宇野常寛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
基本的には『遅いインターネット』と同じ方向で、プラットフォームでのポピュリズムから離れるために、承認を得る快楽や仕事で金を稼ぐ快楽よりも物を作る快楽を取り戻そうとする試みを描いている。が、主眼はむしろその主張を裏付けるために列挙される具体例の豊かさにあるようにも思う。b型作業所や森の再開発、銭湯やランドリーカフェなど、従来の共同体の形ではなく、作業をしながら相互の存在を(承認ではなく)許容し合うことのできる場の例は、読んでいて色々なアイデアを与えてくれる楽しい体験であった。また、個人的にはクリストファー・アレクサンダーの「パターンランゲージ」という概念など建築や都市計画の概念が登場したことが興
-
Posted by ブクログ
私は宇野常寛の本は『ゼロ年代の想像力』と『母性のディストピア』しか読んでいないのだが、彼の思想はある種戦後民主主義の崩壊とその後の情報社会に対するそのアップデートという一本の軸に貫かれている感じがして、論旨も明快で非常に読むのが楽しい。今回の『遅いインターネット』を読んで得た収穫は、いわゆる批評家が(東浩紀しかり宇野常寛しかり宮台真司しかり中島義道しかり)活動の主眼を本を書くことからコミュニティを形成することに移していることへの疑問(というか半分は不信感)が多少なりとも解消されたということだった。
本書は4章構成だが1章はほぼ『一般意志2.0』や『22世紀の民主主義』、『なめらかな社会と、その -
Posted by ブクログ
ネタバレ経済的、社会的に日本は疲弊・衰退してしまったが、本当にすっかりだめになってしまったのか、という問い立てに対し、筆者が「オタク文化が育んだ想像力にこそ、現実を変革する力があり、現代の日本が武器とするべきはそこだ」というようなことを論じていく、というような内容。「昼の世界」(経済力など)が衰退した「失われた20年」の裏側では、「夜の世界」が着実な成長を遂げていたのだ、という感じ。
面白く読んだ箇所も決して少なくはないけれど、論じ方としてはやや荒っぽい印象を受けた。言葉の定義が雑(インターネットという言葉が、ネット上のコミュニティを指すのか、提供するサービスを示すのか、どのサービスまでを含むの