【感想・ネタバレ】おきざりにした悲しみはのレビュー

あらすじ

「おれはもうおじさんではなく,おじいさんだ」――様々な思いをおきざりにして生きてきた長坂誠,65歳.その運命の歯車が或る姉弟との出会いから動き出す.おきざりにされた者など,いない.生きていくかぎり,ささやかでも希望が生まれ,その旅は続いてゆくから.吉田拓郎の名曲にのせて贈る,昭和の香り漂う令和の物語.

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

知り合いに、おおすめされてなんの情報もないまま読み始めた一冊でしたが、圧巻でした。すぐに惹きつけられて、世界観にのめり込んでしまいました。1人の中年男性の話なのですが、壮絶な人生で周りの人間関係がすごく面白かったです。伏線回収も、気持ちよくって、あっという間に完読しちゃいました。なにも、考えずに読み進めて欲しい一冊です。いい事をすると、必ず報われる!そんな風に思えました。きっと、この感想の意味を理解できる人が現れますように。詳しく書いてしまうと、もったいないので感じるままに読み進めて欲しい一冊です。

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2025年10月13日

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 「おきざりにした悲しみは」というタイトルに過敏に反応する私は、いわゆる?“拓郎・陽水・かぐや姫世代” です。普段、小説の類は “ミステリー系” ぐらいしか読まないのですが、さすがにこの本は気になりました。
 さて、この物語、主人公たちの未来に向けた期待と希望とが素直に感じられるとても面白い作品でした。
 

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2025年09月03日

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やっぱり原田宗典さん好きだわ
むかしを思い出す
マハさんも好きだが、宗典さんはいい
久しぶりに実家から『スメル男』を取ってきて読み返してみよう!

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2025年07月23日

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表題作の歌を始めとして昭和のフォークやブルースなどが効果的に使われていて切ない気持ちになる。
黙って人助けをする、主人公の貧乏くじを引いたような人生が最後に花開くようなラストが良かったです。子どもたちもうまくいきすぎだと思うが小説なんだからこうでなくっちゃ。

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2025年04月22日

Posted by ブクログ

おきざりにした悲しみは
タイトルに惹かれて読んだけど
良かった あっという間に読めた

あまり運の良くない65歳の主人公
アパートに置き去り状態の姉と弟
二人の世話を始めて
それぞれの凄い才能に気づき
SNSで発信する

昭和の香りのする内容だけど
藤圭子の歌詞や泉谷しげるの春夏秋冬歌詞がいい
そして吉田拓郎 皆天才
同じ時代を生きた者として思い出深い
こんな主人公みたいないい人
いっぱいいたよ
なんだか心が暖かくなる作品


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2025年03月20日

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岡林信康、泉谷しげる、ブランキー・ジェット・シティ、RCサクセショョン

そしてタイトルにもなっている、吉田拓郎

65歳独り身ガテン系が2人の天才姉弟との出会いによって、おきざりにした過去と向き合い、おきざりにしない新たな生きがいを見つけていく

そこに散りばめられる名曲の数々

「花は野に咲かしておけ」決して豪華な花瓶に飾られることのないガンコでブレない生き方

多くを望まない正直者が大切にする小さな幸せが胸を撃ちます

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2025年03月13日

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原田宗典さんの、これ、こういう文章、文体、いいなあ。好きだなあ。水のような…そんなかんじですね。流れるような、波打つような、澱むこともあるし…今までの経験全てで、たどり着いたのですね。長坂誠さん、ありがとう。これからきっといいこといっぱいあるはず。真子と圭もよかった。偉いね。お母さん帰ってきてよかった。親子3人で平和に暮らしてね。長坂さんとの交流も続いてほしいな。圭の書もまたすごいことになるのかも。希望を感じるラストでよかった。涙出てしまった。原田さん、エッセイすごくおもしろくて笑っちゃうのに、こんな長編も書くんだから、んもう、なんだかんだすごい人です。

