宇野常寛のレビュー一覧
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宮崎駿、富野由悠季、押井守の3人を中心的に取り上げながら戦後から現代までの日本の思想を射程とした評論。
アメリカの庇護の元経済大国となり、そしてそこから滑り落ちた日本の課題をアニメーションを通して示している。
本書では戦後以降に限定しているが、アメリカ当たるものを変えれば、同じ状況(母性の肥大化と矮...続きを読むPosted by ブクログ -
下巻となる本書は最後のインタビューを読むことで全体の理解と新たな問題意識が明確となるように構成されている。
兄弟的、BL的関係性による父になる以外の成熟の形やオールドなオタク的な成熟が希望として示されているが、本書が最初に刊行されてから5年が経過し、新型コロナを踏まえたこの国の状況は当時よりもさらに...続きを読むPosted by ブクログ -
物事を知的に語る宇野さんと自信の経験に基づいて語る吉田さん
やっぱ経験談の方が入って来やすい。
宇野さんの行動は公平、傷つくかどうかは自分次第
吉田さんの、みんな自分の属性の遊びをしようとしている。
知識はマウンティングでなく面白がりが前提という言葉が刺さったなPosted by ブクログ -
大好きな宇野本。
ほとんどのアニメを見ていないこともあるが、相変わらず思考が追いつかない。なので、(賛否はあると思うが)何度も同じことが繰り返し語られている部分は、刷り込みとして僕にはちょうど良かった。
設定した目的に対して、一側面からの題材批評をつなぎ、
複数の題材を一つの主張につなげるところは...続きを読むPosted by ブクログ -
押井守から特撮や2016年産アニメーションについて、下巻では論じられる。
日本のアニメーションが極めてネオテニー的性質を持つこと、映像からネットワークへと時代が変遷する中で物語の構造が批評性を持ちえなくなったことが宇野常寛氏のディスコースにより暴かれてゆく。
押井守の作品についてはあまり触れてこ...続きを読むPosted by ブクログ -
アニメーションの巨匠たちを分析し、そこから社会構造を垣間見る試みはこれまで見たことがなく、興味を強く惹かれる。
この上巻では宮崎駿と富野由悠季について取り上げられている。
母性、父性といった観点で作品と対峙し、作家性と時代性を見つめながら本質を紐解いていく過程は面白い。Posted by ブクログ