原田宗典のレビュー一覧

  • メメント・モリ

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    原田宗典と言えば、軽妙な文章で抱腹絶倒のイメージ。それが久々の小説で、タイトルが『メメント・モリ』とくればやはり気になる。人の生死について、虚実とりまぜて語られた本書。死んでいてもおかしくなかった。だけど、生きていてこれからも書いてくれる。それが確認できてよかった。

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    2016年06月01日
  • メメント・モリ

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    心許ない気持ちになって、だんだん不安になっていく。いつ、すとんっと落ちてしまうかわからないようで。死を想うことから始まり、幼子の健やかさで終わることに、再生を期待させる。

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    2015年12月24日
  • はたらく青年

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    労働に関わる短編小説かと思って読み始めたら、筆者の大学時代を中心に行ったアルバイトの経験談だった。多くの場合、責任を取る立場にならないような短期アルバイトというのは、いろいろな人生の中におけるネタになるもんで、本書もそれに準じている。

    ガソリンスタンドのバイトから始まり、エロ本の配達まで、なかなか普通の人が経験することのないアルバイトにおいて、そこでの変わった出会いを、ハラダ流の文章で調理されているわけで、当然ながら面白く、サラッと読める。

    ただ感想を言えば、予想していたよりは、まあそれほど変なアルバイトも無く、その原因に肉体労働を避けていたというところもあろう。

    大学生で、どういうバイ

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    2015年10月05日
  • 十七歳だった!

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    今で言う厨二病のような、原田少年の高校時代。高い自意識、見栄っぱりな会話、不良少年への憧れ、エッチな本への苦悩。根は真面目な原田少年が精一杯背伸びした青春時代。

    笑ってしまって電車で読めないと聞いて家で読んだが、わたしにとっては電車内でも問題なく読める作品だった。

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    2015年09月25日
  • 人の短篇集

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    短編集ではあるのですが、実験的なほどに短く、特に印象を持つ前に終わってしまった感じでした。この作家の作品、大学時代によく読んだなぁ。

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    2015年08月31日
  • 優しくって少し ばか

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    表題作は慣れるとあの文体も味があるように感じられる。表題作以外はどれも結構不気味。そして出てくる男性も女性もほんと愚か。

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    2015年04月25日
  • ハラダ発ライ麦畑経由ニューヨーク行

    eA

    購入済み

    ライ麦畑が作家に与えた影響とは

    名作「ライ麦畑でつかまえて」の作品の切り口から、ニューヨークの旅行記を綴った作品。
    しかし時の流れで、ライ麦の主人公が歩いた1950年代と、現代のニューヨークでは、あまりにも乖離があり、その試みは難しかったのかもしれない。また、著者が英語を話せない事もあるのだろうが、現地での交流は希薄に思えた。
    とはいえ、若い時分に影響を受けた作品の軌跡を、中年を過ぎた作家が実際に訪れて感じる様は、とても素直で肩肘をを張らず、読んでいて自分もニューヨークをほっつき歩きたい気分になれる。学生時代等、若い時に「ライ麦畑でつかまえて」を読んだ世代には、共感する部分が多いと思う。

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    2014年11月23日
  • 東京見聞録

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    視点がとても面白い。やはり、書くべくして書いているひとは、普通のひとが思いつかないような、見えていないような、そういうものを書いてしまうのでしょう。早く帰還して、わたしは彼の新たな作品が読みたい。

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    2014年04月27日
  • かんがえる人

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    村上春樹は、35歳は人生の折り返し、と書いた。これは筆者がその妙齢で書いたエッセイ。“中年の壁”の入り口で、必死に“らしさ”を模索して、日常にカッと目を凝らす、筆者のもがきを感じたり。かるーいテーマのなんだけど、10代のそれとは違うほろ苦な人生の未来を、なんだか予習した気分。内容は右脳編に味わいあり。

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    2013年11月21日
  • いろはに困惑倶楽部

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    読書録「いろはに困惑倶楽部」3

    著者 原田宗典
    出版 角川文庫

    P173より引用
    “ところが時に、我慢してもその先に幸福な新展開がない我慢、
    という何とも厄介な局面を迎えることがある。御褒美のない我慢
    とでも申しましょうか。ただ我慢するだけ、世の中で一番辛いの
    は、正にこれだと僕は思う。”

     目次から抜粋引用
    “痛い
     若気の至り
     粗暴
     見聞録
     戦慄”

     コピーライター、エッセイスト、小説家、劇作家と多方面で活
    躍する著者による、読者投稿にコメントを付けエッセイと共にま
    とめた一冊。
     人間ドックについてから犬についてまで、いろは歌に合わせた
    お題への投稿とイラストが良い味わいで

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    2013年11月20日
  • 東京見聞録

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    読書録「東京見聞録」3

    著者 原田宗典
    出版 講談社

    P14より引用
    “つまり東京とは、金を持っているか持っていないかによって、
    目に映る風景がぜーんぜん違う街なのである。”

     コピーライター、小説家、エッセイスト、劇作家と多方面で活
    躍する著者による、東京のヘンで面白い部分を紹介する一冊。
     渋谷から東京駅まで、著者自らが歩き回って集めたであろう情
    報が盛り沢山です。

