おおたとしまさのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ何きっかけで読もうと思ったかは忘れました。
表紙やタイトルからはちょっと胡散臭い印象を受けたのですが(個人の感覚ですw)、なかなか良かったです。
以下、印象に残ったところ。
・「先行き不透明な時代には、いい意味で『出たとこ勝負』ができるひとに育てるしかない」(p.5)
・「イクメン」という言葉が市民権を得た2000年代後半。「これは喜ばしいことではあるのですが、現実的な男性たちの立場からすれば、従来の労働者としての責任に加え、家事や育児の責任も増えたということができます。」(p.20)
・『ルポ東大女子』より40代東大出身女性のコメント。「配偶者を考える場合は、好きとか気が合うとかという点のみならず、自分のプロモーションと女性がプロモートされることをイコールで考えられるひとかどうかまでを確認しておくべき」(p.27)
・性教育、オープンに話せばいいわけでも早ければいいわけでもない。子供の発達には段階があり、発達と共に感受性が増す。「発達段階を無視した性教育は、早期幼児教育と変わりません。」(p.33)
・「共学のパラドクス」。男子校では、女子マネージャーがおにぎりを握ってくれたり、洗濯をしてくれたりしない。女子校の文化祭では、重い荷物を運んだり、大道具を組み立てたりするのも、男手に頼らず女子のみでやり遂げる。逆に共学校の方が「男女両方がいるからこそ、大人たちの社会の性的役割意識がそのまま入り込んでしまう危険性があります。」(p.43)
・麻布中・高校長・平先生のコメント。「うちのいいところは、たまに心が女性の生徒がいたりしても、自然にそれを受け入れる雰囲気があるところ」(p.47)
・「AI時代だからこそ、ひとの感性による『補正』が重要になります。」(p.56)
・スマホとの付き合い方。「小さいときに火や刃物に十分に触れて、危険との付き合い方、距離の取り方を十分に学んでおいた子供は、その感覚をもとにして、便利だけど危険な文明の利器も比較的短期間で使いこなせるようになるのではないでしょうか。」(p.63)
・これからの時代(も)身につけるべき「読解力」とは。「新聞を一通り読解できるというのは、おそらく多くの大人が『そうあってほしいな』と考えていること。しかしそこから先に、“自分なりの批判ができる”という部分は、わりと意識されてないのではないでしょうか。」(p.69)
・人間は理路整然と間違える。論理が間違っているのではない。解決しなければいけない課題が大きければ大きいほど、正しい判断をするために必要な判断材料をすべて集めることなど原理的に不可能。不完全な判断材料は偏った前提を提供する。前提が偏っていれば、その上にいくら緻密な論理を積み上げたところで、正しい結論は得られない。同じことがAIにも言える。あらゆるデータを取り込んだところで、ほんのわずかな部分を切り取っただけに過ぎない。それをあたかもすべての情報と捉えて判断すれば、とんでもない結論になる。「つまり、これからはAIの時代といわれてはいますが、世の中の複雑な課題解決をAIに任せたら、かなりの確率でとんでもない結果になる。」(p.77)
・情報化できない情報「感性」。感性を育むには?灘・大森先生のコメント。実体験をいっぱいさせる。土の上を裸足で歩く、季節の感覚を味わわせる、電車に乗せる、動物を見に行ったり触らせたり。市場に行くといいが、なければスーパーでもいい。想像力を発揮するにはベースがいる。イメージの元、類推のベースを、小さいときにいかに作るか。どこに行ったかという記憶より、皮膚感覚が大事。(p.80)
・栄光学園中・井本先生のコメント。子供が没頭する2つの条件。「一つは自分のやり方で自由にできること。もう一つはモヤモヤが置かれる」こと。「自分の中にモヤモヤしたものがあると解決してスッキリしたいと思うでしょ。だから答えを言わないでしばらく放っておいたほうがいい」(p.89)
・海城の校長・柴田先生のコメント。「身近にあるちょっとした葛藤すべてが、自分を開くチャンス」。「たとえば電車の中でお年寄りに席を譲ろうかどうしようかもじもじしてしまっているようなとき。思い切って席を立ち、『どうぞ』と言ってその場を立ち去り、自らすがすがしさを感じた経験があるひとは多いのではないでしょうか」(p.115)
・「子供に何を教え授けるべきか」に終始する教育議論は、「使うか使わないかわからないようなアプリを片っ端からスマホにインストールするようなこと」。それよりも「スマホそのものの性能を上げておく」ような教育を。(p.118)
・「人生における『決断』の良し悪しは、決断したときには決まらない。決断したあと決まるのです。自分の『決断』を事後的に『正解』にできる力こそ、“正解のない時代”に『自ら正解をつくり出す力』になるはずです。」(p.132)
・「正解のない問いを問いとして抱え続けるということは、俗にいう“哲学する”ということです。」(p.139)
・心理学者ジャン・ピアジェによると、14歳くらいから高度に抽象的な思考ができる=哲学ができるようになる。哲学をし始めるからこそ、色々なことに疑問を持ち、葛藤を持ち、反抗する。しかし、日本の教育システムでは、14〜15歳という最も多感な時期に高校受験がぶつかる→中高一貫の価値(p.140-143)
・「『成功』をもたらすのは、IQの高さよりもGRIT(註やり抜く力)の強さ」(p.178)
・ぼーっとする時間を奪わない。「ひまなときにこそ、子供は自分の時間をどう使おうか考えます。自発性や主体性が芽生えます。自分が、何を好きで、何をしているときが幸せで、何を欲しているのかを感じ、自分自身を知る時間でもあります。」(p.181)
