あらすじ
男は、いけない。女もいけない。いけない二人が一緒にいるから、なおいけない。けれど一人じゃいられない。答えは出ないと知りながら、次から次へと問題提起。重なったり、離れたり、擦れ違ったり、傷つけたり。危うい男と女の関係を縒り合わせて編んだ、問題の多い六つの中短編。第八回すばる文学賞佳作受賞作品を収録の、原田宗典の第一作品集。
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短編集は、作者の技量が問われる。
コンパクトにまとめる技量もそうだが、限られた字数の中でいかにして厚く、重みのある作品に仕上げるか。
僕は短編集というものが嫌いだ。
でも彼は短くとも、それがたとえ3ページのものでさえ
作品の中に重みを与え、僕らを熱くしてくれる。
彼は、いい。
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短編集だが、表題作にでてくる「優しくってすこしばかなパン屋」のくだりを読むと、ダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」を思い出す。
何ということのないカップルの、グダグダした時間が、ふんわりと温かくて心地よい。とてもかわいらしいお話です。
表題作以外はあまり覚えてない…。
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原田宗典の小説。
エッセイと小説のギャップに惚れ込みます。
ほのぼの、まるで自分の日常のようなストーリーと、ちょっと斬新な文体が魅力的な一冊。
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本当に「人間らし」くて腹の黒い作者が書いたんだろう。
けど、その厭味な感じが、くせになる。
この本と原田宗典の存在を教えてくれた人に感謝したい!
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原田宗典の第一作品集。
表題作以外はホラーともサスペンスとも言えるけれど、一定しているのはすべての作品には男と女の関係を紡いだもの。だけど改めて内容紹介の「男は、いけない。女もいけない。いけない二人が一緒にいるから、なおいけない。けれど1人じゃまたいられない」を読んだ時、表題作も含めて、その関係がすでに奇妙だと膝を叩かざるを得ない。怖いもの見たさ・ではないけれど、人は奇妙な物や人物に惹かれるんだなとも。優しくって少しばか。だけど、時にホラーな作品集。
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表題作『優しくって少しばか』以外は何だかサスペンス気味の作品ばかりで表題作やタイトルで購入した私はちょっと面食らった。表題作からのギャップが激しいから恐らくそれも狙っているのだろうけど。表題作は風邪ひきの男女の室内での話。文体に特徴があり、実際に話しているような軽快なテンポが。全体的にしあわせな雰囲気が漂っており心地よい。
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「やや黄色い熱を帯びた旅人」から個人的原田宗典ブームのときに購入した1冊。
甘たるいような男女の短編集かと思っていたけど、表題作以外はミステリー?サスペンス?の要素が強くて、自分が思っていた著者のイメージと異なるが面白かった。
著者の書く繊細な心理描写、人の、特に男女のやり取りの生々しさはすごい。世の中の多く男性がおそらく思っているが、口にしないことがたくさんあったと思う。言っちゃダメ・思っちゃダメでしょ!とひやひやした。表題作は、文章の読点・句読点・改行が少し変で、その部分から考えが溢れ出てくる雰囲気を感じた。パン屋もこの二人も優しくって少しばかで、愛くるしいと思えた。今風にいうとエモいんだろうか。
何か知識とか得たくて読書することも多いけど、このくらい余裕のある読書もいい。面白かった。
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原田宗典のエッセイはよく読んで知っていたが本書を読みはじめてみたら小説だった あまり期待せずに読み進めるが意外と全編面白い それもそのはず第八回すばる文学賞受賞作品が収められている 表題作以外はちょっと不気味で怖いお話し 好みなのは「優しくって少しばか」かな 登場する女性がとっても魅力的で可笑しくってキュートで笑える
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短編集。
優しくって少し ばか
題名がいい。話もいい。
一部の人にだけウケる映画みたい。
男性側から見た女性と男性の違い。
その違いがわかるけど理解できない。
そんな短編集。
怖いわホント。
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本全体が、優しくって少しばか、ってかんじ。この優しくって少しばかを大事にしたいって書いてる本ってこの世にものすごくたくさんある気がするから、みんな心の底ではこういうの求めてるのかなあ。危うい揺れ動きが面白い場面設定で描かれているものが六短編。全部ひやっとするかんじなんだけれども、これはたぶん本としての本質的なひやっとではなく、筋としての脚本的なひやっとかな、と思う。女のひとがかく男女の揺れ動きは時々ありえないほどの寄り添いの波が押し寄せて、それがすきなんだけれども、男のひとがかく男女の揺れ動きはそれはそれでとても興味深い。一線かくしているし、女のひとの観察がすごくて、はっとさせられた。
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表題の小説はタイトルどおり、やさしくって少しだけ おばかさんな雰囲気が漂う、そんなホンワカしたお話。
私、物語が月日を追って進んでいくものよりも、この小説のようにその一瞬をすくいとったモノローグのような文章がすごく好きなんですよね。
心がすこし優しくなれて、このまま ばかのまま生きていくのでもいいかなぁ……なんて思えるようになる。
そんなお話です。
その他の内容は、読んでからのお楽しみに(笑)
