遅いインターネット

遅いインターネット

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3pt

3.6

インターネットは世の中の「速度」を決定的に上げた。
しかしその弊害がさまざまな場面で現出している。世界の分断、排外主義の台頭、ポピュリズムによる民主主義の暴走は「速すぎるインターネット」がもたらすそれの典型例だ。
『遅いインターネット』が主張するこの指摘はコロナ禍とウクライナの戦争が起こる中、悪い意味で加速している。いま改めて最新の分析と対抗策を大幅に加筆しついに文庫化。
インターネットによって本来辿り着くべきだった未来を取り戻すには、今何が必要なのか。気鋭の評論家が提言する。

解説:成田悠輔
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序章 オリンピック破壊計画
TOKYO2020
平成という「失敗したプロジェクト」
「動員の革命」はなぜ失敗したか
走りながら考える

第1章 民主主義を半分諦めることで、守る
2016年の「敗北」
「壁」としての民主主義
民主主義を半分諦めることで、守る
民主主義と立憲主義のパワーバランスを是正する
「政治」を「日常」に取り戻す
インターネットの問題はインターネットで

第2章 拡張現実の時代
エンドゲームと歌舞伎町のピカチュウ
「他人の物語」から「自分の物語」へ
「他人の物語」と映像の世紀
「自分の物語」とネットワークの世紀
『Ingress』から『ポケモンGO』へ
ジョン・ハンケと「思想としての」Google
仮想現実から拡張現実へ
拡張現実の時代
個人と世界をつなぐもの
物語への回帰
「大きな物語」から「大きなゲーム」へ
文化の四象限

第3章 21世紀の共同幻想論
いま、吉本隆明を読み直す
21世紀の共同幻想論
大衆の原像「から」自立せよ
「消費」という自己幻想
吉本隆明から糸井重里へ
「政治的なもの」からの報復
「母性のディストピア」化する情報社会

第4章 遅いインターネット
「遅いインターネット」宣言
「速度」をめぐって
スロージャーナリズムと「遅いインターネット」
ほんとうのインターネットの話をしよう
走り続ける批評

文庫版書き下ろし 新章
分断する社会とより「速い」インターネット時代への対抗戦略
1.コロナ・ショックと「速い」インターネット
2.なぜ人はウイルスを直視できなかったのか
3.パンデミックとデジタル・レーニン主義
4.プラットフォームの時代と、その罠
5.持たざる者たちの希望と絶望
6.金融資本主義とプラットフォーム
7.21世紀のグレート・ゲーム
8.回帰と加速
9.戦争と「遅い」インターネット
10.プロパガンダの本質
11.モノからコトへ、再びモノへ?
12.肉でも穀物でも酒でもなく、禁断の果実を
13.強い物事と弱い人間
14.プラットフォーム下の実空間
15.「庭」へ
16.SDGsの18番目の目標

解説:成田悠輔

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遅いインターネット のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    遅いインターネットってタイトルの人だけど、スマホを5Gにしてたらちょっと笑う。
    内容的には、オリンピック批判とか。走りながら考えたこと。村上春樹のエッセイにもちょっと似る。成田祐輔の解説付き。

    0
    2024年08月06日

    Posted by ブクログ

    他の方も書かれているように文体が難しく、一度では理解できない部分が多かったです。

    自分自身がSNSをほぼほぼやらないので、あまりピンと来る話ではありませんでしたが、遅いインターネットが必要というのは理解できました。

    フェイクニュースや陰謀論を信じてしまわないために、速いインターネットからはできる

    0
    2023年08月22日

    Posted by ブクログ

    私は宇野常寛の本は『ゼロ年代の想像力』と『母性のディストピア』しか読んでいないのだが、彼の思想はある種戦後民主主義の崩壊とその後の情報社会に対するそのアップデートという一本の軸に貫かれている感じがして、論旨も明快で非常に読むのが楽しい。今回の『遅いインターネット』を読んで得た収穫は、いわゆる批評家が

    0
    2025年04月28日

    Posted by ブクログ

    言語が国境に規定され、いわゆる母国語としての壁を超えるには、外国語を習得した上で、外国語の媒体を読み解くか、直接外国人と交流するという方法がある。インターネット以前は、これには物理的な限界があった。今、ネット上では、グローバルな距離は縮み、かつ、タイムリーに情報が公開され氾濫する。更に、機械翻訳も可

    0
    2024年10月20日

    Posted by ブクログ

    グローバルな市場にドメスティックな政治→「民主主義って本当に最良のルールなのか、世界をまわって考えた」参照。
    大きく風呂敷を広げているが、もっとネットリテラシーを持てという話。

    ※単行本にて読書

    0
    2024年02月17日

    Posted by ブクログ

    2020年2月に刊行された著書の文庫版で、2023年現在を踏まえた新章が加えられている。解説も成田悠輔という…贅沢。
    早すぎるインターネットによる弊害が嫌というほど書かれていて、自分の中でも反芻しながら読み進めた。宇野さんの全てに賛同するわけではないし、それも歓迎してくれるのが宇野さんだとも思う。p

    0
    2023年04月23日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    イギリス人ジャーナリスト、デイヴィッド・グッドハートが「境界のある世界」に生きる人たちを「Somewhere」な人々、「境界のない世界」に生きる人たちを「Anywhere」な人々と名付けた。
    非日常ー日時の軸と他人の物語ー個人の物語の軸で捉える考え方。
    世界を捉える別の視点を得られた一冊。

    0
    2023年06月18日

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