宇野常寛のレビュー一覧

  • 希望論 2010年代の文化と社会

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    理想の時代→虚構の時代ときて、拡張現実の時代にさしかかってる今、新たなサービスや文化がどんどん生まれてきて、そんな中でどのように生活していくのか興味深いと思った。

    <いま、ここ>の現実を多重化する、ゲーム化、聖地巡礼など遊びや文化にはハッキリ見られるようになってきたが、その他に社会にどのような変化がうまれてくるか、楽しみ。

    また、現代において自己承認が「個人individual」じゃなく、「分人dividual」断片的で確率的なものでしかあり得なくなったというのも興味深い。その時代に合った自分を作ってゆて、悩みすぎず生きやすく生活した方が良いのだなぁと思った。

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    2012年08月29日
  • 希望論 2010年代の文化と社会

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    ネタバレ

    ここ数年よく見る宇野君、濱野君の仲良しホモホモコンビに対談本である。

    宇野常弘の本は読んだこともあるし、中身にも結構共感はできるのだけれど、濱野智史の方はニコ生で見た程度だ。

    内容の方はニコ生の対談番組をテキスト化したようなもの。

    今、彼らが何を考えているのかを追いかけたい人にとってはおもしろいのだろうけど、結論だけを知りたい人にはこの本を読む必要はないと思う。

    でも、こういう考えがまとまるまでの流れみたいなものを世に出すべきだと個人的には思う。

    では、バイちゃ!

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    2012年07月07日
  • 希望論 2010年代の文化と社会

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    現実はクソゲーすぎるんだ(p.194)
    どうせ日本人がなかなか集団主義的な心の習慣から脱却できないのなら、むしろそれを前提にして制度設計をしていくしかないんじゃないの(p.179)
    あと、イジメは固定的集団で起きる。コミュニティを流動的にして、それに対するマナーのリテラシーを学ばせるべき。って3つが共感できた。私にとってはちゃんと希望論やった。

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    2012年04月04日
  • 希望論 2010年代の文化と社会

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    まず宇野常寛も嫌がっていたとおり、
    タイトルは失敗だったと思う。

    悪い部分をあげつらうよりも、
    良い部分を数えた方が建設的であるのは当然だろう。

    しかし、
    それを「希望」というワードに閉じ込めた瞬間に、
    意味合いがずれてきてしまうように思う。
    これでは凡百の「希望」話と同じ読まれ方をされてしまうのではないかな。

    要するに、
    「あー例の希望話ね。はいはい」という風に、
    読者の姿勢を読む前に限定してしまい、
    書かれていることをミスリードする危険がある(これ自体がミスリードかもわからんが)。

    せっかくいいこと書いてあるんだから勿体ないと思う。

    特に日本のITは萌芽の時か

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    2012年02月17日
  • 希望論 2010年代の文化と社会

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    90年代半ばの思想シーンを駆け足で振り返りながら、震災以後の日本のありかたを批評・思想の面から検討。
    ソーシャルネットワークの可能性や、日本型のコンテンツ生産・消費、あるいはコミュニティーのあり方など、東浩紀が「思想地図」でこれまで検討してきた内容を踏まえた議論が行われる。

    少ないページ数で幅広い議論が行われて、現状の見取り図としてはとてもわかりやすいものになっている。
    ただ、この本のテーマである「希望」への提示についてはまだ弱いという印象。「思想地図」で提示された内容にかぶるところが多い。独自の提示の部分は、東浩紀にツイッターでボロクソ言われていたけれど、それもしかたないと思えてしまう程度

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    2012年02月14日
  • 希望論 2010年代の文化と社会

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    ネタバレ

    宇野常寛って文章力で人を引き付ける力がある。
    これがすでに希望である。

    宇野や濱野が未来を託すソーシャルメディアを具現化する理念を持つ
    グリーンアクティブも、発足会見を行った。

    自然、文化、経済、政治を小さなネットワークでつないでいく「リトルピープル時代」の活動は、うまく行くかどうかはわからない。いまだ、ビッグブラザー的な力でつぶされるのかもしれない。個人の内面にある大きなものへの幻想の前に理念が折れるかもしれない。

    でも、そういう変化を含めて吟味し続けていく姿勢こそ、われわれに問われているものなのであろう。希望論とは、覚悟でもあろうと思う。

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    2012年04月09日
  • 水曜日は働かない