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タイトルみただけで、キュンとしてしまいます(笑)
短編集になっているのですが、最初の『優しくって少し ばか』が好きでした。
ありふれた生活の中にこんな幸せがつまってるのかあ。
大切な人が傍にいるっていいなぁ…。笑
句読点を使わないことで、熱を出している時の怠さがそのまま伝わってきました^^
他の作品はちょっと毒々しさがあるけど、それはそれで好きかもしれない
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6つの恋愛小説短編集です。表題作は好きでした。熱を出した恋人同士がちょっとしたことでケンカになる微笑ましいストーリーでした。でも他の5編に出てくるヒロインはなんでみんな不気味なんでしょう。男性はこういう不気味ちゃんに惹かれるのかしら。
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原田宗典さんはエッセイが面白いけど、小説は不気味というかちょっと怖いところがある。だけどそれが良くて、日常の裏にあるみんなが持ってる暗い部分が面白いのかもしれないと思う。無理に深くしようとしてない、自然な進み方がすき。恋愛の話だけど、奥が深くて、難しい。私はこのひとの本がすきなひとを好きになりたい。好きな人に読んでほしい本。
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みんなそうだ
優しいフリをしたり
狂っているフリをしたり
そうやって人生に味をつけてる
男と女、表と裏、凸と凹
そうやって無理やり合わせようとするから
ほらいつのまにこんなに
ずれていくんだよ
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表題作の男の語り口が、不思議な改行のされ方でまた、独特な雰囲気になっているようです。
とても幸せな感じがします。
その他の作品は不気味でミステリアスな雰囲気が漂っているものが目立ちます。
精神的に崖っぷち的な怖い感じがします。
この短編集に惹かれるのは、対照的な作品に惹かれてのことなのかもしれない。
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『優しくって少し ばか』では男っていうのはほんとにばかで愛しい生きものだと思った。庄司薫をちょっと思い出した。もちろんDVとかもあるみたいだからすべての男ってわけじゃないんだろうけど、基本的に弱くてやわらかくて壊れやすい女の子にはやさしくするようにプログラムされているんだと思う。そういう意味ではもともと男女は平等じゃないのかもね。
同じ異性の人を長きにわたって愛し続けるっていうのはかなり難易度が高いと思う。だって、男女の考え方ってほんとに違うもの。恋人や夫婦の関係であっても、それぞれの性の素を出したら上手くいかないんじゃないかな。男は好きな女性の前ではカッコよくありたい、女性は好きな男の前では可愛くありたい、って頑張るからいい恋愛が保てるんじゃないかっていうのがオイラの持論だ。いくら長く連れ添っても、馴れ合いになって互いにそういう努力ができなくなったらいい関係を保てなくなると思う。長く一緒にいたら自分のことを何でもわかってくれるなんて都合のいい考え方なんだよな。というわけでやっぱり「例のパン屋さん」の主人みたいな人がホッとするのである。
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表題作がなかなか独特な文体ながら、じつにこの…あまーくぬるーい、男女の生々しい感じがすごい。明るい外の光を閉ざして薄暗い部屋で貪るむやみやたらな幸福感というか。風邪をひいて部屋で二人、というのがいいんだろうな。
表題作もよかったけど、個人的には「ポール・ニザンを残して」が一番好きかもしれない。シャレオツ。
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6つの短編
一つが表題の「優しくって少しばか」
全体的に綺麗だけど、オチがいまいち.というかそのタイトル、コピーとして綺麗だっていうだけでお話としては生かされてないじゃんっていう.
リンゴ、雑が谷、世にも奇妙な物語ぽい。もしかしたら原作になってるかも。
正直、ありきたりだなって思ってしまった.
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表題作は、風邪をひいた男女が仕事を休んでベットで横になりながら、とりとめもない話をしています。そんな二人なんだけど、どこかいとおしく感じるお話でした。
何かの対談で表題作を湊かなえさんがお薦めしていて、有川さんとお話をされていたのをみて、読んでみました。
表題作以外は、背筋が寒くなるようなお話が多くてちょっと苦手でした。
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あぁやっぱりこの文体って変だなぁとか思いつつも結構今もブログとかで使っちゃうんですよねまったくグダグダしてるだけの描写なのになぜかそれが
また
愛おしかったりしてまぁちょっと真似てレビューも書いてみたりとかしてみたりして
。
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6つの短編集。
どれもこれも、やりとりや心情の描写がとってもリアル。
読んでいて苦しくなるくらい。
だけど、不気味さもただよう。
結局のところ、標題作に出てくる二人の関係がいいんだろうな。(この話は主人公が第一人称なので、すべての細かい心情まで書かれている!すごい!つかれるけど、濃い!)
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題名に惹かれて購入。
なんだろう、会話や描写がとても生々しい。それがとても不気味で怖い。
全体的に恐怖が見え隠れする作品集だった。
そんな中、表題の「優しくって少しばか」は、雰囲気が好き。
句読点のない語り、独特の改行。
小説というより、詩集みたいだ。
最初は慣れないけど、読み進めるうちに、独特のテンポに引き込まれていきます。