原田宗典のレビュー一覧
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ネタバレ私が中学生の頃、姉がこの人の本面白いよと貸してくれたのをきっかけに原田さんの作品を読み始めました。エッセイで腹を抱えて笑ったり、不思議な世界観の虜になったり。原田さんの作品が大好きでした。しかし、今回この作品で正直、かなり引いてしまいました。クスリ、女性関係等。けれども、なぜか読み進めてしまいました。多分彼の書く文が好きだからだと思います。
読後は、何となく筆者の抱えるどうすることもできない冷たい泥のようなものが読者の自分にも流れ込んできたように感じました。
余談ですが、途中、夫婦喧嘩の場面で“犬より上と思って生きてるつもりはないけれど、犬以下と言われると云々…”のところで笑ってしまいました -
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最近は特に目立った活躍を聞かない著者だが、かつて爆笑エッセイといえばこの本が真っ先に挙がるぐらい大人気を呈した本書。特に雑誌『ダ・ヴィンチ』創刊時はこの人を出せば部数が伸びると云わんばかりに(恐らく実際そうだったのだろう)頻繁に登場していた。
かく云う私も同雑誌上で連載されていた『おまえは世界の王様か?』を面白く読み、それがきっかけでこのような読書メモを残すようになったのだから、影響を受けているのは間違いない。
というわけで前口上が長くなったが、巷間で評判の高い本書をこの21世紀の世で読んでみた感想はどうにもあざといといった感じ。
エッセイはさらっと書いて笑わせるのが技法として素晴らしいと常 -
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オイラが知る原田宗典は軽口、軽薄なイメージなので「しょうがない人」を面白おかしく笑わせてくれると思っていたらちゃんと小説していた。おかげで切なくなってしまった。他の三篇も同様で読んだ後はセンチメンタルな気分になる。どの主人公の「ぼく」も生活の中の何気ないことや物に幸せを見つけそうな人だ。だけど読んだ後に残るのはハッピーなものじゃなくてどんよりした気分。昔だったらアンニュイなんて言ったのかなぁ。「すれちがうだけ」は見ず知らずの人の立ち聞きだ。立ち聞きそのものがあまりいいものではないけど、オイラならこの内容の立ち聞きは進んでしないなあ。バスは仕方ないにしても、フェリーの方はオイラならその場から立ち
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『優しくって少し ばか』では男っていうのはほんとにばかで愛しい生きものだと思った。庄司薫をちょっと思い出した。もちろんDVとかもあるみたいだからすべての男ってわけじゃないんだろうけど、基本的に弱くてやわらかくて壊れやすい女の子にはやさしくするようにプログラムされているんだと思う。そういう意味ではもともと男女は平等じゃないのかもね。
同じ異性の人を長きにわたって愛し続けるっていうのはかなり難易度が高いと思う。だって、男女の考え方ってほんとに違うもの。恋人や夫婦の関係であっても、それぞれの性の素を出したら上手くいかないんじゃないかな。男は好きな女性の前ではカッコよくありたい、女性は好きな男の前では -
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不覚にも、原田宗典が復活していると知らなかった。
原田宗典は、小説もエッセイもよく読んだ。
本棚には原田宗典の本がたくさん並んでいる。
クスリで捕まったのをニュースで見た。
鬱で苦しんでいたとも報じられていた。
だから「もう、読めないんだな」と思っていた。
たまたま、小説誌の新聞広告で見つけた「原田宗典」の文字。
「えっ、復活してるの?」
ネットで検索したら出てきた『メメント・モリ』。
すぐに読んだ。
私小説なのだろう。
潜っている間の原田宗典のことを描いているようだ。
フラッシュバックのように次々と場面が変わる。
重く、暗い話が多いのだが、
原田宗典らしい軽妙な筆致も健在。
思わずニヤ -
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4編の短編からなる1冊
?メロンを買いに
?ミズヒコのこと
?すれちがうだけ
?しょうがない人
?ミズヒコのこと
・無痛覚症、どんなことをしても痛みを感じない病気
・ひょんなことからこの言葉を知り、過去にあった出来事がこれにつながるのかと感じる主人公
・針などを体にさし、それで痛みを感じない、でもちがめちゃでる・・
・そんな子がいた・・・じぶんでもどうすることもできない病気・・
?しょうがない人
・無免許運転につかまった父を引き受けに行く主人公
・気取ってはいても気弱さがある
・うっとうしく感じる反面、息子の父へ対しる温かさも伝わる作品 -
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「本家」「元祖」「スッゴク」など、中島らもの「明るい人生相談」並に間違えて2冊買いをやらかしかねないシリーズの1本目。高校生の時にやらかした失敗談から、バイクにまつわる話など、少々まとまっている。
ショーモナイ話をそれなりに読ませてしまう原田エッセイではあるが、この本ではまだ荒削りで、「こういうことは二度とやるまいと思った」みたいなシメが多い。
著者の文として、日常のエッセイ部分がある意味醍醐味なのだが、医者の話などは、一般論を打っていたりするので、まだスタイルが固まっていなかったのであろう。
33歳(独身?)というそれなりに若い時代の話であるから、家族が絡んだめんどくさい話などは殆どな