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    「ラーメンと瞑想」に続いてこちらを読んだ。発売順は逆だが。エッセイ部分は相変わらず面白い。オリンピックやコロナ禍期間の宇野の活動については興味深かった。オルタナティブオリンピックはなんとなくプラネットで発表してるなとは思ってたがしっかりとは見ていない。

    このような代替案を提示する形で体制に抗い、社会を変えようとする姿勢は「志や良し」なのだが、いかんせん宇野自身あるいは宇野の考えに賛同したチームの社会への影響力がそれほど大きくなく、この試みが世論を巻き込んだムーブメントになり得なかったのは残念ではある。

    このプロジェクトを東浩紀や荻上チキ、落合や成田などの日本の批評界隈・IT界隈フル動員でお

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    2025年11月30日
  • 庭の話

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    難しくて読み切るのが大変でした。小杉湯やムジナの庭など「庭」の具体例は興味深く読みました。中盤くらいから面白くなってきて、庭の概念を理解できたと思ったら後半「労働・制作・行為のアップデート」という新しい視点が登場し、論点が再び拡散したように感じ混乱しました。結局この資本主義で承認・評価から逃れられない現代において、「庭」の機能が評価されて生活に実装されていくことには現実的に難しさを感じてしまいました。
    ただ、秋葉原無差別殺人事件の山上のような孤立した「無敵の人」を産み出さないために、ゆるく繋がり「排除しない」多様な人間活動が可能な場所としての「庭」の必要性には納得させられました。

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    2025年11月27日
  • ラーメンと瞑想

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    中年男二人が、水曜日に走り、瞑想し、ラーメンを食べる。そして社会文化に関する議論を交わす。“人間は目の前にラーメンが着丼した瞬間に実質的に孤独になる” 。友人と語り合う時間と、コミュニケーションを排して何かと向き合う時間。そのバランスの心地良さを羨ましく思い、中年となった己の人生に対して一抹の虚しさを感じ、ラーメン美味そうだなと独り言つ。

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    2025年11月03日
  • ラーメンと瞑想

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    批評家、宇野常寛のエッセイ。
    友人と、毎週水曜日に、ランニングをし、全力で食事をしたあと、瞑想するという、変わった習慣を持つ男たちのエッセイ。

    まず、冒頭。ラーメンという食べ物は、否が応なく、会話を中断し、目の前の丼に向かい合い、孤独に食事をすることになる、それゆえに、食事という行為そのものを楽しむことができる。この導入が非常に良かった。

    そして、これは極めて動物的な行動であり、その間に獣になる。それは、瞑想し、世界と一体化になることに、極めて近い行為で…というような形で、小難しい理論が展開していく。

    そうした話も、興味を引くのも多々あったが、やっぱり自分がこの本で好きなのは、美味しそう

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    2025年11月01日
  • ラーメンと瞑想

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     ダイエッターになり、ストイックな生活を送る宇野さんが、ランニングをした後は思いっきりご馳走を食べる。

     美味しいものを食べるために、かなり厳選してお店を選び、メニューを選ぶ。
    そのときの宇野さんの眼はきっと獲物を狙うハンターのそれなんだろうなと読んでいて感じました。

     食レポも美味しさが伝わってきて、読ませられます。
    そして、いつもランニングを一緒にするTさんの存在がまた独特でとても良い相棒だなと羨ましくなります。
    「恐れと悲しみの中を生きるもの」と自己規定をするTさん。どこでも結跏趺坐で瞑想しちゃうTさん。ヨウジヤマモトでバシッときめるTさん。ルクレティウスやダンテの詩を愛するTさん。

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    2025年10月26日
  • 庭の話

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    公共空間としての「庭」の概念を広げていくとことによる社会の可能性というコンセプトに惹かれて読んだ。

    社会/人とのコミュニケーションだけではなく、モノと人とのコミュニケーションや出会い(?)に可能性を示す視点は興味深く感じた。
    特に、インターネット検索の時代にも課題になった「(新しい物事/コンセプトとの)出会い(セレンディピティ)」がソーシャルメディア隆盛やAIの登場でさらに難しくなりつつなるなかで、庭含めた物理の場所での出会いの可能性の視点は私も重要に感じる(最近読んだ他書である、「ケアする建築」でも同様に感じた)。

    個人にとっての他者や物事との関わ方の話題を想像して読んだが、社会論的なも

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    2025年10月14日
  • ラーメンと瞑想

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    この本には選ばれし胃だけが楽しめる個性派ラーメン達が続々登場するけど、この本自体も中々なヤサイニンニクアブラカラメマシマシだった。