・灘の大森先生のコメント「もちろん少年の関心は変わります。変わったときに、『あなた、あんなことしてたのに、どうしたの?』でなくて、子供の変化をまた認めてあげてほしい。それをまわりの大人がありのままに認めてあげることができれば、子供は決してねじ曲がらない。私はそう思っています。」(p.197) -
Posted by ブクログ
内容はタイトル以上でも以下でもない。「サピックス」と「鉄緑会」という太いルートで日本のエリート層が形成されているという状況についてのルポタージュ。面白いです。
現代の知価社会は、様々な素質の中でも「頭が良い」ということに過剰な価値が付く時代。このレベルになると「頭の出来が元々違う」という何とも味家のない結論になる。そんな子女の皆さんが、鉄壁ルートで上昇し、数年で凡庸な平民とは別世界を形成している状況が分かりやすく説明されている。
面白かったのは、日本型エリートがきわめて同質性が高い状態にあること、あまり回り道をしていないことがメリットにもデメリットにもなりうること。とはいえ、エリートの転落みたいな話にはならず、元々の出来と積み上げが違うので部別の人生を歩もうと思えばすぐにできるので、何だかんだで楽しそうではある。
私のように、回り道しかなくて、生きる隙間を探しながら這い回っている者からすれば、なんとうらやましいことか。 -
Posted by ブクログ
教育業界はどんどん変化がある、から読んだのではなく、著者の別作品を読んでいて興味が湧いて手にとってみた。(正直、ほぼ真逆な方向性)
また、特に鉄緑会を採り上げてて、あの東大進学率が高い塾の特徴をどんな風に出すのかな、と野次馬根性が湧いちゃいました。
個人的になるほどなぁ、と思ったのは、超有名進学校も塾があるからこそ、自分たちのカリキュラムを受験に特化せず洗練(?)しつつ、進学実績を良いものが出せる関係になっていることでしょうか。前振りとして、進学校の先生方が内職で鉄緑会を代表とした塾の宿題をはじめ、あまり快く思っていない考えもあることが窺えて、その緊張感が面白いなぁと思いました。
あと、子どもに通わせたいとは思わないけど(親が大変なので)、サピックスの授業の中身は気になってしまった。。きっと面白いんだろうなぁ。 -
Posted by ブクログ
人気漫画「二月の勝者」とのコラボ企画、各キャラも立っていて、おおたとしまささんの言葉とマッチして刺さります。
P52
ただ1番になりたいだけの人は、
他人を蹴落とそうとする。
自分を高めたい人は、
他人の努力を尊敬できる。
ぜひ、後者になってほしい。
P74
テストの結果が悪くて、
悔しがるのも立派だし
堂々としているのも立派。
いちばん良くないのは、
結果から目をそらすこと。
P82
誘惑に負けそうになった時は、
誘惑に負けた後、
後悔している自分を想像してごらん?
そんな自分になりたくないという
気持ちが湧いてくる
P108
テストの成績がいいというのは
カッコいいけれど、
もっとカッコいいのは、努力を続けられること。
それは、人生最強の武器になる。
P172
大切な決断は、自分自身でしなさい。
他人にきめさせたら、
いつか何かうまくいかなくなったときに、
他人のせいにしたくなっちゃう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ有名な進学校の先生のインタビューコメントが載っているが、親としてはまずは「そこそこの知力と体力」を小学生のうちから身につけさせてそのレベルの学校に入れるまでハードルがあると思う。。
「AI時代に必要な力」とは以前より変わらず、これからの時代を生きていくために必要な力は、「そこそこの知力と体力」「やり抜く力」「自分にはない能力をもつひととチームになる能力」は同意。
これに「心底誰かを愛する経験」もなると運も必要そうだ。
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・14〜15歳という年頃は、旅に出て、書物を読み、冒険し、失敗し、仲間とぶつかり合うなかで友情を育み、親や先生以外のいろいろな大人の価値観に触れ、自分を知り、世界を知る時期なのです。
・子供の成長に合わせて、親も愛し方を変えなければならないということ
・子供は決して勝手にねじ曲がらない -
Posted by ブクログ
読み終えて、私の頭にふと浮かんだ言葉。育てたように、子は育つ。この子が、こうであるのには理由がある。
読み終えるのに時間がかかってしまい、細かいところは忘れてしまったが、最後にエッセンスが詰まっていたように思う。「手を放して抱きしめる」「ちゃんと見ていてくれる大人がいれば、子どもはねじ曲がらない」これは、おそらく女子にも共通するんだろう。
最初は、男子のことを男性の著者と男性の先生たちの考えで書いていて、受け入れ難いところもあった。しかし、最終的には21世紀を生き抜く力、その身につけ方や、親のあるべき姿は、子どもの性別なんて関係ない。
あと、生き抜くために必要な3つの力が出てくるが、これは古代より変わらないもので、比重が変化したっていうところも納得。先のことが分からないのは、いつの時代も同じで、求められる力もざっくりと共通していると考えると、何を身に付けさせたいかという考え方も変わってくる。偏差値の高い学校でなくても、元気で、友達とコミュニケーションを取りつつ、何か熱中できることを見つけられたら・・・。大人としてこのようなことを知ったり、考えたりするきっかけになりました。
大人でも、これからの未来を生き抜くのは同じなので、自分に足りない部分に気付きもしました。健康な心身で、専門性を深めつつ、年齢を重ねるとともに自信が持てたらいいなと思っています。