宇野常寛のレビュー一覧

  • チーム・オルタナティブの冒険
    最後の最後に「変身!」なんて言われて笑ったが、それまでのストーリーテリングがおもしろいから、最後にぶっ飛んでもいい感じでした。いや、傑作です。
  • チーム・オルタナティブの冒険
    今のところ今年ナンバーワンの一冊。
    宇野さんの著作は何作か読んだけど、主人公の語り口がいかにも宇野さんの青春時代ぽいひねくれた知的青年ぽい。大人になりきれない少年たちの淡い夏が描かれるのかと思いきや、急に不穏なミステリーじみた展開になり、ラストは怒涛の展開。
    久々にドはまりした小説でした。これが小説...続きを読む
  • 水曜日は働かない
    うん、これは面白かった!タイトルに惹かれて読んでみたのだが、いわゆる批評の集まりだった。
    以前読んだ武田砂鉄さんのものよりは、しっくりくる感じで、最後は久しぶりに読み終わるのがもったいない感じが得られた本だった。
    特に、京都の話かな、こういう考え方をする人は基本的に好きなので、もっとこの人の書いたも...続きを読む
  • ゼロ年代の想像力
    大きく分けて、
    70年代 「大きな物語」に支えられた時代
    80年代 「大きな物語」の喪失後も好景気でそれが見えなかった時代
    90年代 「物はあるが物語がない」価値観の宙ずりの時代
    00年代 究極的には無根拠なのだから決断主義的に「信じたいものを信じる」時代
    00年代後半 決断主義が孕む暴力性の克服...続きを読む
  • 母性のディストピア II 発動篇
    大部分が押井守論。映像の世紀とネットワークの世紀。ところどころ文章には引っかかるけど,イメージは共有できるものだった。
  • ゼロ年代の想像力
    ザクザクとした語り口で攻撃的なスタイルも見られるが、それも本書の魅力となっている。
    野ブタや涼宮ハルヒなど現在の若者にとって実感を伴った理解がしやすい題材を用いており、批評にあまり親しみがない若者にとっても良い批評体験となるだろう。
    良い意味でも悪い意味でも小説のようだった。
  • ゼロ年代の想像力
    【総当たりからの切り結び】「大きな物語」の終焉からの「セカイ系」を経て、バトル・ロワイヤル型の社会の向こうに位置する想像力を模索することを試みた批評作品。多彩なメディア作品を読み解きながら、2000年代とその次の時代はいかなるものかを検討していきます。著者は、『PLANETS』の編集長を務める宇野常...続きを読む
  • ゼロ年代の想像力
    おー、なんとなくぼんやり感じてたことを言語化してくれた感覚!
    今さらながらに、長年第一線で活躍してるエンタメ界の人はすごいなあ〜。私の好きなバンドさんの傾向の変化も改めて必然やったんやなあ。
    ま、この論が世に出てから10年経って読んでるて相当遅れてるわけだけどw
    とりあえず私は90年代文化にどっぷり...続きを読む
  • 希望論 2010年代の文化と社会
    宇野さん・濱野さんがこれまで主張してきたことの再録+α版。1章は原発の議論+『リトルピープルの時代』を基にした宇野さんパート。2章は濱野さんによる情報社会論の捉え直し。個人的にはここが胸熱。濱野さんがなんで『アーキテクチャの生態系』で日本社会論にこだわったのか。それは日本的な(ひろゆき的な)ネット空...続きを読む
  • 母性のディストピア
    アニメーションの巨匠達が、何を描き、何に絶望したか。幼稚園年長の頃に再放送でZZ、小1にリアルタイムでVを観始め、ひたすらガンダムにはまっていった身としては、揺さぶられるものが多々あった。社会への批判力を持つ作品を描くというのは、99%の諦観と、1%の祈りの間で魂を絞り出す様なものなのかと思うと、切...続きを読む
  • ゼロ年代の想像力
    目からうろこというか、ものを考えるってこういうことを言うのかーと思った。
    エヴァ、恋空、木更津、野ブタ、龍騎、セカチュー、ハルヒ、三丁目……これらワードにピンと来たらぜひご一読を。