     上記の引用は、プロローグでの一文。
    金持ち以外お断りの街ということのようですが、それほどお金を
    持っているはずのない大学生が住む所もあるように、他地方に住
    んでいる人に聞こえる話を聞きます。そんなところで大学生が育

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    2013年10月21日
  • しょうがない人

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    読書録「しょうがない人」3

    著者 原田宗典
    出版 集英社

    P18より引用
    “メロンは偉い。
     ごくたまに果物屋の店先などを覗くと、それはいつも少し高い
    場所に飾ってある。”

     コピーライター、小説家、エッセイスト、劇作家と多方面で活
    躍する著者による、普通の人々の日常を描いた短篇集。
     メロンを買う話から表題作まで、4篇の穏やかな文章の作品が収
    録されています。

     上記の引用は、メロンを買いに行く話での一文。
    高級なものは桐の箱に入っていたりしますよね。自分一人で一軒
    家を持っているようなもので、私よりずっと立派です。私の口に
    入ることはこの先も無いでしょうから、関係のない話と言えば関

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    2013年10月20日
  • 人の短篇集

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    再読。この人がうつになったあたりから作品を読んでいなくて、久しぶりにどうされてるんだろ?とググッてみたら、ダブル不倫だの離婚だの愛人に子供が出来ただの破天荒なエピソードばかりヒットして驚いた。なんだかんだ、いいパパでいい旦那さんぽかったのに。でもこの短編読むとダーク宗典さんはこのときから健在なんだな。マハさんとは仲良し兄妹でいてほしいな。

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    2013年05月20日
  • 27

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    現在23歳の私からすると、少し古い言葉使いに感じられたけどそれでも軽く読めてよかった。しかし、あとがきに仰々しく注意書きしてあるが、噴き出すほどではなかった。世代の問題かもしれない。

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    2013年04月11日
  • スバラ式世界

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    「スバラ式世界」3

    著者 原田宗典
    出版 集英社

    p145より引用
    “何しろタイはバイクに関して免許がいらないのだから、ナナハ
    ンだろうがハーレーだろうがおかまいなしに乗れるのである。”

     コピーライターである著者による、日々の出来事を描いたエッ
    セイ集。
     目の悪いことの悩みについてからバイクについてまで、面白お
    かしく楽しい文章で書かれています。

     上記の引用は、タイにおけるバイク事情について書かれた項で
    の一文。何とも言えず大らかな国だと思いますが、事故が起きた
    ときに逃げ得になってしまいそうな気がします。
     p94から掲載されている体験記は、痛いことが苦手な方は読まな
    い方がい

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    2013年03月11日
  • 十七歳だった!

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    「十七歳だった!」3

    著者 原田宗典
    出版 集英社

    p122より引用
    “ぼくはまあ基本的にはマニュアル文化に対して批判的な立場で
    はあるけれど、「自分をよりカッチョよく見せたい!」という高校
    生の願いまで否定するつもりは毛頭ない。”

     コピーライターである著者による、著者の若かりし頃の体験を
    描いたエッセイ集。
     恋心についてから体育祭についてまで、気軽で楽しい文章で書
    かれています。

     上記の引用は、ファッションについて書かれた項での一文。
    マニュアル通りに真似したとしても、雑誌のモデルと同じように
    かっこ良くなれるかどうかは、本人の資質がものをいうのではな
    いでしょうか。同じ格好を

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    2013年03月07日
  • 何者でもない

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    登場人物は、魅力的に見えたり最低に見えたりで振幅がとても大きかった。とても人間味のあるキャラクターたちだったのだろうと思う。

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    2012年12月24日
  • 優しくって少し ばか

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    6つの短編
    一つが表題の「優しくって少しばか」
    全体的に綺麗だけど、オチがいまいち.というかそのタイトル、コピーとして綺麗だっていうだけでお話としては生かされてないじゃんっていう.

    リンゴ、雑が谷、世にも奇妙な物語ぽい。もしかしたら原作になってるかも。
    正直、ありきたりだなって思ってしまった.

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    2012年11月30日
  • たまげた録

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    ゆるいエッセイで、久しぶりの宗典節で懐かしい感じがした。
    表紙の太巻きは読んでみると分かる。
    後半は読書スピードが上がらなかった。

    呼吸がアンバランスは今の私に響いた。

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    2012年06月11日
  • 考えない世界

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    以下の一文一文にさらさらと絵を描ける人がいる!恐ろしい。

    むかし考えることをすべて考えつくした男がいました。
    だから男はもう考えるのを一切止めました。
    すると目の前にいきなり見たこともない世界がひろがりました。
    これは考えるのを止めたからだなと男が考えるなり目の前の世界はあとかたもなく消えてしまいました。
    考えるのを止めるとたちまち現れる考えない世界というものが実はあるのです。
    例えば今もあちこちで眠るという現象が起きてますがあれは考えない世界の影響によるものなのです。
    考えない世界がどんなものなのか考えようとしても無駄です。
    誰にも考えつくことはできないでも考えない世界はあるそれはもう確か

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    2012年06月05日