• 掟上今日子の推薦文(単行本版)
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    忘却する前に解決

    面白い。忘却探偵が事件を解決するには迅速に謎解きをしなければならない。この必然性が生み出すストーリー展開は、これまでの推理小説とは一線を画すスピード感に包まれている。二時間モノの推理ドラマでは味わえない小気味良さが物語全体を包んでいる。
    謎解きが最速で進んでいく快感は今日子さんシリーズでしか味わえないですよ。
    ただし、謎のいくつかは少し単純すぎるきらいがあります。簡単でもいいんですけど、簡単な謎と難解な謎が同列で扱われてるのが、ちょっとした不満です。

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    2015年06月12日
  • 掟上今日子の備忘録(単行本版)
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    テレビアニメ化待ったなし

    一日ですべてを忘れる忘却探偵。これほど30分番組のアニメに相応しい設定があったろうか。それでいて痛快にスピーディに展開する推理。メディアミックス時代の寵児が放つ探偵浪漫。はやく次作が読みたいです。

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    2015年01月09日
  • ハラダ発ライ麦畑経由ニューヨーク行
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    ライ麦畑が作家に与えた影響とは

    名作「ライ麦畑でつかまえて」の作品の切り口から、ニューヨークの旅行記を綴った作品。
    しかし時の流れで、ライ麦の主人公が歩いた1950年代と、現代のニューヨークでは、あまりにも乖離があり、その試みは難しかったのかもしれない。また、著者が英語を話せない事もあるのだろうが、現地での交流は希薄に思えた。
    とはいえ、若い時分に影響を受けた作品の軌跡を、中年を過ぎた作家が実際に訪れて感じる様は、とても素直で肩肘をを張らず、読んでいて自分もニューヨークをほっつき歩きたい気分になれる。学生時代等、若い時に「ライ麦畑でつかまえて」を読んだ世代には、共感する部分が多いと思う。

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    2014年11月23日