あらすじ
●受験勉強だけでは東大に行けない!?
名門校と呼ばれるほどの進学校ほど、実は受験勉強以外により大きな時間を割いています。しかも、それは流行りのプログラミング教育でも、ネイティブに迫る英語でもありません。「裁縫」や「なわとび」など、一見、大学受験には関係なさそうな授業なのです。
果たしてそれはなんのためにあるのか? 名門校が考える「どんな時代になっても生きていけるための力」の育て方を探ります。
●16校の授業を実況中継
本書でとりあげる学校は16校。実際に授業を見学・体験し、教室の躍動感そのままに実況中継しています。
・おりがみで数学の難問を解く・灘
・65年以上の歴史がある「なわとび」検定・桐朋
・文庫本の読み聞かせ・東大寺学園
・レゴブロックで数学理解を深める・聖光学院
・大運動会で組織力と「個」を育てる・開成
・「演劇づくり」で正解のない問いに挑む・海城
・1人1つのバイオリンを使う音楽・芝
・唱歌の替え歌を作り自己を見つめる・麻布
・都会の真ん中のたんぼで種から稲作・筑駒
・リベラルアーツとしての「園芸」・鴎友
・キャンパスが生きた博物館・早稲田本庄
・「聖書」と「礼拝」が教育の両輪・女子学院
・毎日上半身裸でラジオ体操・栄光
・岩を削り続ける理科実験・武蔵
・毎朝5分間の裁縫・豊島岡
・真夜中に8時間の山登り・巣鴨
●経済サイトで500万ページビューを誇った超人気連載の書籍化!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
どんな時代になっても生きていける力
生き抜くための足腰を鍛えるためには受験勉強だけでは足りないんです。
本書では集団学習の大切さが書かれていたように思います。
集団の中で個人がどう考えるか。
個人の考えが集団の中で伝播するときに思考が飛躍的に進むスピードを感じれると思います。
うちの娘は類塾の自考力を高めることの大切さを学びました。
自考力が高まれば集団学習の中でも意見が出来て分からないことがみんなの思考に補われて解決に進むことを学んだようです。
今は進学校に進んだので周りのレベルに気圧されてますが上手く自分の居場所を見つけているようです。
さて息子はどうなるか今一番気になることです。
私立進学校が集団学習の大切さを授業に取り入れてることからも公立校でも入れて欲しいなと思います。
まあ天高も負けてないと思いますがd(^_^o)
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章 まるで幼児教室⁈な授業
第2章 他者とかかわり自己を知る
第3章 教科の枠を超えて学ぶ
第4章 意味は後からわかる
おわりに
<内容>
超有名私学の中高校でおこなわれている教科外の授業(といったほうがいいか)。それを各中高校一つずつ取り上げている。灘中高の数学的折り紙の授業、聖光学院中高校のレゴブロックを用いた数学の授業、何よりも面白かったのは奈良の東大寺学園中高校の「読書」の授業だ。教師の力量が問われる内容だが、年間で数冊の本を読みながら、どんどん教科の枠を超えて授業が展開する。
著者が「おわりに」で書いていたが、教科書「を」教えるのではない。ここに載る私立校(複数)がある歴史教科書を採用していることが報道されると(報道自体がおそらく学校への批判だったと思われる)、多くの批判の手紙などが送られたそうだが、私立校は一切めげることがなかった。それは上記の、『教科書「を」教えるのではなく、教科書「で」教える』ことが徹底しているからだ。生徒もそれについてくるし、ちゃんと批判的精神も学んでいる。公立学校はとても弱腰で、すぐに世論に負ける(教委の言い訳がいつも哀しい)。でも、私もそうだが、教科書をそのまま教えているわけではない。何が載っていても載っていなくても、教えるのは「事実」。その解釈は多様なものだということを教えれば、あとは後々でも生徒が自ら考えていく。そこだろう!
こうした私立校の教育はうらやましい(教える教師の力量には感嘆する)。