宇野常寛のレビュー一覧
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公共空間としての「庭」の概念を広げていくとことによる社会の可能性というコンセプトに惹かれて読んだ。
社会/人とのコミュニケーションだけではなく、モノと人とのコミュニケーションや出会い(?)に可能性を示す視点は興味深く感じた。
特に、インターネット検索の時代にも課題になった「(新しい物事/コンセプトとの)出会い(セレンディピティ)」がソーシャルメディア隆盛やAIの登場でさらに難しくなりつつなるなかで、庭含めた物理の場所での出会いの可能性の視点は私も重要に感じる(最近読んだ他書である、「ケアする建築」でも同様に感じた)。
個人にとっての他者や物事との関わ方の話題を想像して読んだが、社会論的なも -
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この本には選ばれし胃だけが楽しめる個性派ラーメン達が続々登場するけど、この本自体も中々なヤサイニンニクアブラカラメマシマシだった。
思春期真っ只中にいる40代50代の掛け合い。本文中にあった「厨二病」という言葉がしっくりくる。拗らせを極めたようなやり取りはクセが強いながらも徐々に味変させながら進んでいき、飽ききらない所でエッセイが終わった。
簡単な事実に対して理屈をこねくり回して垂れ流す感じは合う人にはとことんハマるだろうし、合わない人にはトコトンはまらないと思う。そこもなんか、二郎系ラーメン然としている。
尚、私個人の嗜好にはハマらなかった。初読みでは愉しめたけど、既にお腹いっぱいで下 -
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基本的には『遅いインターネット』と同じ方向で、プラットフォームでのポピュリズムから離れるために、承認を得る快楽や仕事で金を稼ぐ快楽よりも物を作る快楽を取り戻そうとする試みを描いている。が、主眼はむしろその主張を裏付けるために列挙される具体例の豊かさにあるようにも思う。b型作業所や森の再開発、銭湯やランドリーカフェなど、従来の共同体の形ではなく、作業をしながら相互の存在を(承認ではなく)許容し合うことのできる場の例は、読んでいて色々なアイデアを与えてくれる楽しい体験であった。また、個人的にはクリストファー・アレクサンダーの「パターンランゲージ」という概念など建築や都市計画の概念が登場したことが興
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Posted by ブクログ
私は宇野常寛の本は『ゼロ年代の想像力』と『母性のディストピア』しか読んでいないのだが、彼の思想はある種戦後民主主義の崩壊とその後の情報社会に対するそのアップデートという一本の軸に貫かれている感じがして、論旨も明快で非常に読むのが楽しい。今回の『遅いインターネット』を読んで得た収穫は、いわゆる批評家が(東浩紀しかり宇野常寛しかり宮台真司しかり中島義道しかり)活動の主眼を本を書くことからコミュニティを形成することに移していることへの疑問(というか半分は不信感)が多少なりとも解消されたということだった。
本書は4章構成だが1章はほぼ『一般意志2.0』や『22世紀の民主主義』、『なめらかな社会と、その -
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ネタバレ経済的、社会的に日本は疲弊・衰退してしまったが、本当にすっかりだめになってしまったのか、という問い立てに対し、筆者が「オタク文化が育んだ想像力にこそ、現実を変革する力があり、現代の日本が武器とするべきはそこだ」というようなことを論じていく、というような内容。「昼の世界」(経済力など)が衰退した「失われた20年」の裏側では、「夜の世界」が着実な成長を遂げていたのだ、という感じ。
面白く読んだ箇所も決して少なくはないけれど、論じ方としてはやや荒っぽい印象を受けた。言葉の定義が雑(インターネットという言葉が、ネット上のコミュニティを指すのか、提供するサービスを示すのか、どのサービスまでを含むの