    今は無数の「正しい」が現れては消える、正しさの戦国時代。
    そう考えると、水戸黄門が終わりを告げドラゲナイがヒッ...続きを読む
  • 楽器と武器だけが人を殺すことができる
    「ダ・ヴィンチ」に連載された17項目に及ぶテレビ、映画等の批評やエッセイ集。
    映画やテレビドラマについては自分とは違う感想もあるが、別な視点を気づかせてくれる。
    「今のテレビドラマはつまらない」という意見を持つ人は多いと思うが、ドラマを通してリアルな社会状況を見ている著者の視点は鋭く、常に前を向いて...続きを読む
  • 楽器と武器だけが人を殺すことができる
    最初の三つの評論の流れだけでも評論家である宇野さんの問題意識や日本という国における問題点や困難だとか戦後消費社会の果てにいる僕らということがよくわかると思う。
    ただ、作品を受け手として楽しんでいる時には気付けなかった部分にも気付けるようになると世界の見方が変わるし視野も多角的になる。だから宇野さんの...続きを読む
  • 静かなる革命へのブループリント この国の未来をつくる7つの対話
    具体的な行動として新しい世界のモデルを作りつつあるさまざまな分野の若き第一人者たちと、彼らと同年代の宇野常寛の対談集。いまだ世の中で幅をきかせている、自分のような昭和世代にはその発想の根本が違う彼らの社会のとらえ方が斬新で面白く、なんだまだやれることはたくさんあるじゃないか、という前向きな気持ちにさ...続きを読む
  • 静かなる革命へのブループリント この国の未来をつくる7つの対話
    既存の価値観に囚われていない若手のオピニンリーダー達が、様々な分野で活動をしていることがよく分かる良書。

    彼らは対象として取り扱うものが、理想的にはどうあるべきかを深く考え、再定義している。非常に頼もしい。

    我々の世代も負けてはいられないし、著者達の活動を邪魔してもいけない。応援できるところは応...続きを読む
  • 静かなる革命へのブループリント この国の未来をつくる7つの対話
    本当におもしろいと思った本の感想が書きにくいのは何故だろうか。

    リアルな未来の青写真と、価値観を揺さぶる思考の対流。

    それらが余すところなく言語化されているからもうそれ以上言うことナッシングです。

    頭キレッキレの若手論客たちの対談集。
    宇野常寛の分析眼、補助線の引き方は相変わらず神がかっている...続きを読む
  • ゼロ年代の想像力
    おもしろかった!いろいろなことに輪郭が浮かび、名前が付いていくような快感。なんで「オタク」系ゲームは心地よく、同時に薄ら寒く感じるのか。メタ視点はなぜ採用されるのか。
    あとおもしろいおもちゃ貰っちゃったなーって感じも強い。この本であまり言及されない初音ミクやフェイスブック、最近の半沢直樹の爆発的ヒッ...続きを読む
  • 原子爆弾とジョーカーなき世界
    エヴァンゲリオンについての評論がいちばん興味深かった。これまでのエヴァについて“「つながり」の手段が変化する一瞬、それが見えなくなった瞬間の不安を敏感にとらえた“という指摘には目から鱗が落ちた。

    また、賛否両論を引き起こした「Q」については“積極的かつ的確に「現代」を切り取ろうとしている”と位置づ...続きを読む
  • ゼロ年代の想像力
    タイトルの通りゼロ年代の想像力を中心に90年代くらいからの想像力の変遷を、アニメや漫画、ドラマ、映画、文学などから幅広く析出している。
    セカイ系、引きこもり/心理主義、行為ではなく設定でのアイデンティティ承認、サヴァイブ系、ゆるやかな共同体、終わりある日常、母性のディストピア、環境整備を担う大人。
    ...続きを読む
  • 日本文化の論点
    批評や批判は数あれど、創造的な文章こそが今求められていると思う。そういう意味でこの本はすばらしいと思います。
    文化の発生が場所発ではなくコンテンツ発だとか、新美南吉の「おぢいさんのランプ」の話など。そして昼の世界、夜の世界の話も賛成です。
    予め設定された大きな物語もないし、二元論で語ることも先が見え...続きを読む