おおたとしまさのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中受離婚 夫婦を襲う中学受験クライシス
著:おおたとしまさ
中学受験に挑戦する親子が増えれば増えるほど、そして親にとっての中学受験の負荷が大きくなればなるほど、「中受離婚」は増えると考えられるが、そのようなデータは調べたことも見たこともない。著者が考えるには、中学受験家庭における夫婦間葛藤の話を聞く機会は増えているように感じている。
以前は良くも悪くも母親主導だった中学受験に、昨今は父親もコミットするケースが増えたことも要因として考えられる。結婚とは何か、夫婦とは何か、家族とは何か。
本書の構成は以下の3章から成る。
①夫
②妻
③子
中学受験は、子どもだけの挑戦ではない。子どもだけではなく、家族も成長していく機会を与えられている。ただその成長の課程においては、色々な葛藤を各人・各家庭が味わうことになる。
向き合い方は様々ではあるものの、コンフォートゾーンを越えたストレッチゾーンの中においては、大人ではない子どもには伴走支援が必要なことも多い。そして、伴走する親も不慣れであったり、さまざまな要因が重なり、ストレッチゾーンからはみ出てしまい、パニックゾーンに片足も両足も突っ込む中でその無意識の中で、必要な衝突や不必要な衝突を繰り返す。
その中で成長して乗り越えるという、きれいごとだけでないのが人生であり、蓋をしてやり過ごすのか、とことんまで向き合い衝突し続けるのか、それとも向き合いの結果として次のステップにいけるのか。
子どもの成長・成功が家族の目的であることも忘れてしまい、違った方向に進んでしまい、合格どころではなくなる家庭も出てしまう。
ゴールはなく、全てが同じプロセスを踏むものではない。しかし、誰しもが経験が不足する中で余裕がなくなれば、壁にぶち当たることもある。本書のような事例を読むことで、客観的に自分自身を見る中で違った抜け道も見つけることが出来る。
願わくば、努力した子どもが合格し、バラ色の人生の選択肢を得るだけではなく、幸せな家族の中で暮らせるために、多くの人が多くを知るきっかけとなってほしい。 -
Posted by ブクログ
実名表記が徹底されており、フィクションとはいえ、かなりリアルなものとなっている。
塾のあり方も、私が経験してきたことをふまえても、かなり赤裸々に書いている印象だ。
塾はあくまで受験生の家族が「利用する側」であって、「利用される側」になってはいけないのだけど、なぜかこれがどんどん逆転していくのが怖いのだよなぁ……
また中学受験において、家族は最強の味方にもなるが、最悪の敵にもなりうるというのも、よくわかる本だ。
親自身が自分の至らない部分や醜い部分に向き合わざるを得なくなるのが中学受験。
子どもも、兄弟がいればそれぞれ違う。
同じプレッシャーを与えても、伸びる子もいれば潰れる子もいる。
放置しても、勝手にやる子もいれば何もやらない子もいる。
大きすぎる期待や不安、思ったように成績の伸びない我が子に対する不満、結果を受け止めきれない自分の器の小ささ……
これを冷静に見られるようになれば、親も成長できるのだろう。
とにかく目の前の子どもをよく見ること、これに尽きる。 -
Posted by ブクログ
遊びたい盛りの子供達。ゲーム感覚で中学受験に取り組む。そこには親子の人生ドラマが待ち受けている。ここでは、3つのケースが取り上げられている。1番目のケースは中学受験の厳しさを親が理解せずに、勉強を始めさせたが、次々と志望校を変え、最後は合格した中学から子供が親の期待と逆転の選択をする。2番目のケースは、超優秀層の子供が過剰な親の干渉から瓦解していく。3番目のケースは偏差値だけの判断に頼ることなく、子供の気持ちに則した受験を重ねることで、最後には結果を出す。この3つのケースは、受験校や塾は実名で登場、受験家族は脚色された形でエピソードが語られていく。親の過剰干渉や塾の身勝手さを浮き彫りにしながら、中学受験という試金石の意義に、本来どうあるべきかという重大な示唆を与えている。