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2025年03月10日

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ネタバレ

お母さんが子ども二人を置いて、すぐ帰ってくるからと出て行った。
『水車小屋のネネ』といい、最近は男絡みで子どもを置いていくのは珍しいことじゃないのかなぁと思った自分は、偏見の塊だった。
長坂誠のように愛から行動できる人でありたい。
読みやすい文体で、原田宗典さんが16歳の頃から目指した「水のような文体」はまさに。
高校生のとき、原田宗典さんのエッセイを知り、特に『17歳だった!』は母校が舞台で大笑い。以来30年近く好きなので、原田宗典さんが復活してくれて本当にうれしい。
物語は原田さんご自身の経験も含まれるのだろうかと想像しつつ、岡山弁は亡くなった父を思い出させて、脳内で岡山駅東口や二号線も描きながら読めた。ひどく理不尽で辛い出来事の中にも、人の優しさやユーモアがあり、読めたことがうれしく思う。
原田宗典さん、編集者さん、出版社さん、ありがとうございます。

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2025年02月07日

Posted by ブクログ

五つ星。
甘いかな。
甘いと思う。

でも、なんだかいい本。
65歳の原田宗典さんが書いたと思うと、これでいい。これがいい。

頑張れ。
頑張ろう。
と思った。

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2024年12月27日

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学生の頃、ムネノリせんせを友人がすきで、影響受けてよく読んだな。懐かしくて読んでみたら昔読んだ本とは雰囲気がずいぶん違って爽やかで読みやすかった。

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2025年10月05日

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放蕩生活に身をやつした主人公の長坂誠は、今や65歳。
なんとか放蕩生活から逃れようと、心機一転東京へ出てきた。
そこで派遣社員として物流倉庫のフォークリフトの運転手として職を得て、今に至っている。
経済的には楽ではなく、住まいは築40年を過ぎたボロアパートで、家賃が3万8千円の6畳一間の時代に取り残されたような住まいだった。

ある日、共用スペースに置いてある洗濯機の水道栓から、隣の部屋に住んでいる少女が水を汲んでいるところに誠は遭遇する。
事情を少女に尋ねると、ガス、水道、電気が止められていると言う。
20日前、直ぐに帰るからと言って1万円を残して出掛けたきり、母親が未だ帰ってきていないと言う。
猛暑の中、クーラーも使えず食事もできないのではと誠は同情し、翌朝の食事と飲み物を少女と弟の住んでる部屋に届け、夕食には誠の手作りカレーをご馳走しようと、中学生の真子と小学生で自閉症の弟の圭を自室に招待する。
最初は警戒と遠慮していた姉弟は、誠の勧めもあってカレーを美味しいと言いながら貪り喰った。

これまで孤独の生活を過ごしてきた誠は、真子と圭との交流を通して、初めて生活に充実感を感じるようになる。
数日が経過した辺りで分かったことに、真子は並外れた歌唱力があり、弟の圭は書道に長けていて、難しい漢字を見事に書き、そして難しい漢詩も書けるという特異な才能を擁していた。
誠の趣味の一つがギター演奏ということもあり、誠の伴奏で真子が歌う時もあった。
しかし3人の穏やかな生活がこのまま続くわけもなく、波乱万丈の日々が迫ってくる。

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2025年09月22日

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「ええ話や」だけで終わらない、でもええ話である。今となってはもう古いスタイルかもしれないが、それも含めて現在の原田宗典さんの作品なのだろう。おっさんには特にずっしりと響く。

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2025年09月06日

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表紙のデザインの色とタイトルを見て、
希望を感じる話だとは、あまり思わないだろう。
65歳の自分はもうおじさんではなく、おじいさんだと人生を半分諦めてしまっている主人公、長坂誠が、母親に置き去りにされてしまったアパートの隣人の姉弟を、親切(お節介)に世話する物語。
自分の辛い境遇はさておき、姉弟のために奔走する。優しい、優し過ぎる。こんないい人いないだろう、と思うほど彼は優しい。
やがて彼の優しさに姉弟は心を開き、特に自閉症の弟は、好きな書道で才能を開花させる。
最後の方は話が、多少、支離滅裂になっているようにも思うが、お伽話のような展開で、道が開かれていく希望のラストが心地良い。
以前、著者のエッセイが面白いからと、人から勧められた。読んでみると本当に面白かった。読みやすい文章、話の面白さ。あれから、どうなってしまったのか、気になっていた。だが読んでみて、分かった。彼の作家としての才能は、あのまま埋もれてしまってなど、なかった。

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2025年06月01日

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人情ものといった風情の小説で、作者の人となりとかぶって(昔は作者のエッセイをよく読んでいたが、あの事件以来目にしてなかった。)なんだか胸熱だった。才能もあり、それを続ける根気もあるのに情熱が足りない。向上心というか上昇志向の欠如が、不幸であるようにも思うが、それがこの人物を魅力的にしている。とにかく優しい。吉田修一や重松清が描きそうな昭和の男の物語なんだけど、哀愁とユーモアの割合が秀逸。さすが。最後は希望の見える展開で、読後感もよかった。

