庭の話
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庭の話

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1,925円 (税込) 12月11日まで

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『暇と退屈の倫理学』『中動態の世界』への刮目すべき挑戦が現れた。
情報社会論より発せられた「庭」と「制作」という提案から私は目を離すことができずにいる。(國分功一郎)

プラットフォーム経済に支配された現代社会。しかし、そこには人間本来の多様性が失われている。
著者は「庭」という概念を通じて、テクノロジーと自然が共生する新たな社会像を提示する。(安宅和人)

*プラットフォーム資本主義と人間との関係はどうあるべきなのか?
ケア、民藝、パターン・ランゲージ、中動態、そして「作庭」。一見無関係なさまざまな分野の知見を総動員してプラットフォームでも、コモンズでもない「庭」と呼ばれるあらたな公共空間のモデルを構想する。『遅いインターネット』から4年、疫病と戦争を経たこの時代にもっとも切実に求められている、情報技術が失わせたものを回復するための智慧がここに。

【目次】
#1 プラットフォームから「庭」へ
#2 「動いている庭」と多自然ガーデニング
#3 「庭」の条件
#4 「ムジナの庭」と事物のコレクティフ
#5 ケアから民藝へ、民藝からパターン・ランゲージへ
#6 「浪費」から「制作」へ
#7 すでに回復されている「中動態の世界」
#8 「家」から「庭」へ
#9 孤独について
#10 コモンズから(プラットフォームではなく)「庭」へ
#11 戦争と一人の女、疫病と一人の男
#12 弱い自立
#13 消費から制作へ
#14 「庭の条件」から「人間の条件」へ

「家」族から国「家」まで、ここしばらく、人類は「家」のことばかりを考えすぎてきたのではないか。しかし人間は「家」だけで暮らしていくのではない。「家庭」という言葉が示すように、そこには「庭」があるのだ。家という関係の絶対性の外部がその暮らしの場に設けられていることが、人間には必要なのではないか。(中略)/「家」の内部で承認の交換を反復するだけでは見えないもの、触れられないものが「庭」という事物と事物の自律的なコミュニケーションが生態系をなす場には渦巻いている。事物そのものへの、問題そのものへのコミュニケーションを取り戻すために、いま、私たちは「庭」を再構築しなければいけないのだ。プラットフォームを「庭」に変えていくことが必要なのだ。(本文より)

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庭の話 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    今年1,2を争う濃密な読書体験ができた一冊だった。一言でも気軽な感想をうまく書けないのが悔しいが、自分の中で咀嚼して再読してから追記したいと思う。

    0
    2025年12月03日

    Posted by ブクログ

    現代社会では、SNS上の発信と反応の連鎖が世論形成に大きく影響している。だれもが受け手であり発信者でもあるため、他者からの反応を求める気持ちが自然に生まれる。問題は、発信の目的が内容そのものではなく、反応を得ることへとずれていく点にある。

    著者は、この相互承認の流れから距離を置くための考え方として

    0
    2025年11月17日

    Posted by ブクログ

    情報社会論に分類される本らしいですが、色々な読み方が出来てめちゃくちゃ面白かったです。 
    この本における著者、宇野常寛の認識の妥当性とか前提を批判することは簡単ですが、そういうことではなく、自分自身の在り方を考えるエッセイ(試論)として示唆的で、対話的に読めるという意味でも素晴らしい読書体験でした。

    0
    2025年09月06日

    Posted by ブクログ

    書き方によって、一部の人を見下しているように読めるところもあり、必ずしも耳触りの良い中身ではない。しかし、だからこそ?あまり人が踏み込まない矛盾にも突っ込んでいけるのかもしれない。

    右派も左派も文脈は違えど共同体の回帰を目指す。孤立を防ぐために、普段からのつながりな共感を持った「暖かい」互助の世界

    0
    2025年08月06日

    Posted by ブクログ

    2025年度印象の残るNo.1候補。最後にあとがきがないのはこれを読んでそしてどうするかと問いかけられているかのよう。今まで読んできた民藝やパターンランゲージに関することや、同じ著者の『遅いインターネット』のほか、『暇と退屈の倫理学』や『中動態の世界』を通じて「庭」とは何でなぜ今必要なのか、孤独につ

    0
    2025年06月26日

    Posted by ブクログ

    いわゆる社会の価値交換活動から少し離れて没入できる場をここ数年特に趣味方面のクリエイティブに求めてきたのは、本書でいうところの「庭」での営みだったのだなと腹落ちして、またとないちょうど良いタイミングで出会えた一冊でした。

    0
    2025年04月01日

    Posted by ブクログ

    久しぶりで評論を読んだ。こういうのしばらくさぼっていたというか遠ざかっていた。なんでだろう。自分が参加するが自分ではどうにもならない自然としての庭が必要、というのはすごく説得力がある。戦争論も。ここで災害論じゃなくて戦争論なのはウクライナかなあ。AnywhereなひととSomewhereなひと、地元

    0
    2025年03月27日

    Posted by ブクログ

    國分功一郎がかつて『暇と退屈の倫理学』や『中動態の世界』で提示した生き方(世界から別の世界へ飛び移ることで自分が変わること。それに備えて訓練を積む楽しさ)は、情報社会によってすっかり過去に、あるいは既に達成されてしまっていた。

    「庭」という概念を持ち出すことにより、共同体を強化するために承認を交換

    0
    2025年02月16日

    Posted by ブクログ

    ここで登場する「庭」とはメタファーであり、半分閉じて半分開放された空間を指す。そこでは独自の生態系がそこに棲む生き物たちの共進化によって成り立っており、「庭」の主たる人間の思惑や思想を超越した偶発性が発生することで人生をより豊かにしていく機会となる。

    果たして、科学技術の発展は私たちの暮らしを本当

    0
    2025年01月14日

    Posted by ブクログ

    めちゃおもしろかった。が、最後の方理解が追いつかなかった。

    個人的には、仕事、家族以外のコミュニティにゆるくかかかわっていたい、それが自分の助けになると思っている。
    でも、元来の飲みニケーションや、自治会みたいなもの、、、昔ながらの場を考えるとちょっと違うなぁそのままではなと思っていて

    この本の

    0
    2024年12月31日

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