原田宗典のレビュー一覧
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どれも技巧的な側面が強い作品。処女作品集なのだがそうとは思えない品質の高さである。表題作は地の文に意匠が凝らされていて、読みづらいようでいてついつい読み耽ってしまう文章。内容もコミカルで良い。デビュー作のひとつ「ポール・ニザンを残して」がとても気に入っている。Posted by ブクログ
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短編集は、作者の技量が問われる。
コンパクトにまとめる技量もそうだが、限られた字数の中でいかにして厚く、重みのある作品に仕上げるか。
僕は短編集というものが嫌いだ。
でも彼は短くとも、それがたとえ3ページのものでさえ
作品の中に重みを与え、僕らを熱くしてくれる。
彼は、いい。Posted by ブクログ -
楽にせよ絵画にせよ文学にせよ、世に言うアーティスト・文化人はその作品でかつてこれまでに多くの人々を魅了してきた。メロディーの美しさや色彩感覚、言葉の響きなどは、それぞれの芸術家一個人の人間性から生まれてくるものだと思う。それだけに、多くの人を惹き付ける作品を生み出す芸術家は、それだけ魅力的な人格を有...続きを読むPosted by ブクログ
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短編集だが、表題作にでてくる「優しくってすこしばかなパン屋」のくだりを読むと、ダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」を思い出す。
何ということのないカップルの、グダグダした時間が、ふんわりと温かくて心地よい。とてもかわいらしいお話です。
表題作以外はあまり覚えてない…。Posted by ブクログ -
原田宗典の小説。
エッセイと小説のギャップに惚れ込みます。
ほのぼの、まるで自分の日常のようなストーリーと、ちょっと斬新な文体が魅力的な一冊。Posted by ブクログ -
本当に「人間らし」くて腹の黒い作者が書いたんだろう。
けど、その厭味な感じが、くせになる。
この本と原田宗典の存在を教えてくれた人に感謝したい!Posted by ブクログ