佐藤究のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
実にアクの強い、でも奇妙な爽快感が脳裏を掠めていくような純文学だなぁ……と感心してしまった。これぞ佐藤究節というか。何作か読んでいて、文末が「〜た」「だった」の短い一文で淡々と事象を挙げていく傾向があるなと気付き、普通は単調に感じてしまいそうなものだけれど佐藤先生の場合はむしろそれが読み手を引き込んでいく独特のリズムを生み出しているのかな?と思ったりしている。解説でも「科学の感触があり、詩の響きがある」と評されており、言い得て妙。
『カネは変化するものだ。車、工場、ミサイル、心臓、胎児、DNA――』これ、後の作品に繋がってる?(思い当たるものでミサイル→幽玄F、心臓→テスカトリポカ、DNA→A -
Posted by ブクログ
ネタバレ3.7
グロテスクな描写はあまり好きではないので、前半はやや敬遠していたが、中盤の兄の死後から、ミステリー要素が強くなったかと思えば、後半は殺人一家のミステリー問題から普遍化され、殺人とは何か、社会に切り込んでいった
主人公のアリアは統合失調症のように思えるが、作中で明言されるシーンはなく、それは特殊な経験をしたアリアだから幻覚や幻聴があったと言うわけでなく、本当に自分たちの見ている世界は正しく見えているか、と読者に投げかけているように見えた
Ca→abの存在など、都市伝説的な要素が物語に盛り込まれるのは好きなので、終盤はワクワクしながら読めつつも、誰が正しくて何を信じれば良いのか分からないと -
Posted by ブクログ
・ゲーム「FGO」の影響から手に取るきっかけとなった作品。約700ページという小説の中では大作であるが、題材とする密売のスケールの大きさと展開の早さでどんどん読み進められてしまう。
・メキシコの超巨大麻薬組織カルテルの利権争いという無縁の世界の出来事に驚嘆していたら、ものの数ページで主人公が変わり、いつの間にか本拠地が日本に移っている。地球の裏側の出来事として遠巻きに観戦していたつもりが、実は身近で起きていることだと自覚した瞬間が恐ろしい。
・神話アステカの文明を色濃く受け継ぐカルテルの一員が、新たな取引として持ち出すものが、まさにアステカ神話を想起させるものだった。古代アステカ人の神に対