原田宗典のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小川コーヒーで読み終えました。個人的にはガソリンスタンドの店員の一生が一番この作者らしくなくて印象的だった。なんか後書きにもあったけど、人生の1ページを切り取ってるって感じやね。例えどんな平凡な人生だとしても、その人にとっての人生の転換点はドラマチックなものであるのだと再確認しました。平凡な人生の転換点ということで思い出すのは古谷実の作品だと思う。稲中であれ、僕と一緒であれ、グリーンヒルであれ、貫いてるのは平凡な人生が何かを境に普通じゃない世界に引きずりこまれること。そして、もとのレールに必死に戻ろうとしている人間の生き方をすげぇシニカルに書いてるから面白いと思う。どんなヤツでも話をして奥まで
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Posted by ブクログ
タイトルを見た瞬間、吉田拓郎の同曲のメロディが浮かんで興味を惹かれて調べてみると、同曲をモチーフにしたものだと知って読む事に。
作中で何度かその詞が登場するが、特にトー横キッズ達の前で歌う場面で、「ここトー横にいる連中はみんな、おきざりにされた若者たちだ。あるいは何かしらの悲しみをどこかにおきざりにしてきた奴ばかりだ。そうだ。これはお前たちの歌だ。お前たちの歌なんだ。」と主人公長坂誠が思う場面は“まさしく“と感じ入った。
その他、「春夏秋冬」(泉谷しげる)や「圭子の夢は夜ひらく」(藤圭子)の詞も登場するが、これらも改めて良い詞だなぁと感じる。
読み易く楽しめたけど、設定や流れが少々安易で軽 -
Posted by ブクログ
65歳の長坂誠は、狭いアパートにひとり暮らし。
怪我をしても労災もおりないひどい現場で働き、
ギター、絵画、志したものも結果を出せていない
現状。ある日、同じアパートの2つとなりに住む
幼い姉弟の異変に気づく。母に置き去りにされた
2人との不思議な生活が始まる–––。
原田宗典は、30年近く前に大好きで
よく読んでました。最近、著作を見かけず、
久しぶりに出会った新作を読んでみました。
好きだった「スメル男」、「やさしくって
すこしバカ」、その片鱗を感じさせるところも
あったけれど、どうしても過ぎた時間を
感じてしまった…。あえて、シニア向け、
とマーケティングしすぎてる感じもしてしまいま