佐藤究のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
テンポよく話が進んでいくので、厚めの本ですが、割とサッと読めてしまう。
ハードボイルドで濃厚な映画を見た後のような満足感。
読んだ佐藤究さんの小説はQJKJQ、Ankに次いで3作品目だったのですが、どれも面白いし、ただのエンタメもので終わらずに哲学を感じさせる。
映画で言えば、クリストファーノーラン作品のような。悪く言えば小難しい話が差し込まれる。
この作品で言えば、主人公は闇の世界に住んで様々な非合法な取引に関わる所謂悪人ですが、悪人なりの哲学があり、クールさを感じる。
そこにおどろおどろしいアステカ神話の話が加わり、独創的な作品に仕上がっている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレあらすじを読んで、麻薬密売人の話ということであまり興味がわかなかったが、読むほどに引き込まれていった。
無垢なコシモ、狂気の末永、復讐のバルミロ、一線を越えられないパブロ。
どの登場人物も個性があって、考えがあって特徴的だった。
直木賞の作品なので映像化されているかと思えば、そうでは無いようだ。
読めばその理由がわかる。これば倫理的問題と描写がキツい。情景描写がわかりやすく、場面が鮮明に浮かび上がってしまい、心が苦しくなる部分がかなりあった。
コシモが「じゅんた」が手術台にいる姿を見て心を痛めているところが印象的であった。
この頃の直木賞作品はパンデミックに関する内容を含んでいなく -
Posted by ブクログ
この人の本、QJK…もankも読んだけど登場人物全員が倫理なきパワー(暴力)の嵐という感じで圧倒的な奔流に自分もひきずりこまれそう。タイミング悪く不夜城の後に読んだものだから裏の社会の話続きで薬と金と人身売買でちょっと疲れてしまった。
それは別としてアテスカの神テスカトリポカ、言い伝えのいけにえと鏡と心臓、暗闇と復活の喜びのイメージが日本で繰り返される、それが日本とメキシコの混血児の登場人物達とスペイン語を交えながらバルミロに構築される闇の家族(ファミリア)、ほんとにそんなのありかよと思いつつも独特の雰囲気と力強さを持っています。ナイフ工芸師のパブロと無垢のコシモだけが救い。 -