原田宗典のレビュー一覧
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この本を読むと、旅に出たくなる。
小さな世界のなかで生きるのも、それはそれでいい。
でも、世界はこんなにも不思議に満ちているのだと思うと、
今すぐ、計画もなしに、ひとりで旅立ちたくなる。
『旅の短篇集 春夏』原田宗典
今年の本屋大賞「超発掘本!」に選ばれた本書。
世界各国の旅先で出会った、
ちょっぴり不思議な出来事。
それが知的で、ウィットに富んだ文体で綴られていく。
異国だからこそ、
こんな幻想的なエピソードがしっくりくるのかもしれない。
どのお話も、たった2ページで読めるショートショート。
寝る前に1話ずつ読めば、きっといい夢が見られるし、
移動時間に読めば、たちまち異国へと -
Posted by ブクログ
本屋大賞超発掘本!に選ばれ、紐解きました。あのラジオ深夜番組「ジェットストリーム」で読まれていた短篇を集めたそうです。夜のしじまが街を包み、曲と曲のぽっかり空いた空間に、原田さんの旅の思い出みたいな「掌編小説」が流れていったようです。いつも序破急で構成されていて、世界の街のちょっとした事実が、少し歪んで、やがてストンと何処かに落ちるのです。約130篇、出来は玉石混淆です。
ロンドンのクロムウェル・ロードでのイグアノドンからの伝言、
コート・ダジュールの囁いてくれる巻貝、
イスタンブールのホテルのアガサ・クリスティーの執筆部屋で聴こえる列車、
スペイン・アンダルシア地方で美女に飲まれるワインに -
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ネタバレどんだけぶりだろう、ハラダムネノリ
学生の頃大好きだったんだ
劇団も見に行ったな〜(遠い目)
本作の主人公が
その頃作者に持っていたイメージと重なって
読みながらなんだかしんみり
隣のほったらかされてる子供達を
助けてあげるオジサン
誰が書くかで
これ全然違う話になりそうだし
どこに焦点当てるか
誰目線かでも感じ方も変わりそうだけど
なにしろハラダムネノリだもの
信じて読める
お願いだから
嫌な話にならないで
オジサン酷い目に合わせないで
と祈るような気持ちで読み進めた
ネグレクトかと思われたけど
お母さんも悪い人間ではなかった
優しさや心遣いがちゃんと
人を助けて報われてよかった
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Posted by ブクログ
「やや黄色い熱を帯びた旅人」から個人的原田宗典ブームのときに購入した1冊。
甘たるいような男女の短編集かと思っていたけど、表題作以外はミステリー?サスペンス?の要素が強くて、自分が思っていた著者のイメージと異なるが面白かった。
著者の書く繊細な心理描写、人の、特に男女のやり取りの生々しさはすごい。世の中の多く男性がおそらく思っているが、口にしないことがたくさんあったと思う。言っちゃダメ・思っちゃダメでしょ!とひやひやした。表題作は、文章の読点・句読点・改行が少し変で、その部分から考えが溢れ出てくる雰囲気を感じた。パン屋もこの二人も優しくって少しばかで、愛くるしいと思えた。今風にいうとエモいん -
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放蕩生活に身をやつした主人公の長坂誠は、今や65歳。
なんとか放蕩生活から逃れようと、心機一転東京へ出てきた。
そこで派遣社員として物流倉庫のフォークリフトの運転手として職を得て、今に至っている。
経済的には楽ではなく、住まいは築40年を過ぎたボロアパートで、家賃が3万8千円の6畳一間の時代に取り残されたような住まいだった。
ある日、共用スペースに置いてある洗濯機の水道栓から、隣の部屋に住んでいる少女が水を汲んでいるところに誠は遭遇する。
事情を少女に尋ねると、ガス、水道、電気が止められていると言う。
20日前、直ぐに帰るからと言って1万円を残して出掛けたきり、母親が未だ帰ってきていないと言 -
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表紙のデザインの色とタイトルを見て、
希望を感じる話だとは、あまり思わないだろう。
65歳の自分はもうおじさんではなく、おじいさんだと人生を半分諦めてしまっている主人公、長坂誠が、母親に置き去りにされてしまったアパートの隣人の姉弟を、親切(お節介)に世話する物語。
自分の辛い境遇はさておき、姉弟のために奔走する。優しい、優し過ぎる。こんないい人いないだろう、と思うほど彼は優しい。
やがて彼の優しさに姉弟は心を開き、特に自閉症の弟は、好きな書道で才能を開花させる。
最後の方は話が、多少、支離滅裂になっているようにも思うが、お伽話のような展開で、道が開かれていく希望のラストが心地良い。
以前、著者