    思春期真っ只中にいる40代50代の掛け合い。本文中にあった「厨二病」という言葉がしっくりくる。拗らせを極めたようなやり取りはクセが強いながらも徐々に味変させながら進んでいき、飽ききらない所でエッセイが終わった。

    簡単な事実に対して理屈をこねくり回して垂れ流す感じは合う人にはとことんハマるだろうし、合わない人にはトコトンはまらないと思う。そこもなんか、二郎系ラーメン然としている。

    尚、私個人の嗜好にはハマらなかった。初読みでは愉しめたけど、既にお腹いっぱいで下

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    2025年08月31日
  • 庭の話

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    基本的には『遅いインターネット』と同じ方向で、プラットフォームでのポピュリズムから離れるために、承認を得る快楽や仕事で金を稼ぐ快楽よりも物を作る快楽を取り戻そうとする試みを描いている。が、主眼はむしろその主張を裏付けるために列挙される具体例の豊かさにあるようにも思う。b型作業所や森の再開発、銭湯やランドリーカフェなど、従来の共同体の形ではなく、作業をしながら相互の存在を(承認ではなく)許容し合うことのできる場の例は、読んでいて色々なアイデアを与えてくれる楽しい体験であった。また、個人的にはクリストファー・アレクサンダーの「パターンランゲージ」という概念など建築や都市計画の概念が登場したことが興

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    2025年05月06日
  • 遅いインターネット

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    私は宇野常寛の本は『ゼロ年代の想像力』と『母性のディストピア』しか読んでいないのだが、彼の思想はある種戦後民主主義の崩壊とその後の情報社会に対するそのアップデートという一本の軸に貫かれている感じがして、論旨も明快で非常に読むのが楽しい。今回の『遅いインターネット』を読んで得た収穫は、いわゆる批評家が(東浩紀しかり宇野常寛しかり宮台真司しかり中島義道しかり)活動の主眼を本を書くことからコミュニティを形成することに移していることへの疑問(というか半分は不信感)が多少なりとも解消されたということだった。
    本書は4章構成だが1章はほぼ『一般意志2.0』や『22世紀の民主主義』、『なめらかな社会と、その

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    2025年04月28日
  • 水曜日は働かない

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    毎週水曜日を「自分を大切にするための時間」に充てることにした著者の日常を綴った、笑えてそして思わず考えさせられるエッセイ集。
    発売されてすぐに買ってたはずだが、なんだかんだと寝かせてしまった。宇野さんの久しぶりのエッセイ。小難しく感じることもあるけどやっぱり面白いなあ。分かる、と分からないの狭間にいる感じ。社畜なのでとても水曜日は休めないのだけど、自分で生き方を決められるって素敵なことだ。コロナになっていいこともゼロではない。坂元裕二さんの作品が大好きなのでその考察は一番面白かった。片思いの関係性がさらに突っ込んでいくって話。

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    2024年12月13日
  • 遅いインターネット

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    言語が国境に規定され、いわゆる母国語としての壁を超えるには、外国語を習得した上で、外国語の媒体を読み解くか、直接外国人と交流するという方法がある。インターネット以前は、これには物理的な限界があった。今、ネット上では、グローバルな距離は縮み、かつ、タイムリーに情報が公開され氾濫する。更に、機械翻訳も可能。とても便利な時代になって、情報も民主化され、より平和な世界市民的社会が到来するのだ…と無垢に考える人はいないだろう、残念ながら。

    フェイクニュース、快楽のための生贄探しや炎上、排外的なヘイト、欲望を刺激するための性的ポルノや消費を煽るリコメンドが溢れる。ここでいう遅いインターネットとは、アナロ

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    2024年10月20日
  • 水曜日は働かない

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    働き方改革的な内容を期待してたので、星は低目。内容自体は面白かったけど、小説なのか、エッセイなのかルポなのかわからなかった。東京住みにしかわからないネタが多く、そっちも分からなかった

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    2024年10月01日
  • 遅いインターネット

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    グローバルな市場にドメスティックな政治→「民主主義って本当に最良のルールなのか、世界をまわって考えた」参照。
    大きく風呂敷を広げているが、もっとネットリテラシーを持てという話。

    ※単行本にて読書

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    2024年02月17日
  • チーム・オルタナティブの冒険

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    ネタバレ

    前もって情報をほとんど得ない状態で読み始めて、ミステリーなのかと思っていたら、終盤、主人公が○○したのには驚いて笑ってしまった。そういうお話だったのね。

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    2024年02月09日