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

人生はきっとやり直しがきく。
自分の為じゃなく、誰かの為に行動したいと思えたら、そこから何かが変わり出すのかもしれない。
打算じゃなく、純粋な気持ち。
歳を重ねるほど、見失うその気持ちを、この小説の主人公はちゃんと持ち続けているんだな。

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2025年04月19日

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主人公の長坂誠に、作者である原田さんの経歴や性格がかなりのっているのかな?そこに起こる出来事は『スメル男』を彷彿とさせるフィクションみたいな。
原田さんのエンタメ性が出ている作品は久しぶりな感じがして、楽しく読みました。

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

なんかほっこりとする話でした。
話の中で、何で他人のものを盗んだらダメなのか?、という問いかけに対して、主人公が、「がっかりする人がいるからだよ」と、答えるシーンがありましたが、この返事ってとても奥が深い答え方だな、と思いました。
この件だけでも、この本読んで良かったと思ってます。

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2025年04月16日

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原田宗典さんの小説はもう30年振りくらいですが、ずいぶん達者で、一章10ページくらいの短い中で話をうまく区切りながら展開させていて、飽きさせません。一気に読んでしまいました。
65歳の人の良いじいさんと母親がいなくなった小さな姉弟を中心に話が進んで、ずいぶん都合の良い展開ですが、でも読後感の良い仕上がりです。気分よく読み終えました。

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2025年03月29日

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何年ぶりだろう、著者の本を読んだのは。
著者の書く、優しくってちょっと不器用な感じの登場人物が好きで、どこかふんわりとした雰囲気の物語が好きで、気に入って頻繁に作品を手にしていたのはどれほど前だったか。
著者の率いる劇団の舞台を見に行って、握手会?サイン会?そんなのにも参加した覚えがある。
事件があってからずっと、作品に触れる機会がなく、いつしか私も小説を読むことがめっきり少なくなってしまっていた。
昨年、新刊が出たと知って懐かしくなり、予約して読んでみたのだが。
ああ、そうだった、こんなふうに物語を書く人だった。読みやすくて入りやすくて、ふわっと心を温めてくれるようなお話。
ほぼ一気読みで読み終えて、喫茶店で読んでいたのに、気づけば泣けてしまっていた。

正直なことを言えば、自閉症だという圭については、ほんとはいろいろ言いたいことがある。だけどこの際野暮なことはいうまいと思った。そう思わせてくれるくらいの作品ではあったということ。

この物語に出てくる人たちはみんなフィクションなのだけれど、どうかみんな、幸せに暮らせますように、そんなふうに願わずにはいられなかった。
読んでよかった。

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2025年03月25日

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"おきざり"にした、じゃなくて、"おにぎり"にした悲しみはだと思って、ずっとおにぎりが頭の中にあった笑
主人公は貧乏で犯罪にも関わってるような暗い環境に置かれてるけど、その人と一緒に過ごす子供2人からも学ぶこともあって、一気読みした。
マカロニえんぴつのはっとりさんがおすすめしてて読んだ。音楽・ギターも出てきて、あいみょんもセリフに出てきてよかった。最近の出来事も書かれてるから読みやすい!
最後の方に、中国の人が出てくるけどそれは理解しづらくて、ちょっと怖い

