感だった。
解説の中で「ドグラ・マグラ」が言及されていて、確かに類似性が見出せるかもと思ったり。
江戸川乱歩賞の受賞も納得。人間の内に潜む暴力性や異常性を分析し、それを分析すること自体の暴力性と -
Posted by ブクログ
本書は単なる犯罪小説ではない。メキシコの麻薬戦争と臓器密売ビジネスという現代の闇を、アステカ神話の宇宙観で描き切った壮大な叙事詩である。
物語の中心にいるのは、冷酷非道な麻薬密売組織のボス、バルミロ。彼の行動原理は、創造と破壊、偶然と運命を司る神「テスカトリポカ」そのものと重なる。かつてアステカで行われていた心臓を捧げる儀式は、現代の闇ビジネスである臓器売買へと変貌し、血生臭い暴力の中に神話的な意味合いを帯びてくる。
圧倒的な暴力描写は、目を背けたくなるほどの凄惨さでありながら、読む者を惹きつけて離さない魔力を持つ。それは、我々が生きるこの世界の理不尽さや、人間の内に潜む根源的な狂気をえぐ -
Posted by ブクログ
2018年第20回大藪春彦賞
2018年第39回吉川英治文学賞
先日「幽玄F」を読んで、佐藤究ってもしかしてすごいのでは…?と、過去作品を読み始めました。
その中の一作、「Ank」
いやもう、やっぱりすごい。
すごいんだけど―凄すぎて、理解の範疇を超えてくる。
舞台は2026年、京・都・暴・動。
その原因を、社会構造や思想だけでなく、遺伝子レベルにまで掘り下げていくという、超重量級のSFです。
ライトノベル風味の語り口もありつつ、テーマは重く深く、問いかけは容赦は容赦なく。
「Ank」という名前を持つチンパンジーは、ただの動物ではありません。
彼は「ape(類人猿)」でありながら、鏡を見 -
Posted by ブクログ
正直少し難しくて最終的になんでこうなったんだっけ?と辻褄が理解できない部分もあった。
同作者のテスカトリポカが驚異的で、その作者の意図や性質的にかなりの情報を調べた上での緻密なストーリーだったんだろうから、単純に自分の理解が及んでないだけかもしれない。
けど、光の速度と暴動が収まる8分19秒の関係値や、鏡を見たホモサピエンスの暴走が、なぜ進化後の人間に適用されたのか、進化の上で特異点を超えてるから暴動にならないんじゃないのか?という納得感がなかった。
ただ、作品自体はとてもよく作り込まれていて、最後までどうなるのか読み進めるのが楽しみな作品だった。 -
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Posted by ブクログ
2017年刊行?にして2026年の出来事を近未来として描いていることはAIの利用がかなり一般的になってきている2025年現在に読むと何かすごい。
テスカトリポカ同様、入念な下調べと読者を置き去りにするレベルの専門的な会話、スピード感のあるハードな文体に一貫性と強いこだわりを感じた。シブい。
ゾンビものでは実際ないがゾンビ感のある人間がたくさん出てくるのは事実で、そういう本は読んだことがなかったので新鮮だった。
物語自体は正直なところテスカトリポカの方が引き込まれたなとは思いつつミーハーでわかりやすいものを好んでしまう自分の好みの問題かもしれない。
エイプとモンキーの違いだったり霊長類に関する学