原田宗典のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
はじめてこれを読んだのは、なんと高校のとき、大学入試の模試でだった。現国の小説分野の題材として「しょうがない人」が取り上げられていて、いつものように試験問題を解くつもりでこれを読んで行くうち…なにかが胸に込み上げてきて問題が解けなくなった。主人公の父親に対する気持ちが、まさに当時の自分の気持ちとリンクしてしまった。
世の中に、自分以外に父親についてこういう風に考えている人がいることがわかって心底驚いた。
小説の中で主人公はまさに自分の気持ちを代弁していた。
試験後、速攻でこの文庫本を本屋に買いに行った。
今読んでも泣けてしまう。
ちなみにその試験の点数は散々なものだった…。 -
Posted by ブクログ
記念すべきブックブログの一冊目はこの短編小説です。ウーロンに借りた、ウーロン推薦の本。
一冊目にふさわしい面白い本やった。短い物語(というか詩)がぎっしり詰まっていて、飽きなかったしもっかい読んでみたくなった。印象としては、バンプオブチキンの詞の世界から前向きさや一生懸命さを弱くして、ややヒネリをきかせてシュール色を強くした感じかな。
特に面白かったのが、「九つの物語」「何の印象もない女」「なんでも屋の恋」。
「九つの物語」は九つの物語が、テラーが変化しながらどんどん連鎖して色んな物語が広がるもの。あらゆる生物の一生にドラマがあるのだ。 「何の印象もない女」はねぇ、簡単に言えば何の印象もない女 -
Posted by ブクログ
この本を読むと、旅に出たくなる。
小さな世界のなかで生きるのも、それはそれでいい。
でも、世界はこんなにも不思議に満ちているのだと思うと、
今すぐ、計画もなしに、ひとりで旅立ちたくなる。
『旅の短篇集 春夏』原田宗典
今年の本屋大賞「超発掘本!」に選ばれた本書。
世界各国の旅先で出会った、
ちょっぴり不思議な出来事。
それが知的で、ウィットに富んだ文体で綴られていく。
異国だからこそ、
こんな幻想的なエピソードがしっくりくるのかもしれない。
どのお話も、たった2ページで読めるショートショート。
寝る前に1話ずつ読めば、きっといい夢が見られるし、
移動時間に読めば、たちまち異国へと