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2025年03月25日

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   (装丁原研哉 装画長岡毅)
主人公長坂誠は自らのこれまで65年を不甲斐ないものと感じて日々をやり過ごしている。
東京郊外小平市の外れにある住まい「さくら荘」は築40年。旧態然とした設備ゆえに破格の家賃にもかかわらず住人がいるのは六部屋のうち二部屋、長坂と23号室に住む母子のみ。
23号室の母親が失踪。13歳の姉と自閉症の弟10歳に食べ物、飲み物を差し入れ、部屋に招きカレーライスを共に食べることとなって長坂誠の日々が一変する。長坂の59歳になってからの再上京を助けたまにメールで連絡をくれる二人の友人が著名なグラフィックデザイナーと弁護士。
かつて志半ばで自らの才能のなさを自覚して見切りをつけたのが絵を描くこと、ギターの演奏をすること。生来生真面目で心優しい長坂が姉と弟の窮状に手を差し伸べる。
夜は二人を自分の寝室に寝かせ、二人が電気と水道を止められた部屋にとどまらず、真夏の暑さを凌ぎ喉の渇きを癒せるよう日中仕事に出かける自分の部屋を自由に使っていいと申し渡す。自閉症の弟は書道に卓抜した能力を持ち、姉は藤圭子の再来を感じさせるような声で歌を歌う。タイトルになっている吉田拓郎の「おきざりにした悲しみは」を長坂が二人に歌って聴かせ、姉が「私も歌ってみたい」と言い出したことから事態が急展開することとなる。YouTubeへのアップロードにあたって背景の襖が余りにもみすぼらしいことの打開策は弟の手本は王羲之だという書を襖に書くこと。このYouTubeの動画が更なる展開へと物語を導いていくことに。明るい兆しの見える結末への展開には少々荒唐無稽に思えることがないでもないけれど、テーマの重さを軽く払いのけて疾走するおとぎ話として楽しむ、そんな物語と思いなすことに。
作者の原田宗典は1959年生まれ。
3才違い1962年生まれの原田マハは妹。






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2025年03月24日

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 主人公の長坂誠と同じ時代を生きてきた私は、共感するところが多くありました。

 泉谷の春夏秋冬〜企業戦士だった頃を思い出します。でも、あの頃があったからこそ今があるんだ❢と自分に言い聞かせています。


春夏秋冬より
 春をながめる余裕もなく
 夏をのりきる力もなく
 秋に枯葉に身をつつみ
 冬には骨身をさらけ出す

 今日ですべてが終わるさ
 今日ですべてが変わる
 今日ですべてがむくわれる
 今日ですべてが始まるさ

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2025年03月21日

Posted by ブクログ

終盤、斜め上の展開に驚いてしまったが、
こんな物語もあってもいいよねと。

出てくるデザイナー社長や、転落のエピソードなどは、僅かばかり知る著者に関する知識から、あの人かな?自分を投影してるのかな、なんて思いながら読んだ。

何かを持ってるはずなのに、歯車が噛み合わない人生を送っているような気持ちで生きている人たちには響く物語だと思う。

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2025年03月14日

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離婚、父親との死別、隣人を庇ったことによる逮捕…。それら波乱万丈の人生の中で生まれた別れや悲しみ、喜びさえもすべて置きざりにして、今は古アパートで孤独に生きる主人公の長坂誠。
それでも、最後まで捨てずに貫き通したのは義理と情に厚いという性格。
その人徳により、隣人に手を差し伸べる中で、孤独な生活の中で奇跡のような出会いが生まれる。

何があったとしても自分の信念は曲げず、実直に進んでいれば、人生捨てたものではないなと思える作品。

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2025年03月03日

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かっては何者かになろうと夢を抱いた男が転落の人生の果てに奇跡の邂逅を得ると言う物語。作者自身の人生が反映されていてリアリティがある反面、真子と圭とのエピソードはちょっと出来過ぎだ❗️中国の占い師まで引っ張り出して無理矢理ハッピーエンドに持っていくところは元々のコメディ作家の復調か?文章はテンポよく読みやすいが時系列が複雑でごちゃごちゃの印象ある。次作に期待したいと思います。

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

 原田宗典さんの最新作『おきざりにした悲しみは』を読みました。昭和30年代生まれの主人公が同時代の歌を背景に織りなす、昭和の雰囲気豊かな令和の物語。同世代として引き込まれる。著者が吉田拓郎の同名の曲に着想を得て書き下ろした小説だと知りました。

 吉田拓郎と言えば『旅の宿』を思い出す。高校時代、空想を巡らしながら調子っぱずれに口ずさんでいたことを。正直なところ『おきざりにした悲しみは』という曲は記憶になかった。本書を読みながらネットで曲を聴いてみました。歌詞が実にいい。心にしみる。『旅の宿』とはだいぶちがう。あれから半世紀の年月を経て、小さいながら「おきざりにしたもの」が積み上がっているからかもしれない。主人公ほど劇的なものはないけれど。

 主人公の長坂誠は、過去の自分をおきざりにして、物流倉庫で働いている。生きている実感と情熱を取り戻そうと、5年前に再び東京へ出てきたけれど、何も変わらない日々が続いている。2023年8月、あるきっかけで同じアパートに住む姉弟に出会う。長坂誠の昭和の優しさが3人の関係を深めます。主人公の数々の「おきざりにした悲しみ」を巡りつつ、物語は展開します。

