おおたとしまさのレビュー一覧
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ネタバレ小〜中学校にかけての基礎知識の機械的反復、学習習慣定着、自己肯定感の育成、短中期的な計画性の育成が、その後の学習にどう影響を与えるのかを科学している。公文式経験者は自分の記憶に沿って、あの時の時間・経験がどう人生を形作ったか、あるいは作らなかったかを具体的に振り返ることができる。
1970年には外部の評判と保護者の要望から、文章題や図形問題を教材に組み込んだが、子供たちの自学自習のスタイルが崩れ逆効果。質ではなく量の調整による「やる気」を生み出すことのできるスタイルが公文式の偉大さか。
話題の入試改革でも「これから必要なのは思考力」と叫ばれ続けているからこそ、この機械的基礎反復のシステムが -
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ネタバレ公文式の利点および欠点を、複数のインタビューの内容から考察した本。東大生にはそのうちの「利点」を活用した人が多い印象か。
公文式から得られるものはもちろん学力もそうだが、それよりもむしろ、学習習慣や達成感、継続性などの方が多い。それを小学校あたりから取り入れることで、難なく学習習慣を手に入れることができる。
逆に、公文式では思考力を鍛えることはできない。公文式は特に計算力強化に特化した教材であるため、文章題は一切排除している。計算力があれば文章題も解ける、という思念に基づくものであるらしく、思考力は公文式の範疇ではない。
公文式の利点および欠点を理解したうえで、公文式を正しく活用し、正し -
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東大に在籍する女子を東大生と呼ばず東大女子と呼ぶことに、この国のジェンダー問題の根源があるのではないか、という。
東大卒女性の著書やインタビュー、一時期話題になったアメリカのスーパーキャリアウーマン、シェリル・サンドバーグの著書「LEAN IN」などからも引用があるのだが、これらの女性たちが語っていることが、問題の核心を見事に突いていて、鳥肌ものなのだ。
「私たちの社会は、性別に拘らず、他者の面倒を見る人より、自分のキャリアに時間をかける人を上だと考えている」(プリンストン大学教授アン=マリー・スローター)
という一文は、本当に突き刺さった。
しかし、女性でなく男性がこの問題を掘り下げて -
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ネタバレおおたさんの本は結構読んでいるのですが
語り口も面白いですし偏りの無い(感じさせない)
分析にいつも感心させられます。
息子が開成行くと息巻いていることもあり
(本当に行けるかは分かりませんが)
開成関連の本は結構読んできましたが
麻布や武蔵についてはあまり知らなかったなと感じました。
私立中学の中でも難易度・知名度共に最高峰に位置する
御三家だけあってそれぞれが明確なポリシーを持って
学校運営を行なっていることがよく伝わってきましたし
自分も御三家に行っていたわけではありませんが
それなりに名門と呼ばれる学校に通っていたので
普段の授業から言外の色々な知識などを受け取っていたのかなぁ
な -
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私がその大学と縁が無いからですが、この本の主題となっている、東大生女子と縁が私にはありません。なので、現役及び卒業生と実際に取材して書かれたこの本の内容は非常に興味がありました。
この本を読んで感じたことは、東大の女性は、東大の男性とも、他の大学を卒業した女性とも、違う対象として世間から見られていて、そのことを十分に理解している彼女たちは、それに対して、どうすべきかを考えた結果、行動をしている人が多いということです。
私が社会人になって30年になりますが、少なくとも日系の会社及び日本人男性が多くを占める会社では、男性を基準に制度がつくられていて、女性には不利な面が多く、この30年、ほとんど -
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公立中高一貫校に多くの合格者を送る塾である教育を通じて、適性検査に合格するための勉強を、採点ロジックや問題の読み方などから学びました。問題を見て瞬時に難易度と解法を見極め、パターンに準じた卒のない答案を作り上げる技術、なんともつまらない勉強であるが、それが受かるためのテクニックと言われれば、それまでであり、受かれば官軍、である。ともあれ、やはり、入学した後の同級生に魅力がある、にも異論はない。でも、enaで中学受験をし、落ちた人は少なくない。でも、高校受験に対して1年無料で平常授業を受けることができるなど、リベンジできる土壌もあり、ゆるい中学受験のススメ、そして2020年度以降予定されている大