松下隆一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
時代小説を読むとき、この人は藤沢周平の後継者に相応しいか、という想いを勝手に抱きながらいつも読んでいる。藤沢周平亡き後30年、その想いに叶った作家は未だ1人も出ていない。
もはやそれは、この銀平のように、吐血して余命いくばくも無いと悟った心境に似ている。もうこのまま「屁」のようにつまんない願いを持ち続けるのは止めにしようとは思うのではあるが、銀平は調子が良くなると、もと女房とよりを戻したいとか、昔の自分に似ている清太と暮らしたいとか、何度も思うのだ。変な期待を抱いてまた新人の時代小説を読んで仕舞う。そしてその度に、読み終わってしまえば
⸺何か違う
と、諦めるのであった。
銀平も、そう思った途端に、2人とも失って仕舞う。
時代小説は、ファンタジー小説に少し似ている。描きたいのは「現代」なのである。その手段として、江戸時代を舞台にする。究極の貧困や生い立ち、人の生き死にをかけた究極の選択が描かれる。現代小説ならばウソ話に思える筋立てを、時代小説ならばリアルに描くことができる。
大飢饉と流行病の末に負の連鎖に陥り、ヤクザな世界に入って、なんとかそれを抜け出して細々と人ひとり生き抜くだけの蕎麦屋をやっていたが、遂に不治の病にかかったと自覚している60歳の男など、こんな絵に描いたような不幸は現在ではわざとらしい。でも、似たような男はいるかもしれない。思えば、藤沢周平はそこまで「世の中全体が酷い」江戸時代は描かなかった。悪いのは大抵、身持ちを崩した男の小根だけだったのである。そういう意味では、「侠」は令和の小説なのだろう。
本と珈琲さんのレビューで、もしかしたらこの人第二の藤沢周平になるかも‥‥と思い紐解いた。でもやはり違う。江戸の下町の景色が浮かんでこない。四季がわからない。台詞が多い。
⸺無いものねだりなのはわかっている。
銀平の父親が言ったように「屁」のようなものだ。「音や匂いがしようが、瞬きする間に終わっちまう。人さまに嫌われても好かれることはねえ」くだらねえ願いよ。
そんなこととはまるきり関係ないけど、何処にも書いてないし、違うかもしれないけど、私は銀平が罹っているのは不治の病などではなくて、単なる深刻な胃潰瘍だと思う。で無いと、吐血してから2年近く生きているのが説明つかない。だとしたら、希望はある。
おハナちゃんは言う。
「屁を放ると気持ちがいいんだよ」
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Posted by ブクログ
主人公の清四郎
父親が亡くなって五年、齢十八、定廻り同心三年目
気短で短慮…良く言えば純粋…
ひよっ子というかまだ殻を尻につけてるくらい
ヤダ〜主人公が嫌い…って読めるかしら(꒪⌓︎꒪)
清四郎が上役に「左平次預かり」の命を受けて事件を解決する同心物
この左平次「落としの左平次」と呼ばれる今は町人となった元同心で、伝説の神さま
佐平次がとにかくカッコ良い‹‹\(´ω` )/››
左平次に文句を言いながら縋りついて行くひよっ子清四郎もなんだか可愛く思えて好きになる笑
まだまだ続くであろうラスト近くでは清四郎と共に涙を堪えて、あぶ玉丼をたべるわたし(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
頑張れ清四郎!!
第二弾での成長楽しみに待ってるよ!!
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博奕から足を洗って三十年…
江戸の片隅で粗末な蕎麦屋を営んでひっそりと生きてきた銀平。
病に侵され死を悟った銀平は犯してきた罪や人生を悔やみながらも腐った自分に相応しい死に様だと不味い蕎麦を作り続けている。
岡っ引き、夜鷹、乞食の親子…
毎夜決まって食べに来る常連達も訳ありで物哀しい
訳あって知り合った清太に昔の自分を重ね、再び生きる希望を持った銀平は清太の為に三十年振りに博奕の世界に戻るのだが……
いやぁ〜面白い!
七百五十両の大博奕、ラストはウルウルしちゃいました。゚(゚´Д`゚)゚。
松下隆一さんは「雲霧仁左衛門」の脚本家だって!
雲霧面白いよね〜♪
他の作品も読まないと!
こうやって新しい作家さんと出会うと楽しいがすぎるわ〜ブグログありがと:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.。♡︎
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Posted by ブクログ
定町廻り同心の佐々木清四郎、齢18歳…
同心となって三年が経ったが、まだまだ見習い扱い…
そんなある日、上役から左平次預かりの命を受ける
左平次は優秀な廻り方で“落としの左平次”と呼ばれていたが、今は引退し町民の身分だという
そしてどうやら左平次は、亡くなった清四郎の父親の元同僚でもあるらしい…
無愛想で口も悪がキレ者の左平次と、まだまだ未熟なくせに短気でプライドだけは人一倍な清四郎
二人は事件を解決していきながら、関係を深めていく
そして清四郎は左平次に厳しくも温かく鍛えられながら、一人前の同心を目指し、成長していく
居酒屋みくらの鰻丼、錦糸丼、あぶ玉丼などのおいしいご飯を頬張る描写に思わずお腹がなる…(笑) -
購入済み
鎌倉三代将軍家の時代の13篇の短編アンソロジー。
タイトルは『旅する』だけど、旅自体を扱った作品はなかったような?(^_^;)各作品の冒頭に、作品にちなんだ名所の写真と説明がついています。
前半は頼朝と政子の逸話が多く、後ろになるにしたがって時代があとになります。
砂原浩太朗さんの「実朝の猫」が好きかも。鎌倉に行きたくなりました(^.^) -
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愛する息子を喪い、未来をなくした夫婦は悲しみの果てに離別。平和だった家族は崩壊した。
それから数年を経た命日の前日、夫は過去を忘れるために、息子の骨壺を抱え、心が凍てつき暗い家に引き籠る妻を訪ねる。だがその途上、夫は実の両親を亡くした少年と出会い、妻の家に一緒に泊まることに。
その日から心に仄かな灯が生まれた。
3人の孤独な魂が寄り添う時間のなかで、それぞれの絶望が希望に変わり、夫婦は再生の路に立ち、少年は未来に向かって歩みはじめる。
子供を事故で失った男と女が、訳アリの少年と出会って生きる希望を見出すという物語。子供の事故死、児童虐待、東日本大震災、そして新潟水俣病というあまり触れたくない話題に触れている。概ねハッピーエンドで心はホッコリしたんだけど、終わり方が都合が良すぎるところが残念だったかも。面白かったし、良かったです。