 姉の真子が歌う藤圭子の『圭子の夢は夜ひらく』はスゴイ。長坂誠のギター伴奏で、アパートの部屋で新宿の路上で。中学生の頃だったか、テレビで藤圭子の歌を聴いた時のことを思い出す。この作品には多くの歌が登場します。当時の自分を思い出しながらネットで曲を聴いてみるのが楽しい。

 弟の圭が熱く語る場面が胸に迫る。「僕らはチームなんだろ?おじちゃん、自分で言ったじゃないか。チームっていうのは、負けた悔しさも、勝った喜びも、分かち合うんだろう?」チームの一人ひとりが同じ目標の実現に向かって汗水流す協働作業。いいですね。涙が出てしまいそう。

「・・・ただ直近の未来は今、鍋の中でぐつぐつ音を立てて煮えている。そして幸先のいい匂いを漂わせていることだけは確かだ。」
「長坂誠の旅は、続く。」

この先の物語を想像してしまう。読んでみたい。そう思う作品です。

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2024年12月26日

Posted by ブクログ

⋯良かった。長坂誠、漢だねぇ。過去と現在の話が行き来して、話に深みが出て、優しさの詰まったストーリー。国外の話が出たときは「どうなることやら」と不安になりましたが、良い締めくくりでした

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2025年10月25日

Posted by ブクログ

派遣の建設現場で働く65歳の男性が、同じアパートで水道まで止められた姉弟を助けながら、おきざりにした過去を振り返り前を向いていくお話。比較的スカっとする内容であり良かったね~と思える。作中に出てくる実際の楽曲がどんな感じの曲かなとYou tubeで探しながら読んだ。あまり聞いたことがない曲ばかりだったが、この時代、この楽曲が当時の著者を支え、今もそこに何度も戻っているような気がした。そういう時代や楽曲は誰にでもあるもので、自分が65歳になったときにどんな風に思い返すのか、見ていきたいと思う。

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2025年03月18日

Posted by ブクログ

タイトルを見た瞬間、吉田拓郎の同曲のメロディが浮かんで興味を惹かれて調べてみると、同曲をモチーフにしたものだと知って読む事に。

作中で何度かその詞が登場するが、特にトー横キッズ達の前で歌う場面で、「ここトー横にいる連中はみんな、おきざりにされた若者たちだ。あるいは何かしらの悲しみをどこかにおきざりにしてきた奴ばかりだ。そうだ。これはお前たちの歌だ。お前たちの歌なんだ。」と主人公長坂誠が思う場面は“まさしく“と感じ入った。
その他、「春夏秋冬」(泉谷しげる)や「圭子の夢は夜ひらく」(藤圭子)の詞も登場するが、これらも改めて良い詞だなぁと感じる。

読み易く楽しめたけど、設定や流れが少々安易で軽く、物足りなかった。

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2025年02月14日

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65歳の長坂誠は、狭いアパートにひとり暮らし。
怪我をしても労災もおりないひどい現場で働き、
ギター、絵画、志したものも結果を出せていない
現状。ある日、同じアパートの2つとなりに住む
幼い姉弟の異変に気づく。母に置き去りにされた
2人との不思議な生活が始まる–––。

原田宗典は、30年近く前に大好きで
よく読んでました。最近、著作を見かけず、
久しぶりに出会った新作を読んでみました。

好きだった「スメル男」、「やさしくって
すこしバカ」、その片鱗を感じさせるところも
あったけれど、どうしても過ぎた時間を
感じてしまった…。あえて、シニア向け、
とマーケティングしすぎてる感じもしてしまいました。
シーンのエモーションを、既存曲の歌詞に
頼る感じもちょっと残念…。

歌がうまかった少女とアートのセンスのある弟。
Youtubeにあげたら人気が出た、みたいな
安易な展開だったらどうしよう、と不安になったけど、
さすがに往年のストーリーテリングで、
過去にとんだり、国がとんだり、展開も楽しい。

それだけに、ターゲットを決めずに
ふつうに物語を書いてほしいなぁと思ってしまった。
すっごく面白かった印象があるので…。
もう一度、過去作を読み返したくなりました。
同じエンタメを最新作で期待します!

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2025年01月13日

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