原田宗典のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ楽にせよ絵画にせよ文学にせよ、世に言うアーティスト・文化人はその作品でかつてこれまでに多くの人々を魅了してきた。メロディーの美しさや色彩感覚、言葉の響きなどは、それぞれの芸術家一個人の人間性から生まれてくるものだと思う。それだけに、多くの人を惹き付ける作品を生み出す芸術家は、それだけ魅力的な人格を有しているのではないだろうか。と、まあ堅苦しいこと書いてみたけど、これって結構真実だと思う。曲はいいなあと思うアーティストでも、ライヴのMCとかでキライになっちゃうこととかあるしね。
この作品を読むと作者の人情味というか温かさがひしひしと伝わってくる。普段おどけた語り口で話が進むぶん、ときおり顕われる人情味を秘めた鋭さにはっとさせられる。多少なりとも現実を脚色しているのだろうが、作者の人柄がよく出ている作品。家族編、恋愛編、青春編に分かれている。
千の言葉よりも、一球のカーブ。
これだけで息子というのは父親を尊敬してしまうものである。
やっぱカッチョ悪い恋愛をいくつもしないと、人間の輪郭がしっかりしてこないのではないか、というのがぼくの持論である。
こういう二人を祝福しない神様なら、そんなものはこっちからお断りである。
愛があっても、どうすることもできないことが世の中に存在するのだと悟るべきである。 -
Posted by ブクログ
そういえば国語の教科書に、死を題材にしたこの人の話が載っていた。
ちょっと不思議なお話だった気がする。
そのとき、この作者の紹介文があったのだけれど、高校でわたしの大好きだった国語の先生はこの人のことこきおろしていた。
「軽い」って。ばからしいって。
さて、この作品はそんな作者の、若いころを振り返って書かれたエッセイ。
その中でも「はたらく青年」のタイトル通り、経験したアルバイトにまつわるお話が収録されています。
面白かったです。部屋でおなかかかえて一人で笑いました。
テンポがいい。
そして気取らず正直なところもいい。
ちょうど大学のころの話が多いけど、若さゆえの勢いとか、ばかみたいな考え方とか、逆にすかっとしてわたしは好きでした。
そして読みながら始終考えていたこと。
作者は早稲田大学の文学部に入り、自分に酔った文章を書いたり本を読みふけったりバイトに明けくれたり留年したりあんまり真面目な生徒じゃなかったらしい。
わたしが大学に入ってから例の、大好きな先生の家に遊びに行った。
そこで大学時代の話を聞いた。
真面目でなく、読書に明け暮れ、悩める自分に酔いながら(本人はそんなことは言ってないけど、間違いなくそう)、いつまでも大学でぐずぐずしていたって―――
わたしは文学青年原田に、先生の若き日の面影をみた気がしたよ。
つまり、あれでしょう。
同族嫌悪。 -
Posted by ブクログ
おもしろすぎ
「なるほどこれはおもしろいのである」
と本人が自画自賛するとおり なるほどこれはおもしろいのである。
「「俺って才能あるんだもんね。必ず小説家になるんだもんね。
そういうふうにきまってるんだもんね。」と信じて疑わず、どんな
苦悩や窮乏も、どうせ全部小説にしてやるだもんね」」
と前向きに生きてきた彼の偉大なる信念がここに表れています。
子供の頃や思春期のなんとも言えないおバカでエッチな心の動きや
言動を、ソフトな言葉とハードな学問用語の絶妙な「原田的言葉の魔術」
で惜しげもなく表現。「川原泉」に通じるところがあるかもと感じました。
でも もっと読みやすいのよね。他になんと言えば、いいの このおもしろさ。