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宮崎駿、富野由悠季、押井守――戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか? 宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。そして『シン・ゴジラ』『君の名は。』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか? 『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。
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Posted by ブクログ
本書(母性のディストピア)で主題となる虚構の時代、これは言ってみれば現在を変えられないのだから虚構で満足しようじゃないかというメンタリティが席巻した時代であり、その様相は宮台の「自己の時代」に重なる部分がある。戦後日本社会は、「虚構」のイメージを代表する「アニメーション」が代名詞的存在になったことが...続きを読む示しているように「虚構の時代」に極めて親和的であったわけだが、この土台には敗戦とその後の日米安保体制が規定した、俺たちは決して「父」になれない、つまり真に「成熟」した国家にはなり得ないという現実が引き起こす絶望と鬱屈があったと言える。
アニメーションの巨匠達が、何を描き、何に絶望したか。幼稚園年長の頃に再放送でZZ、小1にリアルタイムでVを観始め、ひたすらガンダムにはまっていった身としては、揺さぶられるものが多々あった。社会への批判力を持つ作品を描くというのは、99%の諦観と、1%の祈りの間で魂を絞り出す様なものなのかと思うと、切...続きを読むなく感じながらも、ますます魅入られてしまう。
かなりの量を割いて、3人のアニメ監督の作品がどのような背景か、何を伝えているのかを宇野さんの視点で分析して論じている。たしかに10時間くらい読んでたかも…
結論については納得。 「大きな物語」ではなく「大きなゲーム」での再接続というのは,そうなのだけど,それが母性のディストピアに対抗するものなのか?というのが良くわからない。 結局それも母性のディストピアに回収されてしまうものなのではないか。
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宇野常寛
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